「こみっくは」さんのページ

総レビュー数: 15レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年01月07日

中学生の時に読みました。

次々と起こる展開、誰が敵かわからないスリル。

サスペンスに、超能力バトルあり、恋愛ありの少女漫画。
超能力バトルといってもなんでもアリって感じではありません。

大好きな双子の妹に命を狙われ、逃げる、逃げまくる主人公。

中盤、世の中が敵ばかりに思える状況で、いつ捕まるかとハラハラしました。緊迫感を書くのがうまいです。

主人公と双子の妹の戦いが、色々な他の思惑も巻き込み、時に協力的になったり、また敵対しながら進みます。

主人公に敵対する妹にも感情移入できるエピソードがちゃんとあり、
ダレることもなく、最後はせつないが見事な完結。泣けました。

恋愛がキーポイントであり描写もありますが、主軸ではないので男性にもおススメできる少女漫画です。

ただし、主人公のイイコちゃんキャラにイライラするかも。

この作者はどの作品も、全体的にキャラの魅力が薄い。
けれどもストーリーで考えると、この作者の漫画の中で1番出来の良い作品だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-12 22:23:44] [修正:2012-02-10 23:43:20] [このレビューのURL]



ドラマチックです。この時代の少女漫画にあって、今の少女漫画にないもの、、、それが圧倒的なドラマチックさだと思います。

主人公がドイツの音楽学校で恋をした相手がロシアの革命家であり、次第にロシア革命に巻き込まれていく、大河ロマン。
舞台も国をまたがり移り変わります。

男のフリをしている主人公という点はベルサイユのバラと同じような設定だが、家督争いや、侵してしまったある秘密の為、という男装の理由付けがちゃんとある。

前半はロシア革命とはあまり接点のない音楽学校の学生生活が描かれている。革命だけを期待して読むと、前半の恋愛要素たっぷりの部分で挫折する方もいるかもしれない。しかしサスペンス的要素があり、主人公の秘密がバレるバレないのスリル感がある。また、音楽に対しての学生達の想いも読み応えがある。そして後半への伏線もある。

多くの登場人物がいるが、その誰もが懸命に生きている。
恋愛に対して…、志に対して…、音楽に対して…、生きることに対して、すべてに熱さが伝わってくる。

古い描写が肌に合わない方もいると思うが、そこにうまく溶け込めれば、古い描写だからこその、美しさや熱っぽさが心地良いと思います。
それがあるからこそ、ドラマティカルな世界を堪能できる。

高校の時回し読みをしていましたが、「ベルサイユのバラ」より「オルフェウスの窓」を高く評価している人が多かった記憶がある。

私もオルフェウスの窓の方が好きです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-17 21:13:13] [修正:2011-01-17 21:13:13] [このレビューのURL]

有名な作品なので読んでみました。

展開につぐ展開、常に読者をハラハラさせてやろうっていう勢いが感じられます。

何があるか分からない世界で、希望を感じられるものを発見するかも、という少しの期待を持ちつつ、裏切られながら一気に読みました。

SFあり、ファンタジー(空想と現実がごっちゃになる等)あり、恐怖あり。

恐ろしい雰囲気を醸し出す手法はさすがです。

あまりの超展開や、こども達の行動心理の唐突さにとまどう箇所も。
説得力がちょっと弱いようにも感じますが、当時漫画が今よりもっとこどもを対象にされていたこと、当時としての新しさを考えると、とてもクオリティが高い作品です。
こどもの頃に読んだらもっと衝撃が強かったハズ。

こども達が使命感を持って戦ったり、小さい子達を守ろうとする姿勢に好感が持てます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-12 20:18:34] [修正:2011-01-12 20:18:34] [このレビューのURL]

「カンタレラ」の毒薬で有名なボルジア家、チェーザレの人生をすごく丁寧に描いた作品。

画力が高く美しく、建物や洋服が忠実に再現され、漫画というより芸術作品的な雰囲気です。

史実を知らない私でも、当時の情勢や宗教観が書かれていて、分かりやすいし好奇心がそそられます。
説明的なセリフも多いですが、エピソードを交えて伝える場面も多いのでわかりやすいと思います。

特にチェーザレの通う大学の生徒の相関で国の情勢などが解るのが面白い。
フランスが当時周りの国から「野蛮」と思われていたのは意外でした。

これを読んでから、塩野七生著のチェーザレの小説を読んだのですが、
この漫画の方が、わかりやすく、感情移入ができ、迫力がありました。

話がゆっくり進み、激動の展開というものがないので、物足りなく思う方もいるかもしれません。
個人的には、丁寧な描写によって、今の生活と離れた中世ヨーロッパの雰囲気に違和感なく溶け込めて好きです。


この作品、漫画大賞とかで好かれそうな気がする、と思っていたら2009年惜しくもノミネート届かず、だったらしい。
けど、ちょっと漫画らしさが少ないのかもしれません。


日本、中国の歴史漫画は多いですが、それ以外の歴史漫画は少ないように思います。

中世ヨーロッパは同じ名前、似たような名前の人がうじゃうじゃいるので、絵のない小説だと混同しなように読むのにちょっと疲れる。

今後、漫画でこういった歴史ものが増えたら面白いなぁと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-01-08 00:02:02] [修正:2011-01-08 00:07:37] [このレビューのURL]

7点 寄生獣


10年前にトライした時は、グロイと思って1巻ですぐリタイアしてしまい、最近一気読みしました。今思えばグロさはどうってことない。

発想の奇抜感がすごいです。

人類の中に得体の知れない敵が紛れ込んでいる恐怖感が面白い。

ぐいぐい読ませる展開があり、両親とのエピソードはぐっときました。

主人公の心の迷いや成長も読みどころ。

それを通して、読者に問いを投げかけ、投げかけるだけでなく作者自身の答えもしっかりと出して結んでいるところがすばらしいです。

独特の奇妙な雰囲気があり、ハラハラあり、バトルあり、感動あり、人間への問いかけまである、といったとこ読み応え抜群の作品です。

10年前に読んでいれば、もっと衝撃が強かったと思います。惜しいことした。

同作者の『ヒストリエ』も雰囲気が違ったものですが、おススメです。個人的には『ヒストリエ』の方が好きです。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-07 22:34:57] [修正:2011-01-07 22:34:57] [このレビューのURL]