ホーム > 少年漫画 > 週刊少年ジャンプ > 花の慶次−雲のかなたに−

7.52点(レビュー数:21人)

作者原哲夫

原作隆慶一郎

巻数18巻 (完結)

連載誌週刊少年ジャンプ:1990年~ / 集英社

更新時刻 2010-08-26 14:36:56

あらすじ 「傾奇者」(かぶきもの)。「傾く」(かぶく)とは、異風の形を好み、異様な振る舞いや突飛な行動を愛することをさす。そして、真の傾奇者は己を美しゅうするために命を賭した。
時は戦国時代末期、ここに天下一の傾奇者がいた。その名は前田慶次…!

備考 歴史小説「一夢庵風流記」を漫画化した物。
脚本/麻生未央

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花の慶次−雲のかなたに−のレビュー

点数別:
21件~ 21件を表示/全21 件

この漢、温情にして豪快なり!

質の高い舞台や映画を観て高揚する感覚を憶えるほど、
この作品は美しさと優しさに溢れ、ロマンに満ちています。
原作の雰囲気を残しつつ、
少年誌という難しい枠のなかで作品を描ききった作者の意気込みと意地を感じます。
また、表情や仕種などの表現力がすばらしく、
心の奥底の感情を目もとや口もとの微妙な描きわけで適格に表現しています。

そして、とにかく主人公「前田慶次」の人柄がすばらしい。
人には上も下もなしとし、さらに人も獣も花も樹も違いがなく、それらを愛でし暖かな心と、
己の信念を貫く事に命をも惜しまない度胸の良さと、それを愉しみとするスケールの大きさには
男として、人として、思わずみとれてしまうものがあります。
彼に惹かれ、共にいくさ場で死ぬ事を誇りに思うもの、
または敵対するも、いくさ人としての彼の生き方を尊重し、尊敬し
合いまみえる事を喜びとするもの、
前田慶次のもとにはそんな真の男たちが自然と集まってきます。

戦国の世を自由奔放に駆け抜けた「前田慶次」という爽やかな風の物語は、
作品の善し悪しという次元ではない崇高なモノを感じずにはいられません。
終わり方もとてもよく、言葉ではなかなか表現できない、
なんともいわれぬ風流さと華やかさと儚さに満たされています。
より多くの人に読んでもらいたい、そう思える作品です。

◇この作品の個人的価値=全18巻で 5400円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-09 21:55:05] [修正:2005-10-09 21:55:05] [このレビューのURL]


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