「こみっくは」さんのページ

総レビュー数: 15レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年01月07日

よつばというフィルターを通して、
『毎日って、感じ方によってこんなにも素敵なもので溢れていたんだなぁ』と教えてくれる作品。

ストーリー展開やひねった設定などは、何もありません。
よつばをとりまく日常にどっぷりつかるだけで、大きな満足感を感じられるのが、この漫画のすごいところ。

この漫画に出てくる大人達の空気感がまた、良いです。

ちょっとした伏線があり、それが次の日常へと繋がっていたりします。

スクリーントーンをほぼ使わずに、とても丁寧に書き込まれた背景が味を出しています。

読んでいてこんなにやさしい気持ちになるものも少ないと思う。

大人なら、ちょっと切ないような不思議な気持ちになる人も多いんじゃないかと思います。

10巻の帯のフレーズ『毎日という宝箱を、今日もあける。』という表現は、この漫画を表すのにぴったりだと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-27 21:06:16] [修正:2011-01-08 00:14:26] [このレビューのURL]

ネットの評価が高いので、手にとってみた作品です。

派手な感じはしないのに、つい先を読みたくなる作品でした。

よくあるスポコン漫画のシンデレラストーリーではありません。
バレエをやっている人の地道な努力や苦労、イベント的ではなく日常的な心理描写などが書かれています。

バレエの細かい技術的な面でも、壁にぶつかったり伸びていくのが丁寧に描写されています。バレエをやってる人なら、技(?)の難しさや、できた時の気持ちなど、共感できるのかもしれない。

高みを目指す人達の嫉妬心みたいなものも、まさに悪役といった感じではなく、リアリティがある。主人公達を見守る大人の目線も多くかかれている。

金銭事情や体質などの環境面も含め、厳しい現実面を思い知らされる。

「リアル」を読者に知らせ、感じてほしいというメッセージが一貫して伝わってくるのが、ひとつの作品としてすごいです。

バレエでなくても他のスポーツでも、何かを一生懸命目指してやっている人はすごく感情移入できるのではないでしょうか。きっと今がんばっているものに対して、モチベーションがあがると思います。
自分は特にそういったものはないけど、登場人物達を応援する気持ちでいっぱいでした。

最後の方は作者を恨めしく思うような展開があったけれど、その展開からのラストの結びは最高だったと思います。

従来のスポーツ漫画に比べ現実的な分、スカッとするところは少ないと思います。
ですが、読み終わったあと、しばらく余韻が残りました。大御所だけに力量を感じさせる作品です。

同作者の他の作品も以前から気になっていたので、これをきっかけに読んでみようと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-07 20:58:48] [修正:2011-01-07 20:58:48] [このレビューのURL]