「てっち」さんのページ

総レビュー数: 17レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年07月02日

[ネタバレあり]

巨人の星系でも水島系でもキャプテン系でもない、
「普通の高校生と監督」の甲子園を描いた野球漫画。
マンガの影響から「野球は、努力好きで真面目で才能ある選ばれた奴がやるべきだよな」と思いこんでた私には新鮮でした。
やったろうじゃんの「監督が選手と考えながら野球していく」路線が『大きく振りかぶって』『ラストイニング』につながっていく(と勝手に思っている)。

朝霧高校に喜多条監督が赴任し、反発を受けながらも野球部を一つにまとめていく序盤。練習・日常生活・心情まで、普通(天才でも不良でもない)の高校野球部員の生活を描いているので、チームが一つになっていく過程は感情移入して一気に読める。

その後、滝山高に勝つためには、甲子園で勝つためには、努力と運が必要だということを思い知らされます。剛速球投手・江崎がチームに加わり、高めあいながら快進撃を続けたのも運なら、その江崎がチームのために限界を超えて故障するのも運。これが中盤。

全てのドラマが終わり、重厚な江崎のドラマに突入する終盤。
楽しい時も苦しい時も悲しい時も野球をやってきた江崎は、最愛の女性がレイプされた怒りすら、野球で表現することを求められます。自分の才能すら呪いたくなりながらも、才能がある故に投げ続けなくてはいけない、それもまた甲子園の真実でしょう。

甲子園を夢見る普通の高校生・加納の話から、高校野球に翻弄されなお高校野球に戻ってきた喜多条監督、江崎という天才の話まで…要は「野球が好きな男」のお話ですね。

滝川高ぐらいまではもう面白くて面白くて、甲子園でも江崎が覚醒していく姿と選手が考えながら野球するのが面白くて、確実に10点満点でしたねぇ。
ただその後があまりに暗くて…。『部屋においでよ』や『青空』でも描かれている、あの息苦しくなる暗さです(笑)
ってことでマイナス2点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-07-18 00:58:33] [修正:2007-07-18 00:58:33] [このレビューのURL]

Fの短編集と併せて読むと、凄さが分かります。
SFに関する考え方が全くぶれていません。

特に、力(超能力・権力・武力・財力…)を持つ人間がどのように調子に乗り、報いを受けていくか。この考え方はFの中で確立されていた、と思います。のび太は毎回このテーマに挑んでいたのでしょうねぇ。

また、ドラえもんのすごい所は構成力だと思います。
学校から帰ってきたのび太が、昼寝していたら、ママに買い物を頼まれて、ふてくされながら、歩いて買い物に出かける。
それらが2コマで描かれていることがあります(笑)
特に、連載後期には全く無駄の無い構成になっており、流れるような場面転換で、読んでいると実にテンポの良さを感じます。
そのテンポの良さ、読みやすさゆえに、どれだけ回を重ねても「反省しないのび太」がより目立ってしまい、苦手に感じるのかもしれませんね(笑)

しかし、これだけ無駄が無い作りなのに、むきになって劇中の役者や漫画に小ネタをねじ込んでくるのは、Fの意地なんでしょうか…(笑)

ナイスレビュー: 4

[投稿:2007-07-11 08:19:12] [修正:2007-07-11 08:19:12] [このレビューのURL]

連載で読んでる自分は
この漫画の話の進めっぷりにやられました。

恋愛ってこんなもんすね。
毎日の積み重ねで惹かれちゃう。
毎週毎週徐々に惹かれあう2人を見てる感じ。

コミックスだと魅力は半減するかもなぁ。
今、現在コータローが先っちょ入れて帰ったとこです(笑)
これから読み続けて、また再レビューしてみます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-11 01:27:37] [修正:2007-07-11 01:27:37] [このレビューのURL]

好きですこれ。
実は高校アフロの時の雰囲気は好きじゃなかったんですが。


「あー世の中ってそういうもんか!」ってささいなことに田中が気がつくのが好き。俺も、「世間の人は翌日の仕事に集中できなくなるから早く寝るのか!」と気づいてショック受けたことある(笑)


「服を買いにいくための服を買いに行く」ってのも笑ったなぁ。
何年かすると忘れちゃいそうだけど、嫌いじゃないよってことで。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-11 01:12:22] [修正:2007-07-11 01:12:22] [このレビューのURL]

レビューを書いたみたら、長文になりました…。
嫌いな人、すんません…。

テーマは「想像する」でしょうか。

痛いのを想像する。辛いのを想像する。楽しいのを想像する。
相手の気持ちを想像する。

ゲーム世代は、想像力が欠如しているから、凶悪犯罪にいともたやすく手を染めると言われている。
「殺さないと自分が殺される」と強く想像できる人が殺しに手を染める。

各々の想像によっては、
生も死も紙一重だということです。

作中、たくさんの「生きている」人が突然に「死んでいく」姿が、とてもリアルな描写で登場します。
同時に、たくさんの想像できない普通の人も登場します。
トシモンが繰り広げる虐殺に、「なんだつまんねえ100人かよ」「トシモンごっこだ」などどはしゃいでいます。身内や恋人じゃないと想像もできない「死」。
まさしく、これは現実なんですが、あまりに現実すぎて目を背けてしまいます。しかし、これは私たちに対するメッセージでもあります。

『本当に想像できてる?』

「盛り上がりが足りない」「描写が甘い」「最終回前に一人は死なないと」などと、知ったふりして、漫画を読んでいた自分には、このメッセージは強烈でした。
吐き気を覚えるほどの虐殺シーンも、テレビやネットで刺激に慣れてしまって想像できない私たちに届くように描いた結果だと思います。

どんなうれしいことでも悲しいことでも「なんかドラマみたい…」で済んでしまい、国政選挙も「何してんだかわかんないから」と投票率も低下。皮膚感覚で現実が分かりづらい世の中。
リアリストって言うと悪い人みたいなイメージありますが…
現実を見つめて、未来を、この世の行く末を「想像」して、私たちの手で素晴らしい世界を造る、と強く願って行動すれば、叶わないことはないってことです。

誰に願うのか。神様?神様すら、人間の「想像力」が心に生み出したものだから。神様はただ、そこにいるだけで、願いを叶えてはくれない。結局、美しい世界を造る願いを叶えるのは、一人一人の意志のみです。

くさいけど、それが「世界は私のものだ」ってことなんでしょう。



他の人も書いてますが、9・11以前にこの漫画がこのテーマで描かれていることに改めてびっくりします。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-07-10 23:51:16] [修正:2007-07-11 00:26:14] [このレビューのURL]

恥ずかしい話、全巻読んでないのですが、
大好きな漫画でした。

まだ小学校高学年、ちっぽけな世界しか知らなかった私が、別にかっこよくなくても、ふざけたことばっか言ってても、エロくても面白けりゃいいんだ!とわかりショックを受けた作品です(笑)
今でこそ、芸人ブームとやらで「面白い人はすごい」と認知されてますけどねぇ…。

なのに、中盤、横島くんが能力を身につけかっこ良くなっていくのです。それまでの楽しい、偉大なるマンネリが崩れ、苦しくて苦い成長ストーリーに入ってしまいました。
思春期まっただ中の自分にはリアルすぎてちと重かったのかもしれません。そこから読んでないのですが、今なら面白く読めるでしょうか。

そういや、優れたギャグ漫画家はシリアスなストーリーものを描きたくなるものだ、といしかわじゅんが言ってましたが、連載中にそんな感じになったのかもなぁ、椎名先生。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-07-02 15:00:24] [修正:2007-07-02 15:00:24] [このレビューのURL]

連載時からとっても大好きな漫画です。
この漫画の中の空気感が好きです。
特にライブシーンは音が聞こえてくるよーで。

作者同い年だからかもしらんけど、
熱くなったり冷めたりの描写が妙にリアルに感じます。
たぶんヤンサン本誌なんで、他の作品より読者意識して、意図的に楽しく軽く描いてたんだろうけど、これ一番好きだなあ。

他の方も書いてるように、岡崎京子的な深さは無いので、そこで1点マイナス。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-02 14:23:11] [修正:2007-07-02 14:23:11] [このレビューのURL]

面白かったです。
和也が試合を経るごとに覚醒していく姿に毎週ぞくぞくしてました。

98年W杯と連載がほぼ同時進行だったので、抽選会で初戦アルゼンチンが決まった時、うわー村枝ラッキーだなー!と一人で興奮した記憶があります(笑)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-02 13:52:41] [修正:2007-07-02 13:52:41] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

どーせ漫画なんだし、ってぎりぎりまで笑いとばしちゃう感じと、
やっぱ俺不良嫌いだわ…って思い出させる妙にリアルな暴力描写のギャップがなんだか好きでした。

ま、確かに不良って、そんなギャップが魅力だったりしますね。

独身者がコンビニに買い物に行く後をつけて行って、部屋をジャックするシーンがなぜだか今でも心に残る(笑)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-02 13:42:20] [修正:2007-07-02 13:42:20] [このレビューのURL]