半神のレビュー
6点 paranaさん
紫綬褒章を受章した1949年生まれの少女漫画家、萩尾望都の
主に1980年代の作品が収録された短編集。
1980年代といえば、創作活動が一つの産業として根付き
マンガのみならず、音楽、映画等様々な創作活動が活発に行われ
創作においてさまざまな実験的な試みが行われた時代。
本短編集も、設定とストーリー展開を工夫して
話の先が読めないようにすべく実験的な試みに満ち溢れている。
各短編の内容が濃く一作一作が読み応えがある。
本短編集はもう1980年代の創作活動の歴史的資料の一つと言えるかもしれない。
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[投稿:2014-03-24 00:19:07] [修正:2014-03-24 00:19:07] [このレビューのURL]
10点 そのばしのぎさん
この時代の萩尾望都は「メッシュ」を中心に描いていたが、
自分はむしろこの表題作の「半神」や、短編集「訪問者」に収められている「城」といった短編の完成度の高さが素晴らしいと思う。
いずれも少ないページ数ながら、表現したい事が簡潔に伝わってくる。
話自体もストレートなので誰にでも勧められる逸品ではないだろうか。
今まで特別に萩尾望都が好きだった訳ではないが、いくつかレビューを書いてみるとこの辺の作品は減点のしようがないのが困る。
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[投稿:2010-09-18 08:58:33] [修正:2010-09-18 08:58:33] [このレビューのURL]
7点 ジブリ好き!さん
現在は文庫の短編集の表題作として読めます
たった16ページそこらでこんな物語を綴った作者の技量に感服
体がくっついて生まれた双子の女の子
天使のごとき美しさのユーシー、エイリアンのようにやせ細り気持ち悪いユージー
双子のとった養分はすべてユーシーへ流れてしまうのである
生活も満足にできず、周りも綺麗なユーシーしか見ない
ユージーの不満は、やがてユーシーの死を望む程に
そんな時に医師が分離手術を行い、成功するけれども…
分かれて初めて気付いた感情
憎しみと愛情は表裏一体
怪作かつ名作
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[投稿:2010-07-12 00:48:47] [修正:2010-07-12 00:48:47] [このレビューのURL]