「てっち」さんのページ

総レビュー数: 17レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年07月02日

8点 嬢王

なんといっても出てくる女の子がかわいいです。
主人公の成長物語は一気に読めますね。
基本的には天性の才能を持つ主人公がさまざまな経験を積んで成長していくという、少年漫画の王道みたいなストーリーです。

現在はコミックス9巻まで出てますが、7巻8巻ぐらいから、徐々に終焉が見えてきました。オーナーと主人公は、あしたのジョーばりに一つのエンディングに向けて突っ走ってる感じです。同時に倉科亮得意の夜の闇社会の姿がたびたび描かれるようになってきました。やや嫌な予感がします。

目が大きくて萌え系で(?)ひたすらかわいかった彩ちゃんですが、最近は目が小さくリアルな人間らしく描かれるようになりました。作者が物語に入れ込んで、完全に一人の動いてる人間として捉えてる証拠なのかもな、とも思います。知りませんが。作者がどう終わらすか、というよりも、彩ちゃんがどう動くのかが注目したいところですね。完結したらまた感想書きます。

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[投稿:2007-08-29 22:20:03] [修正:2007-08-29 22:20:03] [このレビューのURL]

絵もストーリー運びも上手すぎて、
良くも悪くも圧倒的な安定感がありますよね。
個人的には窪之内英策先生の作品もそんなイメージです。最たるところは鳥山明先生ではないでしょうか。

「帯をギュッとね」は安心して読めました。
「モンキーターン」は安定感ありすぎて、バットエンディングがないゲームをやってるみたいで、途中で飽きてしまいました。
今回は…面白そうですね。結構期待してます。

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[投稿:2007-08-29 21:56:57] [修正:2007-08-29 21:56:57] [このレビューのURL]

楽しけりゃいいじゃん的な昔ながらのギャグマンガで、自分にとってはある意味、こんなんだったらいいのに、という理想郷のようなマンガ。読みながら「この世界に入りたい」とか思っちゃう。らんまやうる星やつらにも同じ感覚抱きましたが。まだ読んだことないけど「マカロニ」や「パイレーツ」も同じ感じなんかな?

ただ、人は成長していきますし考え方も変わっていきますから、常に自分の理想を満たしてくれる理想郷を描き続けるのは難しいわけです。序盤では、無意味なギャグを連発してふざけあっているだけで楽しかったはずなのに、徐々に今までの関係だけでは飽きてしまい、新たな発展やストーリーが求められるようになっていきます。あ〜るもそういった感じで、理想郷でわいわい騒ぎながらもゆっくりとストーリーが深化してった気がしますね。

自分はパトレイバーのストーリーをなかなか理解できなかった馬鹿小学生だったので、続けて読んだあ〜るには反動ではまってしまった感じです。

あの仲良しクラブ的な雰囲気に憧れを抱いてましたねぇ。自分も高校生になったらこんな感じでおもしろおかしく部活やったりするのかなーとか思ってました。実際経験してみたら、もっとクールでじめっとドロドロっとした人間関係でしたが(笑)あ〜るを人間関係面でリアルにした感じの作品が「げんしけん」なんじゃないかな、と個人的に思います。

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[投稿:2007-08-26 23:16:35] [修正:2007-08-26 23:16:35] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

金欲、食欲、性欲、独占欲…。さまざまな欲望が入り混じる都市で、みな欲望を隠して生きています。隠してはいるのですが、欲望のままに暴飲暴食したりHしたりいじめたりしてしまうのが人間です。そんな都市で生きている少年少女の話です。

いじめられっこでゲイの山田くんと、拒食症の吉川さんは欲望に流されない数少ない人間です。彼らは、自分たちの体が欲望に支配されていない生身の体かどうか確認するかのように、喜んで人間や猫の死体を見に行きます。彼らは自分の欲望をごまかして、隠したりしません。はっきり言ってこの世界では異質な存在です。

物語が進むにつれて、欲望を隠して生きているはずの世界にゆがみが生じて、それぞれの欲望があらわになります。欲望の火をうまくコントロールしてタバコを吸う吉川さんに対して、欲望の火をコントロールできず焼かれてしまった田島カンナ。

物語の最後では、主人公のハルナは再び欲望を隠しつつ以前のように接しようとする観音崎くんと、自分の素直な気持ちをを隠そうともしない山田くんの二人と話して、思わず泣いてしまいます。普段から自分の欲望を隠そうともしない山田くんや吉川さん。普段は自分の欲望を隠してきたのに最終的に欲望に支配された観音崎くんや田島カンナ。どちらが正しいのかなんて誰もわかりません。

資本主義の世の中で、欲望のままにたれ流された工業廃水や生活廃水やごみや尿や精液がよどみながらゆっくりと流れてくる河口の近くに彼らは住んでいます。その景色はまるで彼らが住む世界を象徴しているかのように見えます。
この世界はまるでリバーズエッジ(川の淵)のようなとこだよ、ということですね。

都市部の河口のよどんだ感じと、欲望に突っ走っていきながらも閉塞感を感じている若者の感じがうまく結びつけてあり、とても興味深く読みました。PINKも評価高いですが、わかりやすさも含めてリバーズエッジを岡崎京子の代表作としたいですね。

しかし、みなまで言わないとレビューできない自分はまだまだ未熟者です。自分でも熱くなっていると自覚しているので、冷静になる意味でマイナス1点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-08-20 23:44:19] [修正:2007-08-20 23:44:19] [このレビューのURL]