あらすじ
羊の群れに紛れた狼はさみしい牙で己の身を裂く・・・
高城一砂は幼い頃に母を亡くし、父親の元を離れ、父の友人である江田夫妻の元でごく普通の生活を送っていた。しかしある日、何かに導かれるようにかつて両親と暮らしていた家を訪れ、実の姉である高城千砂と再会する。
そこで一砂は父の死を告げられ、高城家の「病」の事を聞かされる。 その病とは吸血鬼のように発作的に他人の血が欲しくなり、理性をなくして他人を襲うという奇病であり、千砂自身もその病に冒されていた。この病は一砂にも発病する可能性があるが、男子は発病する確率が低い為、志砂により江田夫妻のもとに預けられていたのだという。
だが、既に一砂は発病していることを感じていた。一砂は再び千砂のもとに訪れ、そのことを打ち明ける。そんな一砂に千砂は発作止めの薬を渡す。しかし、一砂は発作を起こしても発作止めの薬を飲もうとしない。そんな一砂に千砂は自らの手首を切り血を与えようとする。
同じ病に苦しみ、自殺した父の面影を追い求め他人を遠ざけて生きる千砂と、大切な人たちを守るため他人を遠ざけようとする一砂。 やがて2人は寄り添うように2人暮らしを始める。
羊のうたのレビュー
7点 橙木犀さん
大切な人を守りたい。
幸せにしたい、幸せになって欲しい。
幾つものそんな想いが、どうしてこんなにすれ違ってしまうのだろうと、痛々しくてなりませんでした。
どんなに酷い言葉を投げつけられても、切り捨てられても、「それでも待っていたい。私の気持ちは変わらない」と一砂を想い続ける葉の一途さが、物語の希望であり、癒しであったと思います。
読みながら、「一砂、どうして葉を選ばないの!?」と内心叫びっぱなしでした。
悲劇的な人間、不幸な人間の方に人の心情は寄り添うものだと何かで読んだことがあるのですが、だからと云って、心から大切に想う人を切り捨てていいとはどうしても思えなかったからです。
また、葉がとっても魅力的なんですよ!!
一砂が葉に辛く当たり、千砂を選ぶ度に、苛々せずにはいられませんでした。
だから、『一砂と葉が想いを交わしあった』あの場面(この作品を読んだ人は分かるんじゃないかな)を読んだとき、本当にホッとしました。
閉塞感に満ちたストーリーですが、ラストが未来へと繋がる可能性を提示してくれているので、悲劇的終結が苦手な人でも大丈夫だと思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-03 10:14:55] [修正:2007-10-13 00:16:09] [このレビューのURL]
10点 HERONさん
とにかくテンションが上がらない。物凄く切ないんです。人間の弱い内面を完璧に表してます。
キャラもみんな良かったです。その中でも八重樫さんは、漫画の中でも1・2を争う女性キャラです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-08-18 00:16:41] [修正:2007-08-18 00:16:41] [このレビューのURL]
5点 wowwow66さん
絵柄と雰囲気が文学的なものを持っているが、ストーリーは大したことが無い漫画。
この程度のストーリーなのにどうしてこの作者は連載を次々と投げ出すのだろう。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-06-20 00:08:30] [修正:2007-06-20 00:08:30] [このレビューのURL]
7点 Dr.Strangeloveさん
滅多にレビューの変更なんてしないんだが。
最近読み直してみたところ
以前分からなかったり腑に落ちなかったりした
出来事が鮮明に見えてきた。
目から鱗とはこのことか。
この暗さはクセになる。
冬目ファンにはそこが魅力なのかもしれない。
絵の雰囲気も好きだし7.5点。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-04-02 13:30:12] [修正:2007-04-02 13:30:12] [このレビューのURL]
7点 カルマさん
切ない物語です。
特に盛り上がることもなく、盛り下がることもなく話は淡々と進んでいきますが、退屈ではありません。
この空気が良いんです。
読後感も良いんです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-03-02 16:05:56] [修正:2007-03-02 16:05:56] [このレビューのURL]
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