「玄米茶」さんのページ

総レビュー数: 17レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月28日

山岸涼子のマンガでは、不幸になるべき人間は不幸になる。マンガ的なドンデン返しはほとんど起こらず、非情な現実は哀れな登場人物たちを押し潰していく。「ここでこいつはこうならなきゃウソだ!」と言わんばかりの展開を読んだ読者は、「ああ…でも山岸涼子分かってるじゃん!!」という面白がりかたをする。「分かってるじゃん」と思うのは、もちろん自分の過去を鑑みてのことだろう。上質な「悲劇」は、読み手の人生の反省会みたいなモンかもしれない。


「悲劇」を描くのがとても上手い作者だが、このマンガはそのなかでも筆頭。もちろん「テレプシコーラ」や、短編では「天人唐草」などもチェックして欲しい。


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[投稿:2011-04-15 23:50:42] [修正:2011-04-15 23:50:42] [このレビューのURL]

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