H2のレビュー
10点 polojoさん
H2は2人の主人公と2人のヒロインから成り立っています。
もうこれだけで相当な人間ドラマが成り立ちます。そしてそこには嫉妬や痛みや苦しみも存在します。凡才の漫画家なら非常にウェットで生々しく描いてしまうか、その状況は完全にないものとしてストーリーを進めるでしょう。
しかしあだち氏は、その少年少女を成長させるためにこれらの感情とまっこうから向き合います。そしてただ向き合ってそのまま表現するだけでなく、あだちフィルターを使って、読者ターゲットである少年たちがギリギリ理解し、少し背伸びをして感情移入できるようなレベルに標準を合わせています。
いやあだちさんのデフォルメ力は、本当にすばらしいと思います。押しつけがましくない淡い感動を描くのが得意なんでしょうね。
また登場人物が魅力的(特に主役の4人)ですので、読者の多くは最後の方で必ず「自分はどっちを応援したいのだろう」という自問自答に入ることだと思います。そしてこれが1周目、2週目繰り返し読むと感想が大きく変わっていきます。つまり、読者も成長とか新しい考えを発見できるのです。
登場人物のみならず、読者も成長させるお手本にすべき少年漫画です。
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[投稿:2013-05-20 22:25:40] [修正:2013-05-20 22:25:40] [このレビューのURL]
7点 勾玉さん
長編ながら常に安定した面白さ、
しかしそれだけに三角関係に帰結するラストが残念でもある。
春華は完全に蚊帳の外だし、
佐川、大竹、島といった脇役達の影も薄くなる。
決勝をカットせずに、そこらへんを補完することが出来ていれば
文句無しの名作になったんじゃないだろうか。
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[投稿:2013-03-26 03:32:41] [修正:2013-03-26 03:37:29] [このレビューのURL]
7点 muzina-kidsさん
一流の作品って何だろうと思う
彼の作品には独特の世界観がある、それはコマ間であったり、なかったり
どっちとも取れるセリフだったり、一応の決着はつけるが読者想像の間をのこしている
それを良しとするか否かにも掛かってくるが‥
終盤の英雄、比呂の対決に於いてフワッと感は否めない、そこがこの作品が彼の作品のなかでもあまり受け入れれない要因にもなっている
個人的には、終盤のエピソードは要らない
後半は前半と違い、野球のライバルも出てこず
比呂、英雄、ひかりの三角関係に焦点が当たっており、野球、そして春華の影の薄いこと‥
あだち充作品自体、優良である、タッチが面白いと思えれば、間違いなく良作、しかし、彼の作品のなかれはそれほど良くもない
しかし、ひかりの家族が不幸にあった際の、空地での比呂とのキャッチボールは思わず(涙)でした
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2013-02-08 12:06:45] [修正:2013-02-12 22:27:32] [このレビューのURL]
6点 ルリヲさん
中盤くらいまでと後半で読み味が変わった。
最初は比呂、英雄、ひかりがいい感じの距離感で、全体の雰囲気もコミカルで明るい感じだった。でも後半から雰囲気が重くなった感じがする。
比呂のひかりへのおもいがちょっとしつこいかな。春華の影が立ち位置の割に薄すぎるのも残念。
最後の勝負もなんだか期待はずれだった。比呂が比呂じゃないみたいだし英雄もしつこい。
正直ラストのほうは読んでて疲れた。
・・・と不満をつらつら述べたけれども、結構楽しめた。
サブキャラたちがみんな魅力的だったし、主人公が天才なのは好き。
比呂のキャラもよかったし、展開も燃えた。
34冊あったけど一気に読んでしまうような魅力がこの作品にはある。
でもやっぱり恋愛面やラストの展開が個人的にいただけなかったので6点くらい。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-10-20 00:21:42] [修正:2012-10-20 00:21:42] [このレビューのURL]
8点 さぶさぶさん
個人的にスゴイと思うのは、これで実は十分書き分けできているんですよね。
主人公顔、っていうのが基本的に同じだから他作品まで混ぜるとわけわかんなくなるだけで。
作中では、比呂や英雄、ひかりや春華を他のキャラクターと見間違えるなんてことはただの一度もなかったですし。
描き慣れている顔だからか、やはりそこはベテランの技巧か。
一見淡白でありながらキャラクター達の心理が即座に伝わってくるのは巧い、と思わせるには十分。
野球部分もこれがまた面白い。サッカーなどに比べ、打順などが存在する分、野球のほうがカットする場面と描写する場面の取捨選択が重要視されるだろうが、今作では、短くまとまっていながらも展開を過不足なく描写できている点がまたスゴイ。
チームメイト全員は無理なのは仕方ないとして、半数程度は持ち味をしっかり持っていたし。
それぞれの思いが交錯する後半は、胸が疼いて仕方がない。まるで青春時代に戻ってしまったかのようだった。
……あきらかに蚊帳の外の人いたけど……。
タッチやみゆきを読んで、好きだった方は安定して楽しめると思う。
絵柄は同じだが、内容まで同じなわけではないのでそこんとこよろしくです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-02-21 14:33:32] [修正:2011-02-21 14:33:32] [このレビューのURL]
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