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6.11点(レビュー数:35人)

作者森恒二

巻数18巻 (完結)

連載誌ヤングアニマル:2000年~ / 白泉社

更新時刻 2010-03-10 19:21:31

あらすじ “どうしても強くなりたい 僕の居場所(ホーリーランド)を守る為に――”

いじめられっ子だった普通の少年、神代ユウは、
街で自分の居場所を確保するためにケンカの腕を挙げていくのであったが、次第に彼は大きな抗争へと飲み込まれていくのであった。

備考 2005年石垣佑磨主演により実写ドラマ化された。

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ホーリーランドのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全35 件

8点 FSSさん

この作品に対しても漫画としての見方を無視して、無意味な突っ込みをする人が多いが、注意すべきなのはリアルとリアリティは違うという点だ。

異種格闘技やストリートファイトを描く漫画の肝は「ロマン」であり、そこに必要とされるものは「リアリティ」であって「リアル」ではない。逆に言えばリアルに拘ってもロマンが出る訳ではないのだ。作者の格闘理論もネット上で批判されているほどおかしい部分は無いし、仮に現実世界では実現が困難な技でも作中で説得力を感じられるならそれは「あり」。

この手の漫画に対してよくある反論として、「体格で優っていて、顔面打撃の経験もある人間が、顎を引いて打たれる覚悟で前に出てくるのをジャブ(作中ではフリッカーなど)で止めるのは無理、それが出来たら総合に出る打撃屋は誰も苦労しない」というような突っ込みをする人がいるが、それなら作中で「打撃でタックルに対処出来ないヘタレ主人公」なんかを出して、それで漫画として面白くなるのかと言いたい。そんなにリアルに拘りたいなら現実の総合格闘技の試合を見ていれば良いではないか。だが、そんな総合格闘技がつまらなくなっていったのは、リアルであるが故に技術体系が均一化して、戦い方に個性の入り込む余地が無くなったからではないのか?

異種格闘技戦においては、ボクサーがタックルをパンチで対処しなければボクサーとして戦っている「意味」が無いのだ。ボクサーが総合の戦い方になってしまったら、そいつはもうボクサーじゃない訳で、そうなればその地点で「異種格闘」のロマンは消えてしまう。同じようにあくまで空手家は空手で、柔道家は柔道で、プロレスラーはプロレスで戦うからこそ異種格闘にはロマンがあるのだ。

リアルをリアルに描くつまらなさを知ってるからこそ幻想を求めるという心理を許容する程度の柔軟性は欲しい。この作品はそうした異種格闘の持つロマンを出来るだけ現実に則した理論で抽出し、格闘技ファンの幻想を汲み取った佳作のひとつと言えるだろう。

そもそも、この作品の本質は格闘部分よりも、戦いを通じての人との出会いや繋がり、各登場人物の挫折と成長などがテーマであり、格闘はそのテーマを浮き立たせるための手段。「自分のアイデンティティ」や「存在理由の希求」といったテーマは青臭いながらも終始一貫しており、悩みながらも成長していく登場人物たちの群像劇が上手く描かれている。

ナイスレビュー: 6

[投稿:2008-05-31 21:36:42] [修正:2008-05-31 21:36:42] [このレビューのURL]

6点 columbo87さん

ひきこもりが町でのストリートファイトを通じて居場所を見つけていく、というようなお話。なんか良い人に面倒見てもらって主人公の心の闇が解けていったり、どうしようもないクズがいたりで傷ついたり、町は本当に地獄だぜ、ヒャッハー
孤独を感じ、居場所を求める現代の若者にウケたのではないか!というような感じの安い分析をする。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-06-01 12:24:51] [修正:2011-06-01 12:24:51] [このレビューのURL]

6点 sak4dn1さん

キャラクターの心境変化などがそれなりによく出来ていて、18巻という適度な長さなので、小気味良く読めてしまう。

感情移入はできないけど、タフやバキに比べたら現実感が高い。
格闘技・力ではなく、暴力という切り口の描き方が他のものより一寸長けているなと。

自分は、作者の注釈は意外と好きでした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-13 18:03:30] [修正:2010-04-13 18:03:30] [このレビューのURL]

8点 ジブリ好き!さん

格闘好きな方もそうでない方も、読んで損はないかと思います。

途中の格闘技説明が長くてテンポを損なうと思うかもしれませんが、そこを読み飛ばしても十分楽しめます。
人間ドラマもしっかり描かれていて、主人公が暴力におぼれて行きながらもそんな自分に恐怖したり、主人公の尊敬するカリスマ・マサキも、クールに見えて実は深いトラウマを引きずっていたり。
ぎこちなく不器用だけど本物な友達関係も共感できるかと。

ただ、主人公が何度も同じようなことを悩んでしまうので、すこしだれる部分もあるかと。

最後のドラッグ編も、あくまで大人の力を借りないで、自分たちのホーリーランドを守るという、しっかりしたまとめ方だったと思います。

後日談については、賛否両論かと思いますが、読後の印象を損ねるほどではないので、大した問題ではないかと。

R-16とかTOUGHタフなどが好きな人にはお薦めかも。

最後に、実際には筆者の格闘論より多くの要素が入るので、彼の理論通りやってもうまくいくことは少ないかと。特に一対多数戦やナイフや鈍器をもった相手との戦い方の解説は、その通りなのですが、理想論過ぎる部分が多いかと。。

いずれにせよ、お薦めできる作品です!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-12-10 21:14:19] [修正:2009-12-10 21:14:19] [このレビューのURL]

6点 白い犬さん

ホーリーランドというのは大人でも子供でもないユウの聖地(ホーリーランド)なわけなんですけど、これは同時に男の子(男にあらず)の聖地ですよね。
「強い」「弱い」のみですべての人間関係の上下が決まる世界なわけで。
これが大人になると人間関係の上下は金を持っているだの、社会的地位だのに複雑変わるわけで、ホーリーランドは良くも悪くも混じりっけのない純粋な力の世界。
力の世界ってやつは強力な魅力があると思う。
黄金期のジャンプがパワーインフレだと非難されてもあれだけ少年たちの心を揺さぶったのは力のみがものをいうホーリーランドだったからです。
やがてユウたちはホーリーランドを出なくてはいけない時が来るでしょう。

格闘についてマニアからいろいろ指摘されていますが、私はそれよりもやたら出てくる「作者の実体験からすると・・・」のほうが気になりました。
代弁してくれるキャラクターに語らせるとか他にも演出の方法があるんじゃないでしょうか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-06-10 01:51:45] [修正:2008-06-10 01:51:45] [このレビューのURL]

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