あらすじ
「ぼくのすんでいるところは 山と海しかないしずかな町で―はしに行くとどんどん貧乏になる。そのいちばんはしっこが ぼくの家だ―」。
腹違いの兄、一太。突然現れた、美しくてやさしい年の離れた姉、神子(かのこ)。そして「ぼく」、二太。
クスリを売る。体を売る。金を貸す。とりたてる。この町の多くの大人たちは、そんなふうにして生きている。
神子ねえちゃんは言う。「泣いたらハラがふくれるかあ。泣いてるヒマがあったら、笑ええ!!」。ヤク中の父を亡くしたばかりの少女は、うまく泣くことさえできずに、不思議そうにこう言う。「息するたびにな、ノドの奥に小石みたいのがたまるんよ。食い物の味わからへん」。むき出しの現実を見ながら、幼い心にいくつもの決意を刻んで「ぼく」は成長していく。
この漫画のレビュー
8点 dieseraieさん
話も絵も、読者を選んでしまうかもしれない。それを残念に思う。
辛い生活を強いられながらも明るく生きる住民達の、過激な日常を描いている。
ただ甘いだけの薄っぺらな家族愛ではなく、厳しい現実の中でそれぞれの形で見出される家族愛が描かれているため、非常に力強い作品になっている。
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[投稿:2006-04-21 09:33:26] [修正:2006-04-21 09:33:26]