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7.08点(レビュー数:35人)

作者一色まこと

巻数26巻 (完結)

連載誌モーニング:1998年~ / 講談社

更新時刻 2009-12-27 15:47:33

あらすじ 森の端というわれる風俗街。そのそばには森があり、森の中には捨て去られれ、音のなることのないピアノがあった。だが、夜中になるとなるはずのないピアノの音が聞こえてくる‥。弾いているのはピアノに選ばれた少年カイ。かつてもう一人このピアノを弾ける人がいた、それが遠い昔のそのピアノの持ち主であり伝説のピアニストとまで言われたが事故の怪我により引退した阿字野だった。偶然によりカイは阿字野のと出会い、自らの才能に目覚めていく‥‥。

備考 1998年〜2002年:ヤングマガジンアッパーズ掲載  2005年〜:モーニング掲載

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ピアノの森のレビュー

点数別:
11件~ 15件を表示/全35 件

5点 シドさん

盛り上がりやインパクトが薄いとは思いますが、登場人物の心理描写やピアノを演奏している雰囲気は、癒しを与えてくれる感じがするので好きです。
阿字野に導かれて初めてコンクールで演奏するところから、ショパンコンクールに出場するまでのストーリー展開も、運命のあやを感じて面白いなと思いました。
コンクールの規格に当てはまらない演奏ってどんな演奏だろうと想像してしまいます。(本当に想像しかできませんが)

ただ、森の端とか小学校の日常の描写が蛇足に感じたのでこの点数です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-27 10:14:40] [修正:2012-10-27 10:14:40] [このレビューのURL]

8点 ドルバッキーさん

これは音楽を題材にした漫画の中ならかなりの傑作だと思います。

個人的には少年編が好きでしたが、青年編に入ってからも十分に楽しめます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-04-02 14:09:26] [修正:2012-04-02 14:09:26] [このレビューのURL]

7点 booさん

町外れの森の中に一台の野ざらしになったボロボロのピアノがあった。森の端に住む少年カイにしか弾くことの出来ないピアノが…。

少年時代編はカイが昔有名なピアニストだった阿字野、同級生の有望なピアニスト雨宮などの多くの人々と出会うことでその天才的な才能を開花していくストーリーとなっている。
カイや雨宮を代表とする少年少女の葛藤を描くのが一色まことはうまい。演奏シーンだけを見ると美しいものの傑出してはいないが、その積み重ねてきたドラマ性の高い演出によって良いカタルシスを得られるしたまに泣ける。
この少年時代編の甘酸っぱくも美しい物語は心に残った。

問題は第2部のショパンコンクール編。
カイはこのコンクールで優勝することを目的とする。今までの他人のピアノと比べられることを嫌い、自分のピアノのみを追求してきたカイらしくない展開ではあるもののそこは作中でその経緯が説明されるので別にいい。
しかしだ、パン・ウェイなどライバルの細かい描写と必要以上の審査員の描写は必要なかったように思う。コンクールでも流されず自分のピアノを貫くカイと、自分のピアノとカイに対する気持ちに葛藤する雨宮を描いている所にこのライバルたちは必要ない。名前と経歴を紹介するくらいでよかった。
群像劇ではないのだからカイと雨宮の2人中心の物語に留めて欲しかったのが正直な所。他の不純物のためにあまり楽しめないし感動も出来ない私がいる。

現在ピアノの森はクライマックスに差し掛かっている。今の所第2部は盛り上がりに欠けているが、それでも一色先生ならすばらしい最終回にしてくれるんじゃないかという期待はまだあるのだ。そうなれば加点するつもり。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-18 12:08:13] [修正:2011-07-23 14:23:41] [このレビューのURL]

6点 ibさん

少年時代のストーリーのみで終了したら、美しい余韻を残して終わる、オリジナリティの高い傑作になったと思うのですが・・・
ショパンコンクールからの展開が平坦で、面白みにかけるのが残念。

小学生のカイの生き様は、アカデミックな教育に基づいて弾くピアノがすべてではない、ということを読者に教えてくれます。
それなのに、成長することでなぜか、アカデミズムの頂点であるコンクールへ身を投じてしまいます。この心の移り変わりが解せないのです。

しかも、審査員の審美眼そのものに疑いを持つ視点でストーリーが描かれていきます。つまり、ほめられてもあまりうれしくない審査員からいい点をつけてもらうためにがんばるという、その価値観一点にストーリーが集約されていってしまうので、そこで結果的に誰が優勝してもそこから得られるよろこび、感動は底が知れているのではないか、という気がするのです。

それと、話の導入部には中心にあった神秘的、超自然的な要素が、後半まったく出て来なくなってしまうのも、何かアンバランス。

これは僕の勝手な妄想ですが、カイは夜のお店で演奏する経験を積みながら、なぜジャズに興味を持ったりせず、クラシックにこだわったのでしょうか?
自分の好きなように自由に演奏する、そしてプロとしてお金を稼ぐために演奏する、この動機に突き動かされているカイなら絶対に、クラシックではなく、ポピュラー音楽、とりわけジャズの世界に転向していくのが自然な気がします。

そうしてクラシックのコンクールを目指す修平と違う道を歩みながら、数奇な運命から二人が交差し、ぶつかり、支え合っていく展開になったら、もっと奥行きがあったし、天下一武道会的な話で小さくまとまらずに済んだと思います。

初めのアイディアがとても新鮮なのに、進むにつれてジャンプ的な一元的価値観に持ち込まれてしまうのは、マンガ全般によくある傾向ですね。
それでも本作は、人間がよく描けているという点では、秀逸な方の作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-05 17:18:54] [修正:2011-05-05 17:48:07] [このレビューのURL]

8点 臼井健士さん

天才ピアニストと謳われた「阿字野壮介」。そのピアノの音色は聴くものの心を捉えて離さなかった。
だが、自動車事故によりその腕をケガによって奏者としての生命を絶たれてしまう。さらに同乗していた婚約者も亡くなった。
生き残りながらも「魂の抜け殻」となった壮介は小学校の音楽教員として無為な日々を過ごす。

しかし、一人の少年との出会いが生きる意味を見失った元・天才ピアニストを再生させる。
かつて愛用していて用済みとなった自身のピアノが森に捨てられ、そこで一人の少年の音楽の天分を開花させる役割を担っていたのだった。
一ノ瀬カイ。決して恵まれた家庭環境ではないながら、母親の溢れる愛情を受けて育つ。

そしてそのカイの力を見抜いた同級生の少年、雨宮。
「天才」と「秀才」の対決はそれぞれの師匠である壮介と雨宮の父との代理戦争のような因縁めいた展開へと繋がる。
やがて成長したカイは世界の大舞台にて雨宮とその腕を競うことになる・・・・・・。

秀逸なのはタイトル。普通なら「森のピアノ」とするところを「ピアノの森」とした点。
森がピアノを包むのではなく、ピアノの調べが「森を形成する」という作品を通して貫く主人公の特性。それを現しているのだ。
音楽漫画はいかにして紙面に「音を再現させる」かがキモ。
だから成功作品は少なく、最近では「のだめカンタービレ」と「ピアノの森」くらいだ。

逆に人気の「けいおん!」にはこの両作品のような「紙面上に音楽を再現する」というような技巧は全く見られない。
音楽をテーマとしながらも、前者と後者の決定的な違いを挙げるとしたらそこだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-23 12:42:11] [修正:2010-11-23 12:42:11] [このレビューのURL]

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