「polojo」さんのページ

まさに『ポケモン版ジョジョ』、まだ緻密な戦略やシリアスなストーリー展開で読者を大いに楽しませてくれます。何より、ポケモンという存在に大いなる愛と敬意を感じます。

ただ、この漫画はその外の部分で非常にツキのない作品というか、『もっと売れても良い』作品だと思います。(多分、読んだ人であればそう感じるのではないでしょうか)

その要素を書き下ろしてみました。

1.作画者の交代
初期の作画は真斗氏。しかし、体調不良を原因に途中から山本サトシ氏に変わっています。真斗氏が描くキュートなキャラクターから、クールな雰囲気を好む山本氏に変更になったことは僕自身かなり残念でした。
まぁ、この好みは人それぞれなので一概に不幸ではないと思いますが。

2.連載誌の購読対象が独特
もともと『小学生シリーズ』に掲載されていましたが、この小学生シリーズは読者が小学4年生であれば、「小学4年生」を、小学校6年生であれば、『小学6年生』を読むのが普通となっています。(まれに、そうじゃない人もいるとは思いますが)購読者が定期的に確実に入れ替わるという雑誌での掲載は、かなりリスクを伴うんじゃないでしょうか。
そして、『小学生シリーズ』が廃刊になった後も、『コロコロイチバン!』と『ポケモンファン』というあまり有名じゃない雑誌へ引っ越しました。


3.ポケモンというコンテンツによる大人のファン層の獲得の難しさ
この『ポケモン SPECIAL』は子供はもちろん、大人が読んでも十二分に楽しめる作品だと思います(私も単行本を集め始めたのは、大人になってからでしたが思い出補正抜きにしても面白かったと思います)。しかし、大人の漫画ファンは「ポケモン」という題材というだけで、眼中に入れていない人も多いんじゃないでしょうか。

上記の3つが、この漫画の抱えるどうしても外すことのできない足枷だと思います。ただ根強いファンを獲得し続けているのは事実ですし(どうやら1000万部突破しているみたいですし)、何度もいうように作品としての質は非常に高いので、『ポケモン』というだけで敬遠している人にこそ是非とも読んでほしい、おすすめの作品です。








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[投稿:2013-05-13 21:04:19] [修正:2013-05-13 21:04:19]

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