「玄米茶」さんのページ

「懸命に、真摯に、自分の存在を懸けて…闘ってないから、オレは…行き詰まっていたんだ…!」

44才にして人生の真実に気づいてしまった男の、社会の最底辺を這いずり廻るような闘いを、寄って寄って描く。

シンプルなストーリーながら読ませる力はとても強く、登場人物のモノローグと粘っこい描写を読んでいくと、なんだか演劇を観ているような臨場感(?)が感じられる。映画にできるかな…などと考えていたら、「生きる」がまさにこうだったなと思った。

借り物の話ではなく、作者が本当に描きたい物語であることがよく分かる。中断のような最終巻だが泣かされてしまうし、あれ以上続けるべきではないと思う。

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[投稿:2010-09-28 00:49:09] [修正:2010-09-28 00:49:09]

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