「polojo」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2013年05月11日

[ネタバレあり]

イタリア料理店を舞台とした料理漫画。

ほかの料理漫画と一緒で、見習いからの主人公の成長を描きます。
見張るべきは、内容と絵のタッチの相性の良さです。料理漫画には、修行という側面がありますので、その熱血な感じが絵のタッチと見事に調和しているのです。ちょっと劇画調と言いますかそんな感じの太い線で描かれているので、読んでいると不思議な熱さがこみ上げてきます。

要は、この熱さが漫画の魅力の大部分であり、ストーリーが凡庸なものでも、読んでいて飽きないものに仕上がっています。また「凡庸」とは言いますが、イタリアンのレストランの厨房やホールというそれだけで魅力的な舞台の「凡庸」ですので、無理にひねる必要はないのです。

なので終盤のストーリー展開は私としては、過剰なものに感じました。イタリアンレストランの「平凡」を突き詰めてくれれても、充分に面白くかつより感情移入しやすいものになっていたのかと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-25 00:51:57] [修正:2013-05-25 00:51:57] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ドラマが大ヒットしましたね。僕は柴咲コウが大好きですが、ちょっと感じが違うんじゃないかなぁと思います。

『ドクターコトー』は漫画でももちろん感動作です。所々に、涙腺が緩くなる話もありました。ただこの作品を読み進めていくうちに、「あぁこの作者、絶対にサディストだ」と思うようになり、2、3周と何度も読むうちにそれは確信に変わりました。

『コトー』に限らず、医療漫画は生死を伴うような話が大半を占め、かつある程度のドラマを加えなければいけません。なので、「突然の不幸」だったり「幸せからの凋落」を描く必要があります。その落差が激しければ激しいほど、読者からの共感や同情は増します。その作者による「徹底的な叩きのめし」が必要なのは、充分よく理解できます。

しかしながらこの『ドクターコトー』は、その叩きのめしが「えっ、そんなところまで!?」と言ってしまいそうなぐらい徹底しています。最後はコトーがなんとかしてくれると思いながらも、目を背けてしまいそうな場面も多々あります。その演出が過剰と言えば過剰です。

まぁそんな風に読んでいるということは、もうコトーの島の人々に大きく感情移入している証拠ですが。

非常に面白いし、おすすめですが、ドラマと同じ感動を求めているのならば注意が必要です。







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[投稿:2013-05-13 19:50:57] [修正:2013-05-13 19:50:57] [このレビューのURL]

落語家の世界を描いた尾瀬あきら氏の作品。

尾瀬氏は、これまでの作品からして閉鎖的な社会や、マイノリティの世界を描くのを得意としているようです。

絵のタッチは温かい雰囲気なのですが、どことない息苦しさや閉塞感を漂わせています。もはや職人芸の世界だと思います。

若干の説教臭さがありますし、話の展開も良く言えばクラシックで正統派、悪く言えば古臭いですが、何か夢を追いかける人は共感できる点も多々あるのでは。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 18:31:12] [修正:2013-05-13 18:31:12] [このレビューのURL]

原作者の体験をもとに描かれた刑務所ライフマンガ

このマンガは2つの大きなハードルがあると思います。
一つは若干おどろおどろしさを含んだ絵。これはそれぞれの好みがあるのでどうしようもないかと思います。
そしてもう一つは刑務所での生活をあまりにも面白可笑しく描いている所です。

「罪をつぐなうための場所なのに、なぜに彼らはこんなにも順風満帆な生活をおくっているのか・・・」と疑問に思ったり、腹を立ててしまう人々は読まない方が良いと思います。

しかし、その2つのハードルをクリアできた人は、とても楽しくこのマンガを読むことができると思います。刑務所という異世界での生活を、ギリギリまでしめっぽさやマイナス的なイメージを排除したこのマンガはエンターテイメント作品として上質のものとなっています。

刑務所のおやつに一喜一憂し、好きな子を語るように大麻について盛り上がる、林間学校や修学旅行にきている少年たちに重なります。

ただストーリーの骨格はかなりでたらめで、一話毎のつながりはあまりなく、最終話も途中で切れているような感じで終わります。

自分とは異世界の日常を楽しむといった点からして、「ゴッドファーザー」を見るときのように楽しめばよいかと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-12 20:40:56] [修正:2013-05-12 20:40:56] [このレビューのURL]

あらすじは、伊橋悟が一人前の板前を目指す料理マンガ、というより板前道マンガ。料理のうんちくや知識が所々はいってくるが、伊橋の成長というマンガの軸を邪魔はしないのであまりうざさはない。

はっきりいって、絵は下手。ギャグセンスもほとんどないマンガ。

ずっと淡泊なまま物語が続く。しかしその物語の中にあるささやかな読者へのメッセージが胸を打つのだ。さらりと大切なことを教えてくれるので、説教臭さもほとんど感じない。
そしてこのマンガは本当に一歩ずつ登場人物が成長する。一つのエピソードで爆発的に成長することはないが、長い目でみると、着実に大きくなっていくのである。この部分もまた。愛着の持てるゆえんだと思う。

「面白い!!」となる作品ではないかもしれないが、爽やかな気分になれる作品だと思うので、是非多くの人が読んでほしいと思う。(ブックオフで安売りされているしね(笑))

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-12 00:10:32] [修正:2013-05-12 00:10:32] [このレビューのURL]

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