あらすじ
羊の群れに紛れた狼はさみしい牙で己の身を裂く・・・
高城一砂は幼い頃に母を亡くし、父親の元を離れ、父の友人である江田夫妻の元でごく普通の生活を送っていた。しかしある日、何かに導かれるようにかつて両親と暮らしていた家を訪れ、実の姉である高城千砂と再会する。
そこで一砂は父の死を告げられ、高城家の「病」の事を聞かされる。 その病とは吸血鬼のように発作的に他人の血が欲しくなり、理性をなくして他人を襲うという奇病であり、千砂自身もその病に冒されていた。この病は一砂にも発病する可能性があるが、男子は発病する確率が低い為、志砂により江田夫妻のもとに預けられていたのだという。
だが、既に一砂は発病していることを感じていた。一砂は再び千砂のもとに訪れ、そのことを打ち明ける。そんな一砂に千砂は発作止めの薬を渡す。しかし、一砂は発作を起こしても発作止めの薬を飲もうとしない。そんな一砂に千砂は自らの手首を切り血を与えようとする。
同じ病に苦しみ、自殺した父の面影を追い求め他人を遠ざけて生きる千砂と、大切な人たちを守るため他人を遠ざけようとする一砂。 やがて2人は寄り添うように2人暮らしを始める。
羊のうたのレビュー
9点 斬一さん
「吸血」という行為を、男女の、父娘の、姉弟の「愛」の表現として昇華させているのが良い。
血の欲求と理性の葛藤、一般社会からの隔離、希望の無い生活等、暗くて救いの無い物語と、冬目先生の独特の絵が見事に調和した傑作。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-10-29 21:13:44] [修正:2006-10-29 21:13:44] [このレビューのURL]
1点 doneさん
私だけ点数が低くて不快に思った人はまずごめんなさい。
多分私のような人はこの漫画を手に取ってないからだと思います。
本当に全然、救いはないです。メッセージ性なども
感じませんし、インパクトも特になかったです。
作者が美大出身ということで美しいと評判ですが、
普通の漫画をずっと読んできた人には美しいとは
特に感じないと思います。
油絵っぽい?表紙などは美術を学んでいるのだな
と感じますが....。
この漫画を読むためにはある種独特の感覚が必要だと思うので
客観的に見たら1点だと思います。
連載をいくつか休載させている作者もあまり好ましく感じられません。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2005-06-22 20:54:34] [修正:2005-06-22 20:54:34] [このレビューのURL]
9点 イースト菌さん
どこまでも暗く、せつなく、救いの無い作品。
一砂と千砂の血と狂気の病、愛情、死・・・二人の周りにあるすべてが二人の閉鎖的な繋がりを強め、誰も望まない出来事の繰り返しに二人はただ破滅へと進んでいく。
そしてそのすべてが繰り返されるかもしれない。決して救われない者を暗く、美しく描いた作品。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2005-06-20 03:26:51] [修正:2005-06-20 03:26:51] [このレビューのURL]
6点 beeさん
ここが凄い!と推したい所は特にないのですが
後を引くような魅力がある作品だと思います。
ただ、結末まで読み終わってしまうと見届けたような満足感があり、
もう一度読みたいと思わなくなりました。
千砂の生きた感じのしない雰囲気が印象に残ります。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2005-06-01 21:50:17] [修正:2005-06-01 21:50:17] [このレビューのURL]
8点 mangasukiさん
うす暗い美しさに包まれた作品。
最終話の後味も悪くないし、何よりきちんと完結してくれているのが○。
冬目先生の長編作品では珍しいッスからね・・・。
冬目先生、はやくイエスタデイの続き描いてくださいよう!!
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2005-05-26 12:55:02] [修正:2005-05-26 12:55:02] [このレビューのURL]
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