テルマエ・ロマエのレビュー
8点 即身仏さん
この漫画の一番のキモは、しっかりとしたローマの生活風俗の描写と堅物の主人公ルシウス・モデストゥスの素直なまでのリアクションから見て取れる、快楽を追求するという根っこでは共通ながらも日本人と古代ローマ人の思考の違いによるギャップから来る笑いだと思います。
主人公ルシウスの(日本人から見たら)結構強烈な自尊心が、平たい顔族(日本人)の(遠い未来の文化だから当然だけど)当時のローマを超越した風呂の技術を目のあたりにして言いようの無いショックを受けたり、自身が閃いた発想で無い為に後ろめたさを感じてしまったりしたとか思えば、フルーツ牛乳や温泉卵を口にして素直に「美味い!」と感動する素直さに思わずニヤリとしてしまったりと、読んでるこっちも楽しいです(笑)
後、自身がタイムスリップしていると自覚していないという点でしょうか。よくよく考えたら、当時の人間がタイムスリップなんてSF的な考えを思いつくのは無理が有るかと。だからこそ、タイムスリップしたという自覚が無く未知の国家に来てしまっていると「勘違い」していると読者に思わせる事によってルシウスが古代ローマ人だというキャラクター付けが強固になって、読者が新鮮に感じるようになっている仕掛けだと、個人的には思います。
だからこそ、タイムスリップするきっかけがチープであろうと(酷)、面白いまんまなんだと感じます。
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[投稿:2010-09-25 01:16:10] [修正:2010-09-25 01:16:10] [このレビューのURL]
6点 ヒナミさん
個人的に凄く面白い、というわけではありませんでした。
絵も結構好き嫌い分かれるかもしれません。
しかし、お風呂を題材に漫画を描くという発想は斬新だし、ローマ人の驚きっぷりには笑えます。
また、古代ローマの世界観を結構調べて描いてあるみたいなので、勉強にもなります。
二巻も出たら読んでみようかな、と思える作品です。
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[投稿:2010-08-15 01:48:12] [修正:2010-08-15 01:48:12] [このレビューのURL]
7点 Sealさん
現代日本の風呂やトイレに対するこだわりを古代ローマ人の視点から描くという手法が新しい。
日本の風呂文化を目の当たりにした時の主人公ルシウスのリアクションがいちいち笑わせてくれる。自分たちにとっては何気ないものだから余計に面白い。
確かに日本の風呂事情は異色ですからね。そういったことを我々にもあらためて認識させてくれます。
この漫画の肝は文化の優劣を比較することでは無くて、現代日本と古代ローマの風呂文化との共通点にあるのだと思います。
古代ローマ人が現代の我々と同様に風呂を愛していたという設定には多少の推測も入っているとは思いますが、遠く時代も距離も隔てた両文明が似たような価値観を共有していたなんて面白い考えですね。
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[投稿:2010-08-06 14:54:20] [修正:2010-08-06 14:54:20] [このレビューのURL]
7点 とろっちさん
確か松本人志だったと思いますが、
「『和』と『洋』とでは総合的にどっちの方が上とかはないが、少なくともトイレについてだけ考えれば
明らかに『洋』の方が優れている」と言っているのを聞いて、妙に納得したことがあります。
この観点で言うと、少なくとも風呂についてだけ考えれば、明らかに『和』の方が優れているでしょう。
そんな作品。
作者はポルトガル在住とのことですが、ポルトガルに住んでいても、
いやポルトガルに住んでいるからこそ入りたくなる日本の風呂。
日本人にとっての郷愁。世界に誇れる日本の風呂。
ただ、他の方のレビューにもあるように、日本の文化のみを褒め称えるのではなく、
ローマ文化にも尊敬の念を忘れていないのがこの作品の良いところ。
読んでいても誰も嫌な気分になることなく、好感が持てます。
まず着眼点がすごい。そしてその発想を昇華させ、ここまでの完成度に仕上げる構成力。
真面目な人が真面目にくだらないことをする作風だけに、その面白さも際立ちます。
元は一発ネタだったのかもしれませんが、どこまで引っ張るのか。上手くまとめれば名作かも。
読むと風呂に入りたくなる漫画。こんな作品、貴重です。
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[投稿:2010-05-26 20:07:51] [修正:2010-05-26 23:54:39] [このレビューのURL]
9点 健太(99)さん
相当面白い。ものすごく簡単にまとめると、各種料理漫画とへうげものをたして風呂をテーマにして描いた漫画。料理漫画は料理を褒め、へうげものは作った人間を褒める事をメインにしていて。テルマエ・ロマエはローマ人が日本の風呂について両方褒める。
まぁそれだけならどんな漫画家というだけなので面白さについて言えば、1話目2話目ですでにやられた。両方ローマに帰ったとき、日本で見た牛乳瓶と日本ザルというあっちの世界のものがあった。またあっちの世界では食で感動させられている。感動を伝える上でシンプルで確実な方法でそれでいて反応のさせ方は幅広い。でもちゃんと食べ物や平たい顔の人やサル以上に風呂についても感動させとる。
これがもし2回だけの短編でも相当面白いと思うけど。3話でそれをスパッと切り捨てる。3話目はローマに何もついて来ないし、ビールやヒメダケ煮も新しい食べ物や飲み物だという認識は無いし、描き方も違う。
でも最初の余韻として食べ物に対する感動を感じてしまう。
またローマ人が日本のものに驚嘆するとき、最初に平たい顔族といわれたことも助けて罪のない優越感を演出していて、テーマの新しさ云々抜きにしても漫画としてすごい良く出来ていると思います。
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[投稿:2010-05-07 00:11:14] [修正:2010-05-07 00:11:14] [このレビューのURL]
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