「polojo」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2013年05月11日

[ネタバレあり]

非常にあらゆる要素のレベルの高い作品だと思います。
画力、ストーリー、演出、起承転結の滑らかさ、SF設定どれをとっても作りこまれた漫画だと思います。

宇宙生活を描いた日常系と言えますね。荒唐無稽な設定ではないので、地上生活は案外ふつうだったりして丁度良い塩梅の近未来の風景だと思います。

人類が発展と出てくる新たな問題。プラネテスで語られている問題も現実には表面化していませんが、ここの問題もある程度リアリティを持っています。(特に中東の問題なんて、かなり深刻な感じがするしなぁ)

エイリアンもミュータントも出てこない、近未来の生活を疑似体験するには、かなりおすすめの面白い漫画です。キャラクターたちも一人一人個性がありグッドです。

敢えて難癖をつけるならば、時折セリフとキャラの表情があっていないコマが数か所あるような気がします。あってないというか、過剰なんです。例えばキャラが怒るシーンがあります。こっちとしては、軽くイラッとする所なんだろうなーと思います。そしたらものすごい怒り顔が待っていて、「えっ?そんなに血走った眼で眉間にしわを寄せるところか?」とこっちはセリフと顔の不一致に若干混乱してしまいます。トラウマに踏み込まれたわけでもなく、完全にオーバーリアクトなんだなーと思います。

しかし『宇宙兄弟』とはまた違った角度で宇宙へのロマンを語ってくれるおすすめの漫画です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-05-17 20:41:48] [修正:2013-05-17 20:41:48] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

インテリ、スポーツマン、軍事知識も豊富、多趣味で紳士のキートンの活躍を描いた作品です。

画力は今より低いですが、浦沢氏の得意芸ともいえる「ヨーロッパ人のかき分け」の技術はすでに完成されています。ロシア人、ドイツ人、イタリア人、英国人など白人をかき分ける技術は本当に素晴らしいものがあると思います。

この漫画はストーリーというものがほとんど存在しません。極端な話キートンと周りの人の生活を描いた「日常系」ともいえます。

よって漫画を面白くする要素は、かなりの部分キャラの魅力、もっというと主人公・キートンの魅力に左右されています。そしてこのキートンが非常に魅力的な人物です。

読めば読むほど、キートンという人物の魅力を知りたくなります。また、どの巻からよんでも全く問題ないです。

読んで何かが残るということは、ないかもしれませんが、おすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-17 03:08:38] [修正:2013-05-17 03:08:38] [このレビューのURL]

この作品の優れているところは、様々な視点からサッカーというスポーツをとらえているところだと思います。

監督視点、選手視点、スタッフ視点、スポンサー視点、立場の違う人が混ざり合って物語を作っています。

なので、ギャグシーンが多くても決して物語が軽くならず、厚みのあるストーリーとなっています。

物語を繰り返し読んで、クラブサッカーとは何かということを考えることができる素晴らしい漫画となっています。

絵のタッチはポップで良いデフォルメがされていて読みやすいため週刊誌向きといえ、何度も読み返せる作品としての強度を有しています。

おすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-17 02:49:07] [修正:2013-05-17 02:49:07] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

小学生の時、クラスで唯一のボンボン派だった自分。

反骨精神より、コロコロコミックよりボンボンが優れていると思っていました。しかし、ヒット作を連発するコロコロに比べて、ボンボンは今一つのものばかり。今見るとターゲットとなる年齢があいまいだったのでしょうね。

この『真・女神転生 デビルチルドレン』もその一つです。ものすごい面白いのですが、いかんせん「えーっと、これは少年誌としては行き過ぎてやしないかい?」と思ってしまう程の、エッジの利いた残酷表現です。

これがメジャーな雑誌に掲載されていたのならば・・・と思わずにはいられないのです。この漫画を戦略的に世に広めることができなかった、ボンボン編集部と講談社に残念な気持ちを隠せずにはいられません。

ともかくおすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-16 00:02:50] [修正:2013-05-16 00:02:50] [このレビューのURL]

8点

[ネタバレあり]

自身も数多の山に登っていた石塚氏が描いた登山漫画。この情報を知る前に『岳』を読んだ際に、山に対する限りない愛と敬意が伝わってきました。

ここまで「おれはこれを描きたいんだ!」とひしひしと伝わってくる漫画になかなか出会えません。

ストーリー運びがうまいわけでも、画力が高いわけでもありません(『孤高の人』の画力には到底及びません)。この漫画は、危険で過酷、死人がでることもザラという山という存在が、なんだかんだで好きなんだという三歩の、そして作者の情熱を楽しむ作品だと思います。

カテゴリー上は青年誌ですが、山にあこがれる少年たちにもおすすめできる良い作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-15 23:51:24] [修正:2013-05-15 23:51:24] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

絵は雑で、キャラクタのデザインもコロコロかわる、話は目的からそれあっちにいったりこっちにいったり、挙句の果てには、長期の連載休止・・・

こんな目も当てられないような惨状の漫画になぜ多くの人の心をつかんでいるのか。

ハンターハンターは王道的なストーリーと王道的なキャラクターに絶妙なスパイスを加えた作品だと思います。

ちょっとビターなシロップがかかったホットケーキみたいなものでしょうか。少年たちが、ちょうどよい背伸びをして見られる漫画です。ゆえに、大人が見ても十二分に面白いんです。

ストーリーが一本化せず、バラバラになっていますが、これは本当に冨樫氏が描きたいものを描いているのでしょう。そして、冨樫氏は描くからには面白いものを提供しようとしているのか、どのストーリーも綿密な設定と練りこまれた演出があります。ここら辺の手は決して抜かないのがプロということでしょうか。

でもできるなら、隔週でいいので描いてほしいですね。


ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-05-15 23:29:31] [修正:2013-05-15 23:29:31] [このレビューのURL]

8点 ROOKIES

ルーキーズはまぎれもない青春漫画の名作です。

森田しのヒット作『ろくでなしBLUES』も十二分に面白かったですが、本作では野球がメインテーマになっているので不良どもは成長と同時にチームプレーを覚えていきます。それはつまり『ろくでなし?』よりも不良が『仲間』の大切さを知ることの説得力を一段と強くしています。

野球の試合は迫力満点。もちろん、ケンカシーンも少なからず存在します。

お涙ちょうだいシーンが過剰だったり、川藤氏の純粋すぎる人間性が嫌いな人はいるかもしれませんが。

この作品はドラマ化、映画化しましたが、漫画にあった汗臭さ、汚らしさがなく魅力が半減していました(俳優さんたちの演技は思ったより良かったです)。

ともかく映画を見るぐらいなら、漫画を読んでください。

ひじょうにおすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-14 01:31:31] [修正:2013-05-14 01:31:31] [このレビューのURL]

8点 YAWARA!

柔道に美少女とラブコメをミックスし、国民的漫画になった本作品は浦沢氏の名前を一気に有名にしました。

この漫画の肝は、まず主人公の柔ちゃんの魅力です。強く、美しく、女の子らしい彼女は読者の心を掴んで離しません。

そしてストーリーのテンポの軽快さ。一巻をすらすらと読んでしまいます。のちの同氏の持ち味となる、女の嫉妬とか人間の深い闇なんてものはこの漫画には存在していません。

すっきりした絵ですので、柔道の試合も見やすくスピード感があり、柔道にまつわるそれぞれのドラマはある程度しっかり描かれています。

僕個人としては、YAWARAは浦沢氏の作品の中で、一番すぐれた作品だと思います。このひと、人間の重いドラマを描くよりテンポアップにものごとが展開するストーリーが向いているんじゃないかなと。。

「浦沢といったら『MONSTER』『20世紀少年』だろ!」と思っている人は、是非とも読んでいただきたいと思います。

また逆に上記のシリアスな作品が嫌いで浦沢作品を避けている人にもおすすめです。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-14 01:15:52] [修正:2013-05-14 01:15:52] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

80年代には熱血スポ根漫画からの脱却を試み、さわやかでハンサムな少年たちが主人公になるスポーツ漫画が主流になりました。

その漫画の一角を握る名作です。

「高校柔道部」という劇画との相性ばっちりだと思われていた舞台をあえて、ポップなタッチで仕上げています。

仲間を情熱と友情を持って、集めるなんてことはせず、「中学でも柔道をやっていたから高校でも柔道するかー」ぐらいの勢いであっさりと仲間は集まります。

そして主人公はかなり序盤から彼女持ちで、もう一人の主人公に想いを寄せるヒロインもギャグとロマンスに活躍します。あっさりしているので、この2人が主人公を取り合うなんて昼ドラ的なことはしません。

つまりこの漫画は試合外のドラマをかなり省いています。この作品がヒットした所以は、単純に試合の面白さ、柔道という武道の面白さを研ぎ澄ませた
所にあると思います。(しかもスーパー必殺技はなし)

試合の勝敗もなかなかシビアで、予想できないような展開などもかなり多いです。作者が柔道経験者であることが大いに活かされています。

そのテンポの良さ、軽さというメリットの分、読んで心に残る作品かと言われれば微妙ですし、『カリスマ性』を持った作品ではないかと思いますが、読んでいる間はとても楽しい時間を過ごせますし、男性、女性問わず読むことができますので、かなりおすすめだと思います。






ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 19:32:30] [修正:2013-05-13 19:32:30] [このレビューのURL]

もう作者が、好きな構図、好きな登場人物、好きなセリフをこれでもかというぐらいに書き込んでいます。

日本橋先生は本作品以前の連載はすべて打ち切りだったそうで、打ち切りられる前に思い切り自分の表現したい描写を描きまくったのでしょうか。

なので内容が濃い。セリフが極端に多いとかではないのですが、なぜか1巻を読むのに膨大なエネルギーを消費します。

絵は、非常に上手だと思うのですが、かなり実験的なデザインにしているコマも所々に見受けられます。

説教臭さは人によっては鼻につくかもしれませんが、それは読者に伝えたいことがはっきりとある、芯のある漫画である証拠なのかなと思いました。

漫画家だけでなく、ものづくりに従事している人には、是非とも読んでほしい漫画だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-12 21:22:53] [修正:2013-05-12 21:22:53] [このレビューのURL]

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