「dieseraie」さんのページ

今までの人生で一番多く読み返した漫画だと思います。
嫌な気分にさせられるような不要なリアリティーは排除されていて、主要キャラクターが悉く魅力的。それゆえヤンキー漫画だけど明るく笑える。多少の矛盾もなんのその。巻数が進むにつれてどんどん引き込まれ、卒業とともに何度でも喪失感を覚えてしまう。もっともっと読みたかったと。

私見かつ蛇足ながら、これ以降の作品はどうしてもテイストが違い、クセのある絵なのに「かわいいキャラ」のそのかわいさを前面に押し出してくるところがあって、そのキャラクターにのめりこむことができなくなってしまっている。全体的な雰囲気もかなり変わっていて、この作品全体にある中学生の男同士が馬鹿やってる感が好きだった私個人としてはイマイチ合わない。

絵や喧嘩描写などはあくまでも付随品。稚拙なそれらの要素もこの漫画の評価を下げるには至らない。絵も巧く、笑えて、泣けて、なんて各人の評価項目をすべて満たす漫画があったとして、恐らくそれは最高の評価を得るだろうが、漫画はそれだけでは語れないもの。いかに欠点があろうと面白い漫画はある。写実を極めて果たしてそこから何が得られるのか、それは実際の人生で楽しめばよいものだ。読了後の、色々突っ込みどころはあるけど俺には最高に面白かった、という気持ちこそがエンターテイメントとして個人個人が評価すべき項目だ。そもそも点を付ける時点で無粋だけど笑。よって私は、未熟な点もすべて含んだ上で、この漫画に10点を付けたい。
長々書いたけど要は、このマンガ面白いからかなり好きってことです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-10-03 16:54:38] [修正:2009-10-03 16:54:38]