「メカガメラ」さんのページ

総レビュー数: 13レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年01月07日

「湿気ったらんま」。
それ以外言いようがない。

現時点では読めないほどつまらなくはないが、らんまにしても犬夜叉にしてもスタートダッシュは素晴らしかったものの4、5年後から失速していったので、現時点でこんなもののRINNEは先が思いやられる。

だが最近、若干ではあるが作品のテンションが上がってきたような気がしないでもない。

主人公は熱血漢かお調子者、ヒロインはおてんばという、サンデー掲載の留美子作品のテンプレから外れたりんねと桜のキャラクターは時代の流れだろうか(その割にデザインは古臭いが)。

なんかあだち充作品と留美子作品の中間っぽいマンガ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-25 16:41:27] [修正:2011-09-25 16:53:11] [このレビューのURL]

8点 寄生獣

名作であるということに異論はないが、このサイトでも多数のレビュワーが述べている意見の傾向と自分の考えとでは若干評価のベクトルが異なる。

ここでもよく目にする寄生獣の魅力は「テーマが深い」といったものが多めだ。この作品のテーマとは大雑把に言えば「人間の醜さと素晴らしさ」なのだろうが、かなり大きくて抽象的なテーマだと思う。

これは作者の哲学であり、そもそも明確な深さの定義もない。
作者の考えが丁寧に、奥深く描写されていることは間違いないが、これ事態を深いと感じるかどうかは読者の感覚や思想により異なるだろう。
ぶっちゃけた話、テーマそのものはマンガならいざ知らず、他の媒体(小説や映画など)ではこの作品と同等以上に深い描写に思えたものも珍しくはない。

自分が考える寄生獣の凄さというのは今述べたテーマそのものなどではない。むしろ、作者が据えたテーマを作品の核とし、作者なりにその答えを終盤で提示して物語を締めくくったその「構成力」であると思う。
娯楽重視の性質を持ち、なおかつ長期に渡る連載期間や、実力が及ばなければ打ち切られるシビアなマンガという媒体で、ここまで様々なアプローチで自分の哲学をストーリーに盛り込んだ構成力は、もはや頂点と言っていいのかもしれない。

ただ、その一方で、寄生獣が漫画としての頂点かと問われれば、それはまた違う気がする。
確かにストーリー構成の完成度は最高レベルだが、漫画にはそれ以外にも必要不可欠な要素が多数あり、寄生獣はそのすべてをカバーしているわけではないからだ。

マンガのみが持つ性質を活かした、漫画のみの魅力。それこそ「画」や「コマ」を活かした視覚的且つ直感的な魅力や、娯楽性だと思う。
これはマンガにおいてはストーリーと同等のウエイトを占める要素である。むしろマンガ特有の要素という意味では、相対的により重要な要素とも考えられるかもしれない。

そういう側面の技術力を考えれば岩明均は特別優れた能力を持っているわけではない(形容しがたい持ち味こそ感じるが)。むしろ並である。

極端な話、ストーリーでは最高級だが漫画的表現は並の寄生獣と、ストーリーなんて空っぽと言われているが漫画的な演出では最高クラスのドラゴンボールのどちらがマンガとして優れているかと聞かれれば、個人的には後者を選ぶ。


ただし、寄生獣を中学生の頃に読むことができれば、人生のバイブルになったかもしれない。
少年少女に色々考えさせるだけの説得力と存在感のある作品だということは間違いないだろう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-09-25 15:54:23] [修正:2011-09-25 16:09:03] [このレビューのURL]

これは哲学なのだろうか?

初見の10数年前は、果たしてギャグなのか哲学なのかわからない場面が多々あり困惑した。
でも読んでいる時に感じる、独特の雰囲気に呑まれる感覚が好きだった。

そして最近では単行本を買い集めて週末にチビチビ読んでいるが、相変わらず不思議な空気を持っている。

形容しがたいけど、なんか心地良いマンガ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-06 00:50:04] [修正:2011-09-06 00:50:57] [このレビューのURL]

エルリック兄弟が戦う(旅をする)理由がとても斬新。

少年マンガといえば大抵「世界を救う」とか「誰よりも強くなる」といった大きい目標があるものだが、この作品は「自分たちの過ちにより失った体を取り戻すこと」が目標で、言わば「スタート地点に立つこと」がゴールとなっている(中盤からは「世界を守ること」も目標となるが)。

また、普通は初めは弱い主人公が目的のために力をつけていくものだが、この作品は、幼いころに過ぎた力を持ってしまったからこそ過ちを犯し、目標が生じたというところも珍しいと思う(「るろうに剣心」などはこのタイプか)。

こんなシビアな設定の物語だが、だからこそエルリック兄弟の心理描写や葛藤、精神的成長が細やかに描かれ、見事な存在感を獲得して立派に主人公として機能できたのだろう。

また、周囲の主要人物も目的や思想が明確で、さらにそれが構成された理由が充分に伝わってくるだけのバックグラウンドが描かれているので、作品全体としてかなりの重厚感が感じられる。

話づくりもとても達者で、これだけの重い設定をコミカル且つ巧みな構成でエンターテイメントとして昇華し、グイグイ読者を引き込む程の魅力がある。
かなりレベルの高い作品と言えるだろう。


しかし、ラスト2巻は個人的に非常に不満が残るものとなった。

恐らくテレビアニメの放送期間に追い立てられる形になったのだと思うが、とにかく残りのプロットを最低限終わらせようとしたかのようなテンポで、こだわった演出はおろか最後の戦い後の余韻すらない。

マンガにおいて最も大事な要素の一つは台詞やコマ割などの「演出」、言い換えれば「間」であるというのが持論なので、ラスト2巻は全然のめりこむことができなかった。

「終わりよければ全て良し」というが、その逆は非常に大きな原点ポイントだと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-06 00:25:42] [修正:2011-09-06 00:26:49] [このレビューのURL]