乙嫁語りのレビュー
8点 朔太さん
美しい描画と美しいお話が、1ぺージ1ページに丹念に
かつ精緻に紡がれた作品です。
ゆっくりとした時間の流れの中で、原始の時代から
人間が築き上げてきた文化の恵みを受け継ぎ、
またこれを次代に継承していく生活を感じさせてくれます。
中心となるカルルクとアミルの8歳違いの微笑ましい
夫婦のお話も面白いですが、5人の兄弟に嫁いだ未亡人
タラスとスミスのお話が一番のお気に入りになりました。
現代社会ではあり得ないですが、大人の事情に泣く
女性の物語と中央アジアの背景がマッチしています。
作者の森さんは、子供時代から中央アジアの生活や
文化に憧れがあったそうです。
それを大人になって、憧れの具現化をこんな形で
実現されているのは、素晴らしいことです。
マンガらしくない漫画ですが、底流に流れる美しさ、
憧れを読者が共有できるのは表現力が豊かな森さんの力ですね。
2014年にはマンガ大賞を受賞されていますが、
それに相応しいものだと思います。
ちなみに前年と2011年にも2位を獲得されています。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2020-07-16 06:11:33] [修正:2020-07-16 06:11:33] [このレビューのURL]
2点 Scroogeさん
有名な作品なので紹介はなし。
ものすごい勘違いと才能の浪費。
やたら美しい絵をつくっているが、
何を表現するための美しさだろうか。
もはや乙女でも嫁でもなく物語でもない。
ただ美しさで埋め尽くしただけ。
マンガになっていない。
単行本の中で読みたいと思うのが
巻末のおまけマンガしかない。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2019-12-07 14:20:26] [修正:2019-12-07 14:20:26] [このレビューのURL]
9点 daasyuさん
ジャンル:歴史もの
お勧めしたい人:20代?30代男女
マンガ大賞2014を獲得した中央アジアの19世紀の生活を描いた作品。最初は一見地味目の話と感じるが読み進めていく内にそれが誤りだと気づく。部族の結束や争いを見事に描いている。キャラクターの一人ひとりがとても魅力的で、読んでいるこちらが赤面してしまうようなシーンもあったりする。
更に今ではありえない時代の非情さを描写した話も多く、その内容に思わずハラハラしたり憤りを感じることもあるだろう。
特筆すべきは作者の絵のクオリティの高さで、よくここまで描き込めるものだと思う位素晴らしい。民族衣装や顔の表情など必見。
ピンク色のカバーとタイトル名から男性には取りにくい本かもしれませんがそこは勇気を出してください。
個人的には10点付けたいけれどもまだ終わっていない作品のため9点にしときました。前作の「エマ」もとても好きな作品です。こちらは恋愛主体です。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2014-12-31 23:45:50] [修正:2014-12-31 23:45:50] [このレビューのURL]
6点 07yamutyaさん
まったりとした気持ちで読める作品
絵がきれいで、雰囲気も好き
夫婦として成長していくのが良い
読んでて、キャラを応援したくなります
良い作品です。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-08-24 23:18:52] [修正:2011-08-24 23:18:52] [このレビューのURL]
8点 booさん
その名の通り、中央アジアの「若い嫁さん」、「美しい嫁さん」についての話。
1巻と2巻では12歳のカルルクに20歳のアミルが嫁ぎ、絆を深め合っていく話が主に描かれている。年の差や実家とのトラブルなど多少の弊害はありつつも順調に他人から夫婦へとなっていくのは派手じゃないですがほのぼのして良いですね。エマみたいに世間の常識や身分の差を乗り越えて良くも悪くも周りを巻き込む激しい恋愛とは真逆で、あくまでも当時の中央アジアの常識に則した恋愛を意識しているような感じ。
前作と同様恋愛に主軸が置かれてはいますが、エマを読んで疲れた人にはこちらの方をすすめときます。
また中央アジアの文化・風習を紹介してくれる漫画でもあって、皆さんが仰るように森先生の愛に満ち溢れた絵を楽しむことが出来る。刺繍・彫刻・民族料理と、好き好き好きと言うようなもはや引いちゃうくらいのクオリティは見る価値ありです。異なる風習・考えを正確に調べて描くのは難しいと思うのだが、風俗描写は丁寧に調べられており興味深い。説明臭くならないようスミスさんを通しての解説もうまいし、何気に細かい目線や表情まで意図してるところが多いようで何度も読み返せる。
また森さんの、現在の私達の常識で善悪を判断せずに一歩引いて物語を書く姿勢がかなり好印象。父権制度が分かりやすい例だと思いますが、今の私達からすると悪い印象のことでも当時の中央アジアでは当然あります。しかし森薫はそれを自分の、今の価値観で勝手に裁くようなことはしません。作中では当たり前のこととして描かれています。とはいえ私達からするとおかしいだろ、と思ってしまうのは致し方ないのでそこの緩衝材に私達と考えが近い外部の人間であるスミスがなっているのも巧いです。
要するに恋愛の形にしろ、風習や考え方にしろ文化や時代で異なっていても良い悪いの問題ではなくてただ違いがあるだけということなんでしょう。絵だけでなく、このように構成は細部まで驚くほどによく練られているし森さんの愛ゆえかの気遣いがみてとれます。
三巻で気づいた方も多いでしょうが、副題を良く見るとThe Bride’s Storiesとなっています。そう、これはアミル達を中心としつつも様々な乙嫁たちの話になるのだろう。
最後に…パリヤさんが結婚できるのを祈っています。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-25 22:59:30] [修正:2011-08-13 23:53:57] [このレビューのURL]
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