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H2


6.79点(レビュー数:49人)

作者あだち充

巻数34巻 (完結)

連載誌週刊少年サンデー:1992年~ / 小学館

更新時刻 2012-10-15 02:25:57

あらすじ 中学でエースだった国見比呂は、右ヒジを負傷し、野球部のない千川高校に入学します。そこで選んだのはサッカー部。中学時代にバッテリーを組んでいた野田も、腰を痛めて水泳部に。野球とは無縁の高校生活を…のはずでしたが、ついつい勢いで二人は野球同好会に入会するのです。目指すは国立でも国技館でもなく、やっぱり甲子園。

備考 1995年にテレビ朝日系列にてテレビアニメ化、2005年にTBS系列にてテレビドラマ化された。

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H2のレビュー

点数別:
11件~ 15件を表示/全49 件

7点 ランスッドさん

途中までは良かった。
比呂と英雄の男同士の友情、幼馴染と魅力ある女性達との恋模様。

しかし最後の戦いは、比呂の感情、英雄の感情を絵で表現し、伝わってくるそこにはあの無邪気で魅力ある比呂はいない。

最後の男同士の戦いを、もっと友情を交えた戦いにして欲しかった。

だが、面白いものは面白い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-23 13:49:12] [修正:2010-08-23 13:49:12] [このレビューのURL]

7点 tsk-mmwさん

連載が開始されたころは、少年サンデーを毎週買っていましたので読んでいたのですが、いつのころからか週刊誌を全く買わなくなったので、この作品を読み終えたのはつい最近です。

タッチでも書きましたけど、大まかな内容・流れはタッチもH2もクロスゲームもほとんど同じとしか思えず、今となっては冷めていますので、どうしてもこれぐらいの評価になってしまいます。 ただ、タッチやクロスゲームよりは脇役の描かれ方が非常に気に入っていますので、その分タッチより1点上となります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-09 09:27:04] [修正:2010-07-09 09:27:04] [このレビューのURL]

9点 臼井健士さん

まず最初に「ごめんなさい」です。

読む前は「タッチ」で一度野球を題材にしているのに、また同じ野球の漫画なんか描いて、作者は「自己模倣」でも始めたのか?・・・なんていう先入観が立ってしまいました。

で、読み始めたんだが・・・「タッチ」とは全然違うよ!
何よりも野球が完全に話の中心となった。タッチでは恋愛がメインで野球はあくまでも小道具だったのに。
こちらは野球と恋愛の比率は「6対4」もしくは「7対3」でタッチと完全に割合が逆転した。
直球の一本やりで三振の山を築いていた「上杉達也」から幾星霜、比呂は変化球も使いこなすようになったし。
タッチで「案山子扱い」だったチームメイトにも光が当てられ、連帯感を持たせる意味でも説得力が加わった。特に最初はスパイとして入部してきたはずの「島」と「大竹」の2人が次第に野球の面白さを知り、試合で活躍するたびにチームメイトや観客から認められる過程で「悪役としての任務」を放棄して、チームの主力となっていくという展開は悪い方向へと行きそうだった2人の運命が好転したという意味で読後感が心地よかった。

2人のヒロインと2人のヒーローを用意した「四角関係」が最後までカップリングの着地点を読ませず、野球の試合内容とは違う意味でも緊迫感が継続されて良かった。
自分は・・・最後まで比呂がひかりとくっ付くかもという可能性も捨て切れなかった。
でもよくよく考えると、ひかりにとっての比呂は「弟」の位置付けなんですよね。
度々、比呂を男として意識しつつも、最後には「血の繋がらない家族の位置」へと還ってきたように思う。
そして比呂のひかりへの初恋も・・もうずっと前に終わっていた。

ひかりの恋人にして比呂の最大のライヴァルの英雄は・・・ひかりと付き合いながらも常に「ひかりが本当に好きなのは自分ではなく比呂ではないのか?」という疑念に囚われていた。
思えば、このお話は英雄にとっては自らの心の疑念を晴らすための戦いの軌跡でもあったわけだ。

最後の夏の甲子園を前にしての比呂とひかりのデートは映画だった。
帰り道で、母親を亡くしたばかりのひかりは別れ際に比呂に言う。
「比呂と幼なじみでよかった」「さよなら」と。
このセリフでひかりが比呂ではなく英雄を選んだのだと思った。
幼い頃から「弟」のように思い、そしていつの間にか比呂を「男」として意識するようになったとき、ひかりにはすでに英雄という恋人がいた。

先に「女」となったひかりに遅れて「男」になった比呂が、もしも、もう少しだけ早くひかりに男を感じさせていてくれたなら・・・・・?
果たして2人の仲はどうなっていた・・・?
・・・・・・・・・・・・おそらくひかりが英雄ではなく、比呂と恋人になった未来もあったことだろう。
けれど、その未来は現実のものとはならなかった。

高校三年生の夏の甲子園の準決勝でついに対決する比呂と英雄。それを見守るひかりと春華。
結果は比呂の勝利・・・も、勝った比呂とそれを見守ったひかりの目からは涙の雫がこぼれ落ちる。
お互いが互いに対する恋心にピリオドを打ったことを悟った、ストーリー中でも屈指の名場面だ。

英雄は比呂との勝負に負けて悟った
「ひかりが最も必要としているのは自分で、そんなひかりのことを誰よりも愛しているのも自身だ」と。
ひかりも気付いていた。
「最初から選択の余地(自分と比呂が結ばれる可能性)なんて無かったのよ」と。
ひかりと比呂は恋人にはなれない。「そうなるチャンス」をとうの昔に過ぎ去ってしまっていた・・・・。
そして失われた時間を取り戻すことは決して叶わない・・・・。
かくて、十年近く英雄の心を曇らせた暗雲も晴れ、物語は終局する。

準決勝を勝ち抜いた千川ナインはいざ決勝戦へと進む!
その比呂の傍らには、彼にとっての「恩人のひとり」といってよい春華の姿があった。
描かれないままに終わった決勝戦だが、比呂の行く未来は広がる夏の青空そのものだった。

「結ばれる可能性も高かったのだが、ボタンの掛け違いで結ばれずに終わった2人。でも、決して不幸ではない」
この作品の最大のセールスポイントは「ひかりと比呂が両想いなのに、結ばれることなく終わる」という点。
だからこそ
「出会いの難しさ」とか、
「人生におけるタイミング」、
「思春期における女子の男子に対する精神的な成長での優位性」
等が感じられて、とてもせつないのです。
でも決して不幸と思えないのは2人は恋人にはなれなくとも「家族」という立ち位置(直接的な血縁関係はないが、実質2人は「姉」と「弟」だった)が保証されているから。
だから、「読後の後味が悪くならない」のですよ。
安易に両想いが結ばれてメデタシメデタシ・・・が多い中、これは異色かつ特筆ですよ。

ここまで読まれた方なら間違いなく想像できるはずです。
物語のラストから数年後、英雄とひかりの結婚式で
「ひかりは俺の姉さんです」と祝福のスピーチをする比呂の姿が!

そして、そこからさらに十数年後。
英雄とひかりの間に生まれた娘に
「そういえば、比呂叔父さんの初恋の相手って、うちのお母さんなんでしょ?」
と問われ、焦ってしどろもどろになる比呂の姿が!

それって…決して「不幸な未来」ではないよね。
間違いなく「幸せな未来」の姿のはず。

結ばれるだけが幸せではないのです。
大切な人を「生涯に渡り見つめ、傍らで支え続ける(夫婦としてではなく)」というのも
同じくらいの男の幸せではないでしょうか。
比呂は間違いなくそれをやり通すはずです。
「義弟として、結ばれられなくても生涯に渡って義姉を支え続ける」
そこに比呂の「男としてのプライド」を見たいと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お見事!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-03 09:02:43] [修正:2010-07-03 09:02:43] [このレビューのURL]

8点 えりくらさん

 この世の中には、何かを手に入れるため、ベースの上に置かれた誰かの手を躊躇なく踏める人間がいる。あまりに必死すぎて、手を踏み付けたことにすら気付かない人間もいるし、踏めば勝てることが分かっているのに、踏まれる方の身になってしまって結局踏めず逆に自分の方が怪我をしてしまう間抜けな人間だっている。

 この漫画の主人公・国見比呂は、そんな間抜けな人間の一人だ。

「なんでもなかったんです。よけとけば」

 でも、踏んじゃった方が得かな、なんて思っちゃったもんだから。

 そこで踏める人間の代表格が、栄京の広田だ。彼は欲しい物を手に入れるため何かを犠牲にすることを躊躇しない。それはある種の強さだ。しかし、そうやって今まで手に入れてきたものが、本当に欲しかったものとは少し違ってしまっていたことに気付き、そしてもうそれを手に入れることが出来ないと知った時、彼は少し変わる。
 それは本当に、そこまでして手に入れなければならないものなのか。

 ガムシャラ過ぎて踏んでしまったことにも気付かない人間、それが橘英雄だ。彼のガムシャラさは、色々な人の思いを打ち砕いてきた。白山エンジェルスを追い出された木根、日本一の“三番”にならざるを得なかった中井、一年半後にやってきた思春期の現実に泣いた誰か。誰かの手を踏みにじったこと、事実としては知っている。しかし、英雄は振り返らない。奪われないために、勝ち続けるために、ただただひたすらにバットを振り続ける。これも強さ。

 じゃあ、踏めば勝てることを分かっていても結局踏めない彼は。

 甲子園、比呂と英雄の最後の一球、100%ストレートしかない英雄に対して高速スライダーを投げれば勝てることは分かりきっていた。事実、比呂は野田に対してスライダーのサインを出している。しかし、結局最後の最後で彼は英雄に対してスライダーを投げることが出来なかった。これは一年前に月形の手を踏めなかった一瞬の再現であり、勝負後の比呂の涙が勝利の涙でないことの証左だ。

 放たれた矢がけして戻らないように、一年半ずれてしまった比呂の思春期は戻らない。ひかりが比呂に対して心から素直に「頑張れ、負けるな」と言えた時間は過ぎ去ってしまってもう二度と戻らない。比呂が英雄を三振に取ったとしても、同じだ。
 それはただのボールゲームなのだから。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-01 03:49:52] [修正:2010-07-01 03:51:16] [このレビューのURL]

7点 くろしびさん

こうしてみると、タッチの頃から十分に
あだち充風で洗練されていたんだな、と感じる。

今作も同様に長編と感じさせないぐらいテンポよく読み進めれる。
ヒロインが二人でなんとなくみゆきのようでもある。

良くも悪くも大きな当たりも外れもない作者。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-30 15:37:17] [修正:2010-08-24 01:57:20] [このレビューのURL]

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