「」さんのページ

総レビュー数: レビュー(全て表示) 最終投稿: まだ投稿されていません。

[ネタバレあり]

ここまでレビュー作品数も700を超えた。
そろそろ過去の作品の中からマイベスト10を選んでみようかと
思っているところに、とんでもない作品に出会ってしまった。
面白かった。
マイベスト10あるいは5に入りそうな最高レベルの傑作だ。
これまで作品名さえ知らずに、偶然出くわした幸運に感謝
したいくらいだ。

サスペンスドラマとしても一級品の脚本だから、小説にしても
TVドラマでも良いものになるだろう。
実際、韓国で映画化された上、さらにはハリウッドで2013年
リメイク作品にもなり、好評だったようだ。
(私も後日、米国作品を鑑賞したが、オチは原作以上の分かり
やすさで高評価である。)
しかし、漫画ならではの味わいがあって、特に嶺岸氏の描く
アウトロー、闇世界の表情と相まって、最高の味わいが出ている。
初話から最終話まで、読む手が止まらない。
話の区切りでは、必ず次に繋がる謎や混迷が残るので、
凄さに圧倒されていた。
連載中に出会っていたら、毎号買っていただろうな。

サスペンスの質が何より上質である。
当初は、20年監禁された理由と監禁加害者が謎、監禁した
加害者への復讐劇かと思いきや、加害者の深い闇と対決、周到に
用意されていた舞台と罠の数々、そして大団円を迎えるのだ。
監禁理由がしょぼくて理解不能との声もありそうだが、私は
その辺は気にならなかった。
何しろ望みうるものは何でも手に入る人間が考えることなんだから、
凡人の常識を当てはめるのはナンセンスというものだろう。

むしろ謎解きの後にも残る謎の置き方に感服した。
既に3回読み直しているが、最後のエピローグまで完璧な仕上げ
を施してあるのには驚く。
漫画通ならば、この一冊を見逃すべからずである。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-09-19 08:01:57] [修正:2023-09-19 08:01:57] [このレビューのURL]

10点 子連れ狼

全403話28巻の長編である。長編ではあるが、無駄に長くはない。
武士道を語り、時代の理不尽さを語り、親子を語るには
6年の時間と403話の労力が必要だったのである。

本作品をはじめ、小池一夫と小島剛夕による漫画作品は、
エンターテイメントとしていかに優れているか、万遍の
言葉を尽くしても足りない。
本作は、その中でも頂点に立つ最高傑作である。

小池一夫が愛した「もののふの道」は、間違いなく美しく正しい。
現代の多くの人々に支持されながらも、その生き方は
尋常ならざる確信がなければ貫けない。
しかし、それを貫き通す美しい境地は、かくあるべしと、
小池が分かりやすく説明してくれているかのようだ。
紆余曲折の末、いかに最終話を迎えるのかと思うと、
途中で投げ出せなくなる面白さも備えている。
はたして、最終話は最高のエンディングである。
いろんな思いが綜する最終話だと感じ入った。

海外でもリメイクされた作品が紹介されているようだが、
肝心の日本では小池の残した作品群が古めかしく過去のものと
いう扱いがされているようで残念である。

是非、心ある日本男子には一読をお願いしたいと思うばかりである。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-08-13 09:00:29] [修正:2023-08-13 09:00:29] [このレビューのURL]

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-08-02 19:43:35] [修正:2023-08-02 19:43:35] [このレビューのURL]

10点 宇宙兄弟

ムッタだけでなく様々な大人たちの生き様、ヒューマンドラマに感情移入してしまう。
どの登場人物も嫌味がなく気持ち良く読める。
カッコいい大人…と言うよりはどこか弱さがあり、現実を直視しながら夢に向かって前進していく大人たちを魅力的に描くのが本当に上手い。

世界に誇るべき日本の漫画とはこう言う作品のことを言うのだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-03-13 22:30:29] [修正:2023-06-25 23:52:14] [このレビューのURL]

10点 キーチVS

前作に続く新井氏の衝撃の作品。
その昔、三島由紀夫という自害小説家がいたが、
対談させてみたいというのが、最初の感想だ。
圧倒的な熱量、強烈なパワーが紙面から読者の脳に伝播する。
これは、カリスマ物語でも、はっちゃけ熱闘青春物語でもない。
そこの基本のところを誤解している人がいるのは至極残念である。

前作、「キーチ」では、確かに人間キーチの成長と真っ当に
生きることの意味を問い続け、何故真っ当に生きる人間の
美しさを見せてくれた。
しかし、本作品ではキーチの体を借りて、日本という
得体の知れない国の息苦しさの正体を表現してくれた。
それは誰もが知ってて知らぬ顔をする薄汚い日本の側面だ。

漫画というエンターテイメントツールを利用して、社会に
対する強烈な新井氏個人の問題提議を世に発信していると信じたい。
なぜなら、エンターテイメントであるならば、不快感に
まみれた失敗作だからである。
苦々しい気持ちにさせる問題作品だからである。

新井氏の主張は、ただ一点。
「社会の問題に対して傍観者であることは罪である」だ。
作中、子供が描いた「世の中のしくみ」は極めてシンプルだ。
確かに大人は、全て了解していて、そのくせ訳知りに
その構造の中を泳いでいくことが、大人と嘘ぶく。
また恩恵にあずかれない階層の人間は、世の中で仕組まれる
ことにはことごとく何でも批判し、拒否する。
日本は、まさに前者と後者の階層で闘争をしている印象だ。
この点を指摘した知識人は、未だ見たことも聞いたこともない。

前者は言わずとも既存権力者側+既得権者+取り巻き(官僚、
企業、マスコミ・・)、後者は負け組。
この両者で階級闘争をしている。
困ったことに、後者の応援をしているふりをするマスコミ
(支持を受けるとスポンサーから資金が獲得できる)や
政治家(票が獲得できる)などの存在が、階級闘争の本質を
見失わせる。
いや、気づいたところで、本物の応援者はいないことに気づいて、
傍観者に成り下がる。

キーチは、日本には現れない後者の本物の応援者、カリスマ
として登場させた。
しかし、エセ民主主義、既得権者の中での何をどう抗って
いくのか、誰も分からない。
長期ビジョンにより、既得権者の下、力を蓄えることを志向
した甲斐の方法論が至極マトモに見えるが、新井氏とキーチは
それを否定し妨げる。
理詰めではなく(理詰めだと既得権者の土俵で戦うので、
よほどの戦略が必要だからね)、はっちゃけた熱情と仲間を
作って打破していくスタイルを選んだ。
しかし、成り行きとはいえ、現状打破が一種のテロ行為であるとは。

この方法を選択したキーチ、新井氏に残念な気持ちが消えな
かったのだが、作中、ある人物が語る言葉に気づかされた。
「敵にとんでもないどうしようもない力があって、デモしようが、抗議しようが何にも変わらねば、できることはテロしかないのじゃないか。」

すごいね。新井英樹氏は単なる激情型作家ではないんだ。
はてさて、漫画の虚構の世界と笑うなかれ。
世界を変えるには、何が正解なのかは分からないもの。
ただ、必要条件はこの漫画で学べる気がした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-05-31 09:04:22] [修正:2023-05-31 09:04:22] [このレビューのURL]

ニューヨークの日本人学校を舞台にした群像劇。
人と人との関わりやぶつかり合いや過去のトラウマを
克服する様を丁寧に描いているのが心に響いた。
3巻から5巻にかけての女性恐怖症の少年のトラウマを
乗り越えていく様が心にぶっ刺さった。
また、伏線貼りや回収が巧みなのもいい。
今は鬼ケ原との戦いに備えてるときだけど、今後が
すごく楽しみ。kindleunlimitedで全巻読めるので
是非時間作って読んでほしい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-05-03 19:30:54] [修正:2023-05-03 19:33:24] [このレビューのURL]

アニメ監督の父とその一家の生活を描いた作品。
80年代ネタの懐かしさと子供達のほのぼのとした
日常も面白いけど、真骨頂は父親パート。
破天荒さもそうだけど、時には狂気を感じるくらいの
アニメに対する情熱に魂を震えさせられた。
作者の「これが描きたいんだ!」情念がこれでもかと
伝わってくる。こういう「魂」を感じる作品は大好きだ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-12-17 21:01:51] [修正:2023-04-24 09:44:44] [このレビューのURL]

絵に反してとにかく毒に塗れてます。しかしキャラ一人一人に愛があり読んでいて癒されます。ストーリーもとにかく最高です

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-04-06 02:52:26] [修正:2023-04-06 02:52:26] [このレビューのURL]

10点 Sunny

松本大洋先生の作品は鉄コン筋クリート・ピンポンは勿論最高ですが割と最近連載してた今作は全話最高です。とにかく泣けます。圧倒されます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-04-06 02:51:39] [修正:2023-04-06 02:51:39] [このレビューのURL]

古谷実作品の中ではダントツに大好きです。話がどんどん繋がっていく爽快感を教えてくれたのはこの作品が初めてだと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-04-06 02:51:07] [修正:2023-04-06 02:51:07] [このレビューのURL]

点数別のレビュー表示

月別のレビュー表示