「玄米茶」さんのページ

総レビュー数: 17レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月28日

暴力、バイオレンスを描くのが上手いと思う。格闘のシーンも、一つ一つの動きをしつこく描き、具体性のある取っ組み合いになっている。変な言い回しだが、ケンカのリアリズム表現を、生理的に身に付けているように感じる。こういうマンガ家は少ないように思う。凝った構図や絵は、描いた作者の意識が透けて見えてしまうが、別に作者の意識が見たくてマンガを読んでるわけではないのだ。

太平洋戦争のさなか、主人公達不良少年は部隊となり、激戦のコレヒドール島、ガダルカナル島へ送り込まれ、米軍と戦闘をするというパートがある。ここでの戦争の描写は、リアルさと荒唐無稽が絶妙に混じり合い、少年マンガとしては最高に面白いものになっていると思う。

入手は難しいが、ぜひ一度読んで欲しい。

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[投稿:2010-09-29 09:54:27] [修正:2010-09-29 09:54:27] [このレビューのURL]

「懸命に、真摯に、自分の存在を懸けて…闘ってないから、オレは…行き詰まっていたんだ…!」

44才にして人生の真実に気づいてしまった男の、社会の最底辺を這いずり廻るような闘いを、寄って寄って描く。

シンプルなストーリーながら読ませる力はとても強く、登場人物のモノローグと粘っこい描写を読んでいくと、なんだか演劇を観ているような臨場感(?)が感じられる。映画にできるかな…などと考えていたら、「生きる」がまさにこうだったなと思った。

借り物の話ではなく、作者が本当に描きたい物語であることがよく分かる。中断のような最終巻だが泣かされてしまうし、あれ以上続けるべきではないと思う。

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[投稿:2010-09-28 00:49:09] [修正:2010-09-28 00:49:09] [このレビューのURL]

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