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7.96点(レビュー数:140人)

作者冨樫義博

巻数3巻 (完結)

連載誌週刊少年ジャンプ:1995年~ / 集英社

更新時刻 2012-08-05 12:20:45

あらすじ ドグラ星の王子が地球にきて、いろいろと騒ぎを起こすといった内容のオムニバス形式のSFコメディ漫画。

備考 月1連載
現在、文庫版(全2巻)が発売中。

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この漫画のレビュー

8点 zeebra2001さん

一言で言えば、ある種の社会風刺漫画とも言える。
バブルが崩壊して、デフレに陥った日本では雑誌が
全盛期に比べて売れず、また自国に対して愛国心や
自分に対しては悲壮感漂う未来像、そして創造力が
満ちあふれていた70年代とは違う90年代の漠然と
した消費文化を十分に皮肉っている。主人公の住む田舎で
いきなり宇宙人が現れる設定は、高度成長経済の中で進んだ
技術や文化を持った東京人が田舎の純真な少年に対しての
嫉妬や都会なんてこんな物だと失望感が入り交じった考えから
生まれたと思う。一方の主人公も、宇宙人という事で何でも
出来たり、自分よりも頭がいいと憧れを抱くが実際はバカで
とんでもない性格の持ち主だというのも作者が抱く「東京」の
アンチテーゼに近い。また、コンウェル星人という女を食べて
子供を産むという宇宙人も、現実世界で女性に対して未だに
偏見や差別、また社会進出して「強くなった女性」に何も言えない
弱くなった日本の「親父」を皮肉った設定だと感じた。援助交際と
いう、90年代が生み出した文化は金を払わないと相手にされない
男性が「種」を残して、自分を足跡を残したい「性」は、まさに
「食人鬼」の裏設定だろう。単なるSFコメディとしても面白いし、
ゲーム性を持った社会風刺漫画として読めば、また更に見聞を深める
作品だと個人的に思いました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-23 13:23:50] [修正:2010-03-23 13:23:50]

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