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10点 監察医 朝顔
30巻300話を完読しました。
事件、事故で亡くなった人の死亡原因を検死解剖で調査する医者が、監察医です。
だから、基本は事件や事故の謎を中心に物語が展開されます。
その謎解きが当初は中心でしたが、300話の大長編ですから、それだけではなく、
主人公朝顔の恋はもちろん、日々に出会う人たちとの関わりと心の交流が
テーマになっています。
当初はそれほどでもなかったのですが、朝顔の恋、失恋、結婚、離別、出産
などを通した女性としての当たり前のようで当たり前でない日常を通して、
人生への慈しみがとても感じられるようになりました。
派手な展開はないのですが、長編に付き合っているうちに、朝顔という
人物の深層まで理解できるような親密さを感じるようになりました。
特に、最愛の夫との別れは、心が痛みます。
医者と女性という立場を切り分けない描写は、共感致します。
ただし、朝顔自身は美人という設定なのですが、私には朝顔というより
お多福顔に見えて、あまり美人さんには思えないところが、
少し残念な気がしています。
でも、全体にわたって共感を呼び、ほのぼのとした隠れた名作だと思います。
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[投稿:2025-03-08 10:03:15] [修正:2025-03-08 10:03:15] [このレビューのURL]
10点 寄生獣
このサイトでは、圧倒的な支持の下、高評価を得ている作品です。
(馬鹿なアラシのせいで無茶苦茶になる前は「ベルセルク」以上の
評価を得ていました。)
10年以上前に読んだ時と現在の印象が、私の中で変化していることに驚きました。
10年前にはSF的な未知の生物とのバトルに目が奪われており、
一気に読み終えていたようです。
今回再読には、ゆっくり時間をかけて読み直してみました。
寄生獣に同情する自分がいることに驚きました。
田宮涼子の行動と言動が、特に印象的です。
本作品は多くの支持を得ていることに間違いはなく、それはメッセージ性の
強さが原因だと思います。
主人公新一が常に感じている、万物の頂点にいる人類に対する疑問あるいは、
警鐘と批判といっても良いでしょう。
多くの人々がそれに同調し、理解を示したわけです。
高い娯楽性を有しながらも、人類への啓蒙的な側面を持つハイレベルな漫画
作品がトップレベルの支持を得ていることに、漫画ファンの一人として誇りに思います。
世界中の人々に読んで頂く価値がありそうです。
話は変わりますが、最後にミギーが「人間の価値は、心に余裕がある生物で
あること」と主張していますが、実は作者が一番言いたかったことだと
巻末で書かれており、面白く感じました。
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[投稿:2025-02-16 09:03:04] [修正:2025-02-16 09:03:04] [このレビューのURL]
10点 ゴルゴ13
1968年からだから、42年間連載中なんですね。
漫画を絶対読まない人以外は、皆さんご存知の有名人、デューク東郷さんの大活劇。
皆さん知らない政治、経済系の話は辛そうですが、私はこの漫画で結構
地政学的な世界の事情を教えてもらえて感謝しています。
例えば、クルド人の悲劇、イスラエル側の事情、石油メジャーとアメリカ政治の
関係なんか、10代の時には漫画から教えてもらうのが手っ取り早いですよね。
偏った情報になったとしても、NHK・新聞他別の情報で修正していく感じです。
Hなシーンも多いですが、全然気にならないのは何故?
<追記 2025.1.4>
言わずと知れた漫画界の不朽の名作。歴史的には劇画というジャンルをエンタテイメントの世界に加えたさいとうたかを氏の最大の功績であり、その代表作がゴルゴ13ということだろう。当初はゴルゴ13は日本人か、どんな出自かといった謎の部分の解明に心を躍らせたが、作者同様、途中からはそこから関心は離れた。本作の魅力は超人的なGの能力にあって超絶で圧倒的な力を見せつける解決なんだと気付く。いわば大人のスーパーヒーロー。もう一つの切り口が、国際政治だとか地政学的な世界のパワーバランスだとか、日本人が最も苦手な隣人の事情について、時事的にお勉強できるテキストとしての有用性が、大人たちに愛される理由だろう。大学時代、研究室の助手が、臆面もなくゴルゴ13で世界の勉強をしていると言った時には、引いたが。圧倒的な面白さがあるかと言えば疑問の余地もあるが、人生に影響を与えた漫画作品の一つであることには間違いがないので、10点としたい。残り1/3くらいは読んでないので、人生終えるまでにゆっくりと読ませてもらいましょう。
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[投稿:2010-10-24 18:34:51] [修正:2025-01-04 09:28:01] [このレビューのURL]
10点 アニウッド大通り(ブルーバァド)
アニメ監督の父とその一家の生活を描いた作品。
80年代ネタの懐かしさと子供達のほのぼのとした
日常も面白いけど、真骨頂は父親パート。
破天荒さもそうだけど、時には狂気を感じるくらいの
アニメに対する情熱に魂を震えさせられた。
作者の「これが描きたいんだ!」という情念がこれでもかと
伝わってくる。こういう「魂」を感じる作品は大好きだ。
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[投稿:2022-12-17 21:01:51] [修正:2024-08-03 18:09:07] [このレビューのURL]
10点 鋼の錬金術師
キャラクターの魅力や話の完成度の高さは申し分ない。
全体的なストーリーの出来もさることながら1話1話がちゃんと中身濃くて面白く仕上がってるのがすごい。
特に各キャラの動かし方、群像劇がうまい。無駄なキャラが一人もいない。
少年漫画特有の不自然な後付けや露骨な引き延ばしや脳筋戦闘描写もない。
主人公エドワードは最初からレベル70程度の戦闘力を誇りそこから全く強くならないままであったが、精神面は大きく成長した。
少年漫画においてマイナスだと思われがちな要素をとことん排除した、ある種漫画のお手本のような漫画ともいえる。
しかし熱意まで排除した漫画であるかと言われれば全くそんなことはない。
作者は北海道の農家で生まれ育った方で、キャラクターのセリフ等からそこで育った彼女の死生観および生命倫理観が大きく反映されてる漫画だということがしっかりと伝わる。
実体験のおかげでこういった漫画が描けるのだなとわかるんですよね。
イシュヴァール殲滅戦の話を描くにあたっては第二次世界大戦を実際に経験した当事者から取材を受けてから描いたそうな。
最後のイシュヴァール人の遺した"恨みます"はこの漫画の中で一番強烈なセリフで、後にその戦争で両親を亡くし怨敵と出会い復讐心に駆られたヒロインに対しお前の手は人を殺すのではなく生かすためにあるんだろと、主人公が一本一本彼女の持つ拳銃から指をほどいてやるシーンは作中一番美しいシーンだと個人的に感じた。
エドとアルの過去編で「一は全、全は一」と自然の摂理(この世の仕組み)を説き、その直後にそれを否定するかの如く「ありえないなんてことはありえない」を信条とするグリードと出会い、そこからその言葉がまるでのちの伏線にして作品の全体のテーマの一つであるかのように作中世界の常識が覆されること続きのストーリーが展開がされる。そんな漫画。
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[投稿:2023-04-29 03:13:57] [修正:2024-07-11 04:28:03] [このレビューのURL]
10点 Palepoli
今まで絵が物凄く上手い作品(JING,ヴィンサガ,ジョジョなど)で10点
付けた作品(レビューは書いてないが)はあったが、
「絵だけ」で10点付けようと思った作品はこれが初めてだ。
騙し絵やパロディーならまだしも、4コマ漫画の中に4コマ漫画が入っていたりと
読むたびに何度も驚いてしまう。漫画の可能性を最大限に活かした傑作だ。
しかし、初連載作がこれとは作者も相当凄いな。
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[投稿:2015-09-20 22:16:31] [修正:2024-06-06 18:45:36] [このレビューのURL]
10点 Marieの奏でる音楽
細部にわたる世界観の構築と終盤のどんでん返しが凄かった。
上巻で作品世界の説明で引き込まれていって、下巻では
怒涛の展開に強い衝撃を感じた。絵も上手く、オチの付け方も美しい。
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[投稿:2015-09-20 22:15:03] [修正:2024-06-06 18:45:23] [このレビューのURL]
10点 劇画 長谷川伸シリーズ
三四郎をはじめとする小林作品のキャラが総出演する傑作時代劇劇画。
どのキャラも人間臭くて生き生きと演じ切れているのが素晴らしい。
また、コマ割りも絶妙で絵が大きくて台詞が少ないのに状況を
あっという間に理解させるのも凄い。
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[投稿:2022-01-04 10:54:40] [修正:2024-05-31 09:42:28] [このレビューのURL]
10点 しゃにむにGO
少女漫画の皮を被った少年漫画。
大会の盛り上がりも凄いけど、それまでに至る描き方に
抜かりがなく登場人物のドラマも無理なく入れているのも凄い。
試合も必殺技がなく、駆け引きの要素があってリアル。
テニス漫画の最高峰と言っても過言じゃない。
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[投稿:2021-09-01 16:25:10] [修正:2024-05-31 09:42:24] [このレビューのURL]
10点 愛のひと ド・ロ神父の生涯
長崎外海で宣教・社会福祉活動で人々に貢献したド・ロ神父の伝記漫画。
ド・ロ神父が行ってきたことが非常にわかりやすく、ドラマティックに
描かれていて惹きつけられる。絵柄が微妙だけど、それを考慮しても
未読の方にはぜひお勧めしたい。
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[投稿:2015-10-20 21:28:13] [修正:2024-05-31 09:42:17] [このレビューのURL]