HELLSINGのレビュー
8点 十歩神拳さん
この漫画に勝手にキャッチコピーを付けるなら「狂気とロマンの地獄紙芝居」。
言うまでもなく本作最大の魅力は、登場人物から世界観まで余すところなく満ち溢れている「狂気」ですが、同時に作品全体にある種の「ロマン」もあるはずです。
それは登場人物の生き様やマニアックな兵器の数々、戦場の情景や奇怪な特殊能力だったりしますが、大概は狂気を感じる場面と表裏一体で混在します。
そのため、本作において「ロマン」と「狂気」は甲乙つけがたい2大要素であると私は考えます。
また、この作品のアクションシーンはあえて躍動感に重点を置かず、重厚でインパクトのある地獄絵図のような1枚絵を紙芝居のように積み上げることで構成されていることが特徴だと思います。
キャラクターの表情やポーズが強烈に記憶に焼きつくのはそのためでしょう。
この、他のアクション漫画とは一線を画する特異な作風を表すために「地獄紙芝居」と称しました。
しかし終盤は狂気もインパクトも若干控え目になり、ロマンだけが突き抜けてしまった印象があります。
切なさや儚さ等の黄昏感を出そうと、意図的にそう仕向けたのかもしれませんが、正直若干物足りなかったかもしれません。
最終話はヘルシングらしい素敵な終わり方だったと思います。
〈2010年6月修正〉
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[投稿:2009-11-28 15:16:09] [修正:2010-06-30 15:55:10] [このレビューのURL]
7点 ショーンさん
とにかく狂ってる、狂いまくってる漫画。
戦争大好き男、殺し合い大好き男。いっぱい出ます。
読んで見れば分かる!この狂気、まさに圧倒的。
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[投稿:2010-01-30 06:52:36] [修正:2010-03-27 09:27:21] [このレビューのURL]
8点 クロモフさん
アーカードかっこいいよぉぉぉ!!
これほど鬼畜なヴァンパイアを私は観たことがありません。
血がしたたるぅ、血が吹き出るぅぅ!
このヘルシングは魅力的な一枚絵が多く、その大半がベタ塗りです。
この『黒の世界』は芸術です!
漫画だからいいものの、こんなことがリアルに行われていたら嫌です。メッチャ嫌です。
セラスが好きです。シリアスな場面をぶち壊す彼女はとても大事です。
おっぱい最高。
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[投稿:2010-03-19 13:02:03] [修正:2010-03-19 13:02:03] [このレビューのURL]
10点 カレーさん
20世紀末のヨーロッパを舞台にした吸血鬼ガンアクション。
狂気という言葉がふさわしいような作品。
世界史好きやブラムストーカーの「ドラキュラ」を読んでいるとなお楽しめるであろう。
以下ネタばれ含む。
まず吸血鬼を人間が利用するという図がたまらない。
「吸血鬼=悪、人間に害をなすもの」
→「正義たる主人公が人類のために勧善懲悪する」
というイメージが完璧に崩壊している。
そう恐ろしいのは人間の欲である。
劇中では「人間」、「狗」、「化物」という言葉が対比的要素として用いられる。
「狗」とは自分で考えることをせず、他者に従い行動するものであろう。「化物」は人間であることに耐えられなかった弱い者。
つまり「人間」とは自らの弱さを受け入れながら、自律し自分の意志で行動する者のことを指すのではないだろうか。
それゆえの「化物を倒すのはいつだって人間だ」なのであろう。
また吸血に関する考察が印象的であった。
「他者との命の共合 生命の融合 精神の統合 吸血鬼の本質」
(9巻、少佐の台詞より)
この漫画の世界では吸血鬼の繁殖は処女と童貞が血液を吸われた時に起こるらしいが、私は初読時なぜ処女と童貞に限定されるのか理解できなかった。
しかし吸血の本質が他者との融合であるという説明で納得することができた。
吸血にはエロスがある。
それも他者との融合に関わるのだろう。
英国教会とローマカトリック、ナチスのみつどもえの戦争。
ナチスが第一次大戦を彷彿させるように飛行船でイギリスに攻撃を仕掛けるシーン。
ドラキュラ伝説の串刺し公を連想させるようなシーン。
非常に満足。
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[投稿:2010-01-16 17:28:42] [修正:2010-01-16 17:28:42] [このレビューのURL]
9点 レトさん
勢いだけで突っ走るような漫画はあまり好きではないですが、これだけは別格です。わずか数人程度の登場人物の間でストーリーは進みますが、スケールは壮大で特にモブ描写とアーカードの強さの演出は圧巻です。洗練されたセンスといい、細部への拘りといいヒラコーは日本のタランティーノですね。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2009-09-26 20:50:46] [修正:2009-09-26 20:50:46] [このレビューのURL]
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