「アメ」さんのページ

 無職の父親、酒と男にだらしない母親、新興宗教にかぶれた両親を持つ境界例っぽい女の子、常識人のようだが意志が弱く欲望に流されて人を傷つけてしまう叔父など、シリアスな問題を抱える人たちが目白押しで出てくる。

好みの問題だが、この容赦ない鬱々とした雰囲気はとても良くできていて引き込まれる。

 作品の最大の特徴は、主人公とその親族が可愛らしい鳥の姿で描かれていること。この仕掛けによって、内容が陰惨で泥臭くなりすぎず、作品が透明感のあるものになっている。主人公が記号的な分、ゆがんだ世界を素通しで見られる感覚。

 ただ、お話の行き着く先が見えない、展開が遅い点が気にかかる。悲惨な話が続くだけでマンネリ化してしまわないか心配だ。

個人的にとても好きな作品なので、どこかで突き抜けて、うまく着地(どんな形でも)させてほしい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-02-06 20:47:30] [修正:2013-02-06 20:47:30]

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