砂時計のレビュー
7点 paranaさん
あまり恋愛系少女マンガには触手が伸びないのですが
泣ける作品と聞いて読んでみたところ、当たりでした。
大ゴマの使い方が上手で読みやすく、
ストーリーも適度に笑えるところがあり、
急展開も色々あって全10巻すんなり読めました。
下に落ちて貯まった砂→過去
今落下中の砂→現在
上に貯まっている砂→未来
のように過去、現在、未来を象徴する砂時計。
主人公にとって重要なアイテムである砂時計。
そんな砂時計を意識してか
主人公の年齢と季節が各話のタイトルに入り、
ストーリーが時系列に進んでいく。
主人公は母親の自殺という暗い影に包まれ、
ストーリーが進むにつれて暗い影が色濃くなっていくのですが
登場人物の心理描写が良く、程良くせつなくさせられました。
個人的には最終話の1話前が良かったです。
あと、番外編で単行本2冊も出さないでも…って思いました。
(泣ける度3★★★☆☆)
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[投稿:2014-10-06 21:48:11] [修正:2014-10-06 21:48:11] [このレビューのURL]
7点 とろっちさん
砂時計。
時間の経過を示す象徴であり、人生を暗喩するアイテムであり、
過去と現在と未来を繋ぐ物語の重要なキーワードであり、杏の大切な想い出。
強気に見えるヒロイン・杏の打たれ弱さ、不安定さ。
自分の弱さを自覚し、そして自分の弱さが周りを巻き込んで傷つけることを自覚し、
強くなりたいと願うものの、なかなかうまくいかなくて。
強くなるために頑張って、頑張って、頑張って、気がつけばただ母親の足跡を追っていただけ…。
12歳から物語はスタートし、26歳でラストを迎える大作ですが、それぞれの年代の季節ごとに
ダイジェストで取り上げていくような形式なので、展開が速いです。
でも軸となるストーリーがしっかりしていて読み応えがあり、キャラ作りや感情描写も上手く、
コメディ部分もあってテンポ良くサクサク読める割に、実に濃厚な本編全8巻。
4人のメインキャラの強さ・弱さ、そして成長が、時間の経過に合わせて丁寧に描かれています。
番外編は2冊も必要かとも思いますが、まあ無いよりはあった方がいいのかな。
あんまり番外が多いと本編の良さが薄れる気もしますけど。
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
人の気持ちも移ろいやすいものですが、決して忘れられない部分も確かにあって、
そういう気持ちは人生の足枷ではなく、人生を支えてくれている、そんな作品。
過去を大切にし、現在と向き合い、未来を願う。 時の流れゆくままに。
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[投稿:2011-04-28 00:49:13] [修正:2011-04-28 00:49:13] [このレビューのURL]
6点 blackbirdさん
見事な少女マンガです。
親の死が重く心に残って、彼に素直に飛び込めなくて、彼も支えきれなくて、気持ちはお互いに何度も行ったり来たり。
健全な生活を送れた人にはイライラするかもしれないけど、実際にこういうトラウマがある人は、なかなか消化できなくて、前に進めずに悩むのかも。そういう重さはよく表れていると思う。
「もういいかな」と思うのに、何となく「また読むかも」と、手元に残してあるというのは、何となく魅かれるものもあるという事なのかもしれません。
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[投稿:2011-04-10 15:16:50] [修正:2011-04-10 15:16:50] [このレビューのURL]
3点 shredderさん
この漫画私の心に刺さらなかったんですよね。。
と言うのも初恋が実ります。
一度別れたのにお互い10年以上も思っているのです。←マジ
途中からはどうせ最後はくっつくんだろ!
って思ってましたしやっぱ年齢のせいでしょうね。
絵もごちゃごちゃしてて読みにくい気がしました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-10-25 15:44:39] [修正:2010-10-25 15:44:39] [このレビューのURL]
8点 臼井健士さん
まず「タイトル」がいいと思う。
「砂時計」。
「現在」「過去」そして「未来」の時間の移ろいを象徴する作品のキーワード。
全10巻(それも本編は8巻までで、残りの2巻は番外編。)で主人公が「小学生」から「1児の母親」となるまでを描いているため、時間の経過がスゲー早いんです。
両親の離婚を切っ掛けに母親の実家である島根に戻ってきた杏が好きになったのが近所の「大吾」。
相思相愛かと思われた2人の関係も、杏の母親の自殺が常に杏の心にのしかかってくることでギクシャクし始める。
自分が大吾の重荷になる・・・と思い、別れを選んだ杏。
時の流れと共に多くの恋を経験するも、どうしても大吾の事が杏の心の奥底からは離れず、いずれも破局を迎える。
(中には婚約までいったものもあった)
友人・肉親・知人、周囲の多くの人たちが「それぞれの幸せ」を見つけていく中で、未だに自分の幸せを見つけることが出来ずに
「人生という大海原を漂流するかのようにして生きる杏」。
流れてしまった時間を取り戻すことは叶わず、後悔は日々増えていくのだけれど、それでも「何かを期待して」今日も踏み出す一歩。
過去の後悔も過ちも、全ては今の自分を作っている分子だとそれぞれが理解できるようになったとき、
読者も全ての登場人物をいとおしいと思えるようになる。
そんな作品。
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[投稿:2010-07-16 06:37:01] [修正:2010-07-16 06:37:01] [このレビューのURL]
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