H2のレビュー
8点 キズナさん
高校球児である主人公の国見比呂と親友でライバルの橘英雄、比呂の幼馴染みで英雄の彼女である雨宮ひかり、比呂が所属する野球部のマネージャー古賀春華の4人を軸に、比呂と英雄の甲子園対決までを描く恋愛野球漫画。
ストーリーは、比呂が野球部のない千川高校に入学するところから始まります。その後色々あって、野球部を仲間達と共に立ち上げ甲子園を目指すといった感じです。比呂とバッテリーを組む野田を始め、センター木根、セカンド柳など味のあるチームメイトも試合でしっかり活躍、野球以外の場面でもそれぞれ出番があって大変魅力的でした。またキャラクターの長台詞がなく、絵もシンプルで読みやすいところも良かった点ですね。
試合は、選手達それぞれの思いや葛藤、心の成長に焦点を当て展開されます。野球の戦術的な面白さや派手な技はないので、野球漫画にそうした要素を求める方は、あまり楽しめないかもしれません。
あとこれは個人的な不満になりますが、特に厳しい練習をする描写がないにも係わらず、千川高校野球部が段々強くなることに違和感がありました。それ以外にも気になった点がいくつかあるのですが、ネタバレになりますのでここでは割愛します。
そして主人公の比呂に対しても、ひかりへの思いを引きずるとこが未練たらしくて、あまり好感が持てませんでしたね。
しかしそこを差し置いても、コマ割りや、台詞回し、演出など全体的に描写が洗練されていて、特に恋愛パートでの切ない場面の表現が秀逸、思わず唸るほどの出来映えです。
この作品に登場するキャラクター達は、ストレートに物を言わずに遠回しに言ったり、表情だけで心情を伝えてきます。その様な含みがある表現が多用されるので、読者に想像の余地が与えられ様々な解釈ができる点で、色々と考えさせてくれる漫画だと思います。読めば読むほど味が出るそんな作品でした。
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[投稿:2020-09-11 10:51:46] [修正:2020-09-11 10:51:46] [このレビューのURL]
8点 norikumさん
自分の中では数あるあだち充作品でも1番好きな名作!
「待っている時もデートの時間」のセリフは今でも心に響いています。
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[投稿:2020-03-06 21:02:38] [修正:2020-03-06 21:02:38] [このレビューのURL]
7点 そうすけさん
良作
四人の関係を軸としながらも、チームメイト、敵役まで魅力的
台詞回しも絶妙
しかし、全34巻は通して読むと長い
カラーの度の読者サービス水着(単行本では白黒)と過度な自虐メタが勢いを削いで、
漫画全体の空気を薄くしてしまっているように感じる
それがあだち充ということなのだろうか
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-09-18 21:07:02] [修正:2018-06-14 15:39:28] [このレビューのURL]
5点 群馬のイチローさん
タッチと違ってのヒーローとヒロインの計4人、それぞれの人間関係の最後の結末を描いてくれたことは良かったと思います。
個人的にも結ばれ方も良かったと思います。試合内容は、3年生以降は正直印象が薄すぎて記憶に残りませんでした。
脇役の扱いは、木根の扱いは序盤・中盤は雑だが後の病院での入院時の扱いは良かったと思います。
野田の扱いは最悪だと思います。強肩で頭脳リードにバッティングも良いのに、本人はプロから声がかからないという発言をしていたと思います。
正直、野田クラスの捕手なら最低でもドラフト2、3位に指名されてもおかしくない素材だと思いました。
野田のリードや守備力の恩恵がタッチの松平と違って、国見にあると思うので、野球のこと詳しい作者が捕手をないがしろにした気分になって、ややガッカリはしました。
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[投稿:2014-08-04 16:41:44] [修正:2014-11-24 20:04:31] [このレビューのURL]
10点 プリさん
この作品が連載されていた当時は、最初の数巻だけ読んで
その後追わなくなり、その後ずっとそのままになっていました。
最近ふと結末が気になり、調べてみたら予想外のものだったので
興味を持ち読んでみました。
結果として、泣きながら読んだ漫画はこれが初めてでした。
ラストには様々な解釈があり、こういうことだ、と
ハッキリ分かって読んだわけでもないのですが、読み進めるうちに
何か言葉に表すことができないものが伝わってきて
涙が出て止まりませんでした。
特に最終巻の、あの勝負の場面の描写はもう漫画史に
残るものなんじゃないかと思っています。
個人的にはこの作品はあの「タッチ」に完全に並ぶ傑作だと思います。
ドラマ化はされたようですが、もっと多くの方に原作をぜひ読んでほしいです。
最後に好きなセリフを抜粋。
「ほんとに差はなかったんだよ、二人が得意とする
シュートの威力もキレも ー。」
「ただ原口のほうが、ボール1個分 打者の懐近くに投げられた、
それだけなんだよ。」
人を好きになる気持ち、相手を思いやる気持ち、
懐近くに飛び込むからこそ相手を痛いほど理解できる。
比呂はひかりのことを痛いほど理解していたんですよね。
自分もそういう風に身近な人と接していきたいと思いました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2014-03-22 20:58:40] [修正:2014-03-23 15:25:40] [このレビューのURL]
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