この漫画のレビュー
9点 じいやと姫様さん
「姫さま」
「なんじゃ、じい」
「今回ご紹介するのはこちらでございます」
「ほう『うしおととら』とな。一体どのようなものじゃ」
「熱うございます『うしお』と『とら』その名前からして熱うございます。」
「ほう」
「ぶっきらぼうながらに芯の通ったうしおと、天邪鬼ながらに人を見捨ておけぬとらのその友情が熱うございます、人間と妖の垣根を意識しながら進む真由子ととらの恋心も、ただただ胸に熱いものがこみ上げるばかりでございます」
「そんなにであるか」
「はい、そんなにでございます。じいやは少年サンデーでとらのアップを見た時、その迫力に痺れたものにございます」
じいは昔を思い出し遠い目をした。
「よし、では当時の少年サンデーを手に入れて参れ」
「……は?」
「わらわもとらのアップが見たい」
「いや、しかし」
「早く行かぬか! 第一話から最終話まですべて揃えるまで帰ってくるでないぞ」
アンズ姫の剣幕に圧されじいやは渋々旅立って行った。
じいやが城に戻ったのは二年後のことだったという。
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[投稿:2011-06-23 09:17:18] [修正:2011-06-23 09:24:40]