あらすじ
羊の群れに紛れた狼はさみしい牙で己の身を裂く・・・
高城一砂は幼い頃に母を亡くし、父親の元を離れ、父の友人である江田夫妻の元でごく普通の生活を送っていた。しかしある日、何かに導かれるようにかつて両親と暮らしていた家を訪れ、実の姉である高城千砂と再会する。
そこで一砂は父の死を告げられ、高城家の「病」の事を聞かされる。 その病とは吸血鬼のように発作的に他人の血が欲しくなり、理性をなくして他人を襲うという奇病であり、千砂自身もその病に冒されていた。この病は一砂にも発病する可能性があるが、男子は発病する確率が低い為、志砂により江田夫妻のもとに預けられていたのだという。
だが、既に一砂は発病していることを感じていた。一砂は再び千砂のもとに訪れ、そのことを打ち明ける。そんな一砂に千砂は発作止めの薬を渡す。しかし、一砂は発作を起こしても発作止めの薬を飲もうとしない。そんな一砂に千砂は自らの手首を切り血を与えようとする。
同じ病に苦しみ、自殺した父の面影を追い求め他人を遠ざけて生きる千砂と、大切な人たちを守るため他人を遠ざけようとする一砂。 やがて2人は寄り添うように2人暮らしを始める。
羊のうたのレビュー
7点 朔太さん
作者は、執筆を始めるにあたり「とにかくメチャクチャ暗くて救いが無くて破滅に向かってGO!な話を描く」と構想したらしい。まさにその通りのシナリオが最初からあり、6年半の連載で実現した。
「羊のうた」という表題も最終話近くまで不明だったが、千砂のセリフを通して「私たちは、羊の群れに潜む狼なんかじゃない。牙を持って生まれた羊なのよ。」と説明させている。
最終局面に至るまでは、破滅しかない苦悩を巡って行きつ戻りつが繰り返され、正直退屈ではあった。しかし、全般的に文芸作品以上の精神の掘り下げがあり、登場人物が少なく、その全て善意の人で構成されるため、俗世的な不愉快さを排除したピュアさを演出している。
純和風の家屋と和服で通す千砂の恰好も相乗効果を生んだ。
一言でいえば、文芸作品を題材にした舞台廻しを観る、というところか。
さらに、冬目景の他の作品も今後読んでみたくなる。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2016-06-01 05:04:54] [修正:2016-06-01 05:04:54] [このレビューのURL]
8点 デビルチョコさん
名作。
絵で語っています。。
切ない物語。
救いようのない話ですが、描写が美しかったです。
最後も良かった。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2015-02-15 11:57:32] [修正:2015-02-15 11:57:32] [このレビューのURL]
8点 そらまめさん
一巻から七巻まで続きが気になってしまい一気読みしてしまう漫画
何度読み返しても続きが気になる。自分はそれほどまでにこの作品の独特な雰囲気に呑み込まれてしまう
名作
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2013-09-11 12:16:00] [修正:2013-09-11 12:16:00] [このレビューのURL]
10点 fasterさん
こんな救いのない漫画見たことない。
作者の美しくどこか暗い画風とマッチしている。
大胆でありそれでいて繊細な構図にも引き込まれるところがある。
個人的には八重樫さんのキャラが特に好みだ。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2009-02-03 22:50:46] [修正:2013-07-25 01:09:47] [このレビューのURL]
9点 ニカイドウさん
冬目作品では一番好きです。(結局、落ち着いてしまった感じで・・・)
画風とやや暗さのあるストーリが特にマッチしているイメージです。
現代に近い作品なのに、どこか昔風の空気が漂ってる感じが良いです。
ストーリー性も巻数も申し分ない感じです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2013-01-22 05:19:32] [修正:2013-01-22 05:19:32] [このレビューのURL]
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