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9点 いぬ
性欲解消のためカラダの関係のみを求める女性と、それに応じてしまいつつ、その女性にカラダ以上の感情を求める男性のお話です。
SEX描写のあるラブコメですが、絵柄は抑制的で、エロ描写はメインではありません。
お互いの心の差異をコミカルに描いています。
前半は女性側の感情(性欲)、後半は男性側の感情がメインです。
コミカルでおふざけノリの強い本作ですが、恋愛関係の深いところに確実に切り込んでいます。
哲学的なんですよね。
前半はH系の悪ノリが過ぎて不快に感じる場面もありましたが、男性の心情描写がメインになる後半は、見どころが多いです。
恋愛関係において、自分に都合の良い幻想をパートナーに求めてしまうということ、それをお互いに理解し歩み寄ることが大切なんだということ、そんなことを考えさせてくれました。
「物事の考え方が変わったりするほどの力」をわりと持っている作品なんじゃないかと思い、9点にしました。
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[投稿:2025-05-15 02:38:23] [修正:2025-05-15 02:41:27] [このレビューのURL]
10点 特攻の島
百田直樹の「永遠の0」をはじめとする特攻隊や原爆をテーマとする作品は、
どちらかというと苦手でした。
主張が画一的になり、「もう十分に分かっているから。」となりがちでした。
したがって、毎回驚きをもって読んできた佐藤秀峰氏の作品群で最後まで
手に取らなかった作品でした。
しかし、先入観は今回も見事に覆され、新たな感動を持って読み終えることができました。
太平洋戦争の悲惨さ、特攻隊員の残された家族への愛とそこに裏付けらた
使命感、選択肢のない死への道などは、当然のところ底流に存在し、
外せないモチーフではあるのですが、狂気のごとく執着で敵を討つ精神
構造の蓄積を全70話を通じて重ねていくのです。
主人公が最後まで肉弾の塊をもって攻撃に当たることに、何故鬼畜のごとく
執着することになったのかが、見事に表現されています。
途中の潜水艦戦術行動も、とてもエンターテイメントとして優れた展開でした。
戦争はスポーツのように絵にかいたゲームプラン通りに進まないのは当然です。ルールなんかない中で命のやり取りをするのですから当然です。
甲板に上がった艦長が飛来する一機の航空機の一発に被弾するなんて
アクシデントを用意するなど、これが戦争のリアルってことを驚きをもって
感じさせてくれました。
老若男女がそれぞれの世代とそれぞれの立場で読むことをお勧め致します。
戦争ものは嫌とか、敬遠せずに読んで下さい。
画も上手く、南洋を照らす洋上の月とか、黒煙を上げて沈んでいく戦艦とか、
井上雄彦氏ばりのイラストも最高レベルでした。
戦争反対なんていうイデオロギーとは別のところの感想が千差万別で
得られるような気がします。
そんなレビューを沢山読んでみたいところです。
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[投稿:2025-05-14 09:58:12] [修正:2025-05-14 09:58:12] [このレビューのURL]
6点 ウルトラセブン
ウルトラマンシリーズの中でも最高傑作。
ウルトラセブンのみならず、ウルトラ警備隊の武器装備は洗練された
スタイリッシュさがある。
また、ハーフ顔したアンヌ隊員やただ乱暴かつ侵略目的でない宇宙人の設定など、
現代にも通用するモダンさがある。
桑田氏の絵柄とも相性が良く、記憶に残る作品となった。
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[投稿:2025-05-10 08:59:45] [修正:2025-05-10 08:59:45] [このレビューのURL]