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6.75点(レビュー数:16人)

作者落合尚之

巻数10巻 (完結)

連載誌漫画アクション:2007年~ / 双葉社

更新時刻 2010-03-10 19:38:20

あらすじ “ひきこもり”と援交女子高生。接点のないはずの両者が出会ったとき、ある「計画」が動き出した……! ドストエフスキーの名作を原案に、現代の少年少女たちの抱える闇に迫る問題作。主人公・裁(たち)弥勒(みろく)は、将来を嘱望されて上京するも、大学にもバイトにも行かず部屋にこもる日々……。肥大する自尊心と、過敏な劣等感を持て余す弥勒の脳裏に、ある恐るべき「計画」が宿る!!

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罪と罰 A Falsified Romanceのレビュー

点数別:
11件~ 15件を表示/全16 件

6点 そのばしのぎさん

ドストエフスキーやトルストイといえば中・高校生の頃に誰もが読む本であろうが、考えてみると、この当時のロシア文化や時代背景をそのまま自分達と同じ感覚で受け止めて良い物かという疑問は沸く。20年前に資本主義の象徴たるマクドナルドが進出した時も、客は各々に「自分達は平等だったんだ。」とインタビューに答えていた。この辺の思想的な感情は日本人には理解しがたい物がある。

そういった意味で舞台を日本に置き換え、翻案といった形を取ったのは面白い。
獣の刻印を持つ主人公の名前が裁弥勒というのもなかなか洒落ている。
しかしその為か、弥勒はただのひきこもりの中二病になってしまい、感情のままに主人公を殴りつけるエチカも原作のソニャに比べると随分と俗物な印象を受ける。
おまけにただの金貸しの婆さんが暴力団と繋がった少女売春グループのリーダーとなり、悪人度は500%増し。やばい、これではまるでデスノートではないか。

5?6巻位までそういった設定によって進む大筋がかなり微妙な気がした。原作を読むに越した事はないと思うが、それでも手塚治虫の「罪と罰」、大島弓子の「ラスコーリニコフ」あたりとまた違い、別の方向性から原作を語る事に健闘はしていると思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-27 18:14:55] [修正:2010-09-27 18:14:55] [このレビューのURL]

8点 ITSUKIさん

読んでて非常にひきこまれる。
心理描写が素晴らしいです。

また自分はモチーフ元のドストエフスキーの作品は未読で、ストーリーの大筋も知りません。
1巻から結構続きが気になる終わり方をするので、2巻まで読めば後は一気に読んでしまうでしょう。
徐々に追い詰められる主人公には思わず自分もハラハラ。
でもだからといって主人公が正しいとは思いませんが・・夜神月だって一部で終わらずに二部の最後まで描いたのは正解だと思いますし。

主人公はじめとした登場人物たちの思想・哲学は、原作からどれだけ忠実なものなのかは知りませんが本家の方にも非常に興味が湧いてくる様な読み応え。
漫画のうまさもありますが、題材のチョイスとアレンジが見事に成功してると思います。

特別絶賛する程上手とは思いませんが、画力も雰囲気を損なう様なものでもないですし、魅せるコマはしっかりと魅せてくれます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-12 23:50:49] [修正:2010-05-12 23:50:49] [このレビューのURL]

8点 bugbugさん

本作が成功したその源は登場人物のユニークさにあると思う
原作の大筋を外さない範囲で、登場人物の性格を改変してある
主人公のミロクはラスコーリニコフよりだいぶ幼稚だし
エチカはソーニャよりも人間的、俗物的
他にも、ダークヒーローのような首藤や、あまりに救い様のないバカのリサ
現代日本という舞台のなかでこうしたキャラクターの魅力が
物語の中で余すところなく消化されている。そしてそのストーリーが面白くて仕方がない

プロットがきちんと組まれているので、話がだれることなく進行している
こうした作品は得てして熱量不足に陥りやすいが、
凶行の現場、五位検事との舌戦やエチカとの一夜など、圧倒的な迫力で描かれる。

9点を付けるべきか悩んだ。
結末までもう少しなので、ラストを見てから再評価したいということで8点
原作をなぞるだけでなく、果敢に挑戦した心意気を評価したい。どうかきれいに着地してください

作品の評価とは関係ないけど最後に
五位検事って、「ひぐらしのなく頃に」の刑事がモデルですよね
名前が同じ蔵人だし、しゃべり方とかもうそれにしか見えなくて困る

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-22 22:47:15] [修正:2010-02-23 00:17:29] [このレビューのURL]

8点 レビュのすけさん

あのドストエフスキーの名著「罪と罰」を現代版にアレンジした本作。

モチーフである原作が執筆されたのは1860年代。

ともすれば全く原作の持つ世界観、哲学的なテーマとはかけ離れてしまいかねないこの作品だが、

作品の序盤を貫くテーマである主人公の「正義」に関する思想、理論(崇高な目的達成が流された血をあながう)や、主人公の性質、「罰」苛まれる様などは忠実に描かれている。

また、原作で使われている心理描写をそのまま漫画表現するなど、原作の世界観を踏襲することに成功している。


ストーリー自体は全くの別物だが、引き込まれるような展開になっているし、独特の暗いタッチも作品を引き立てている。

現在連載途中だが、ここから面白くなるはず(原作と同じような展開なら)なので、非常に期待の持てる作品。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-12-09 22:09:34] [修正:2009-12-09 22:09:34] [このレビューのURL]

9点 ショージさん

原作は未読。

二巻の後半から三巻の前半にかけての展開が凄すぎる。
とりあえず、一巻だけ読んで気に入ったのなら一気に読んだほうが良いかと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-05-02 22:33:29] [修正:2009-05-02 22:33:29] [このレビューのURL]

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