あらすじ 1980年ごろニュー・ウェーブマンガ家として一世を風靡し、その後低迷して一時は「消えたマンガ家」とまで言われたSFマンガ(あるいはギャグマンガ)作家による、ノンフィクション作品である。1度目の失踪を描いた「夜を歩く」、2度目の失踪を描いた「街を歩く」、アルコール依存と治療の時期を描いた「アル中病棟」の3つのエピソードを収録している。「シャレにならない」部分はあえて省き、エンターテインメント作品として仕上げている。(Wikipediaより)
備考 発売とともに各メディアで話題となり、第34回日本漫画家協会賞大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第37回日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門を受賞した。
失踪日記のレビュー
7点 健太(99)さん
読み手を選ぶ漫画です。
それは絵のよさを重視している人には受け入れられやすいと思います。
巻末対談に載っている本当の本当に悲惨なところを同じように書いていたら10点か9点くらいだったかも。
失踪日記のよかったとこは日記とついているだけに文書のかわりに絵のあるブログのようにしたことだと思う。
もちろんブログの機能についてではなく書き方についてということでです。
行動・出来事の部分を絵で表しそこに感想と心中をセリフとしてつけたし、次の行動の動機にする。
そして書いた本人と見る人の楽しみを別のものにする。
書くほうは出来事を楽しみ見る方は感想を楽しむ。
もちろん出来事の方も漫画の骨格となる要因だし楽しむ部分の主と従を入れ替えたと言い換えた方がいいかもしれない。
実話に基づいてかかれる以上これほどの武器はない香りだけでなく、味も楽しめるマツタケです。
汁の部分も美味しいマツタケのお吸い物です。
感想を主にするための絵の記号的な部分を強調した絵はおもしろいとされるエッセイ漫画の多く番外編、最終回では、本人たちを書かずに風景、後姿とセリフを書くという方法で行われている漫画を探せば簡単に思い浮かぶはずです。
遺跡の人は折角の日記を物語にしようとしたからイマイチやったんや。
モノローグをセリフに代えたこともブログに近づく。
日記ではモノローグはモノローグでいい。
人に見せるためのものであるブログの書き方であり、これほど見せることに特化した漫画は圧倒的な絵のセンス、デザイン能力もつ吉田聡、物語がありその文字を絵と入れ替えていって文字をなくしたかのようなゴン以外にはありません
今まで読んだことのある漫画のなかでは
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[投稿:2006-06-09 03:47:14] [修正:2009-07-25 10:47:04] [このレビューのURL]
8点 スコットさん
まだ途中なんで、読み終えたら改めて評価し直そうと思います。
この作品は、作者の悲惨な実体験を描いているにもかかわらず、作中から暗い雰囲気はほとんど漂ってきません。
むしろ、主人公(作者自身)はホームレス生活を楽しんでいるようにさえ思えます。
これ以前の吾妻氏の漫画は読んだことはありませんが、
悲惨な体験もギャグ漫画みたく描けてしまうのも一つの才能と思いますね。
あと、無職で住むとこがないという人でも、現代の日本では結構生きていけるんだなぁ、と妙に感心してしまいました(笑)
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[投稿:2006-04-22 01:16:33] [修正:2006-04-22 01:16:33] [このレビューのURL]
6点 白い犬さん
なんかこれたまたま手にしたお宝系雑誌(アイドルや女優の
過去の恥ずかしい仕事が載ってる雑誌)に連載されてたんですよ。
うわ〜吾妻さん失踪してこんなことになっちゃってたのか!?と
ショックを受けたのおぼえてます。
一時代を築いた漫画家が路上生活。諸行無常・・・とおもいきや
失踪日記が売れて返り咲き。人生ってわかりませんね。
2月24日追記
文化庁メディア芸術賞漫画部門大賞おめでとうございます。
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[投稿:2006-02-14 17:49:07] [修正:2006-02-24 23:41:43] [このレビューのURL]
6点 ごまあぶらさん
すばらしきかな現実。
演出を控えめに、事実であったことを淡々と書いていく漫画。
しかし、ああ、なんて希薄な体験なんでしょう。
社会不適合者の作者自身を主人公として、理を通し、わが道を行く姿はおそろしくもありながら、どこかうらやましくもなりました。
失踪し、ホームレス生活、拾われて住み込み配管工。アル中で入院生活の三篇が主ですが、いつも捜索願を出している妻がいて、関わってくれる人がいて。
一人の物語であって自分のいいようにしているだけなのに他人の温かみがわかるんです。
主人公視点のみですから、煙がっているけど、とても包容力のある人間の心情がしみてきました。
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[投稿:2006-01-30 08:07:15] [修正:2006-01-30 08:07:15] [このレビューのURL]
8点 dollboxさん
うん、おもしろかった。
廃人寸前までいった自分を笑いのネタにしてしまって、
こんなひょうひょうとした漫画に仕上げた作者は
どこまでエンターテイナーやねんと。
漫画の雰囲気は明るいけど、
実際はシャレにならないこともいっぱいあったんだろうなと
想像してみるのもおもしろいかも。
これらの体験をもしも自分が漫画にしたら、絶対笑い話にはならないだろうなあ。
もっとこう、
人生なんてっ!とか、
あああああ死にてーーーーー
みたいな重ーい内容になる。
福本伸行みたいなヘビーな漫画になる。
「俺には、家族がいる・・・ありがてえ・・・・・!!!」
「ぐぐぐ・・・俺は・・駄目だっ!!!」
うん、想像したら笑えなかった。
そういう漫画にしなかったところがこの漫画のいいところ。
まあ福本風の失踪日記っていうのも読んでみたい気もしますが。
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[投稿:2006-01-09 18:26:41] [修正:2006-01-09 18:26:41] [このレビューのURL]
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