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6.6点(レビュー数:23人)

作者ゆうきまさみ

巻数22巻 (完結)

連載誌週刊少年サンデー:1989年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-27 19:13:13

あらすじ ロボットテクノロジーの発達によって登場した汎用多足歩行型作業機械「レイバー(Labor)」は急速に発展・普及し、軍事・民生を問わずあらゆる分野で使用されるようになった。特に東京を含む首都圏では1995年に襲った東京南沖大地震の瓦礫の処分と、首都圏の土地不足の解消を兼ねた国家プロジェクト「バビロンプロジェクト」のためにレイバーは既にありふれた存在であった。だがその結果、レイバーによる事故はもちろん、レイバーを使用した様々な犯罪行為(酔っ払いの乱闘騒ぎや窃盗からテロ行為まで)が多発して社会問題となった。

この「レイバー犯罪」に対処するため、警視庁は警備部内の特機部隊にレイバーを導入し、その任にあたらせた。しかしそのパトレイバーは発足当初は旧式の作業用レイバーを装甲を強化しただけのもので、日進月歩でレイバーが性能を向上させている状況にあっては優秀な人材を集めた特機部隊もレイバー犯罪に対応し切れず、1998年、警視庁は警備部内に専門部署として新たに「特殊車両二課中隊」、通称「特車二課」を設けた。これがパトロールレイバー中隊 (パトレイバー) の誕生である。

小隊は従来機を運用する「第一小隊」に加え、新たに「第二小隊」を編成することが決定された。その第二小隊にはパトレイバー専用の最新鋭機種である篠原重工製98式AV(Advanced Vehicle)“イングラム”が製造・導入されることになる。ところが、その新型レイバーを与えられる第二小隊は現職である太田功巡査を除いては予備校を出たばかりの経験はゼロに等しい者ばかりで(この部分はそれぞれ違う。OVA版では詳細は語られていない。テレビ版では既に篠原・太田は第二小隊員になって、96式アスカ改を運用している。ただし太田は事あるごとに「これだからな即席上がりは」と言っているし、第二小隊以前の話題もたびたび上がっている)、隊長である後藤をして「精鋭になるかはたまた独立愚連隊になるか」と言わしめた集団であった。こうして後に非難と賞賛を浴びる特車二課第二小隊が発足したのであった。

備考 ワイド版・文庫版全11巻

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機動警察パトレイバーのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全23 件

7点 gundam22vさん

1988年の近未来SFロボット漫画。電話関係の所などには今読んで古さを感じますが(現在が飛躍的過ぎか)、概ね古さを感じないのが素晴らしいです。取り扱われた警察の現実、企業の闇、外国人就労問題、環境テロ、人身売買などは現在にも通じる普遍性があります。動きがゆったりではありますが、ロボットであるレイバーの格好良さと格闘は引きつけられます。

大ヒットドラマである「踊る大捜査線」にも影響を与えた警察組織を扱いながらの、コミカルとシリアスのバランスは見事です。主人公泉野明の普段不真面目なのに、いざという時頼れる上司後藤隊長とトリックスター的で今でいえばサイコパス愉快犯である内海の存在は印象的。

欠点としては特に熱があるというようなシーンがある訳でもなく、展開としても後半に行くにつれてグダグダしたかなとは思います。主人公の警察志願理由、遊馬と父親の確執問題、裏金疑惑、内海以外の極東マネージャーや黒崎らの報い、伝聞で終わったおタケさんのその後など放置されて終わったような部分も散見しました(廃棄13号事件での女科学者の父親と博士の間には何があったのか、途中の札束問題でも強盗じゃないという以外には語られなかったり、本作はもともとそっけない部分がある)。

しかし、本筋で争った内海との決着はついてますし、主人公視点の成長物語としても一区切りはしています。第一話と最終話のタイトルを対比させる演出にはグッと来るものがありました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-12 21:03:44] [修正:2017-07-12 21:03:44] [このレビューのURL]

8点 shunさん

3クールのドラマのような構成になっており、実写を意識したようなカメラワークも面白い。
いわゆるロボット物ではなく、ロボットを扱った職業漫画となっていて、敷居が低くく、肩がこらない。

話としては本筋は一つで、サイドストーリーがあるという構成。
11-13巻あたりは本筋にあまり関係のない部分となっており、
終盤近くも、ダラダラ続いてしまったという印象。
展開的に矛盾はないものの、もっとすっ飛ばしていける部分もあったように思う。
しかし、最初からすべて計画済みのような構成は見事で、すべて作者の掌の上のドラマのよう。

別にメカデザイン担当がいるようだが、実用的感とリアリティ感がとても丁度良く感じ、
破綻のない物語にとてもあっている。リアリティのあるダサさは秀逸。
キャラクターも、役割をはっきりさせており、無駄な配役が居ない。
敵役の魅力もしっかりとあり、ある意味第2の主人公と言える。
上司のキャラクターなど、おっさんキャラの魅力は抜群で、
敵役内海からは、大人の子供らしさを、
上司後藤からは、大人の達観した大人らしさを味わうことができる。
キャラクターの魅力だけに頼っておらず、構成の一部として機能している。

気の抜きどころもあり、暗い展開ばかりで気が滅入るということもない。
だらけているといえばそうだが、この世界観をどれだけ気に入るかで評価が別れると思う。

安定したストーリーで、ブレが全くない。ストーリー自体は100点をあげていい。
作者特有のゆったり感と、淡々とした構成が物足りない人もいるだろう。
まとまってはいるが、単調とも言えるストーリ展開が人を選ぶことと、
感情が大きく揺さぶられる漫画ではないため、8点とした。

舞台をもっと活かして、ストーリーを破綻させたり、キャラに依った展開を作ったりしても良かったと思う。
メディアミックス作品なので、アニメにも手を出してみようかと思う。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2014-10-09 21:00:21] [修正:2014-10-09 21:00:21] [このレビューのURL]

8点 luy78さん

人はそう簡単に成長しない。組織の面倒臭さ、強さ。そこらへんはのちの漫画でも共通するところですね。後藤隊長の思考(または悪さ)には少々影響を受けました。こう書くと語弊がありますが、きちんと正義感はありますよ。ただ、立場やそれまでの経歴もあるということです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-08-07 16:00:15] [修正:2014-08-07 16:00:15] [このレビューのURL]

7点 EASYさん

少年誌に載せるには、ちょっと大人び過ぎた作品だったかな?

特別熱いバトルは少ないし、超展開なレベルアップもない。
しかし、近未来の警察の仕事をリアリティたっぷりに描き、
さらにスパイ小説さながらの企業の暗躍を描くなんてところは
大人を飽きさせない魅力的な設定で楽しませてもらいました。

またこの作者さんの得意分野である、コミュニティ内の
ほのぼのとした掛け合いなんてのは、十分楽しめるレベルです。

ちょっと終わりが尻切れトンボな感じは否めないので、
ぜひ「続・パトレイバー」として続編連載を期待したいところです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-08-10 02:19:38] [修正:2011-08-10 02:19:38] [このレビューのURL]

5点 kamekameさん

5.5を付けたかった。間違いなく良作であり、読んで損はない。

キャラクターの設定がしっかりしていて、
色々な意味で非常に狭い範囲、世界で物語が進行していく。
急に人物が成長したり、後付け的に性格が変わったり成長などはしないし、
人間関係の変化も日常的に自然な範囲内で、
ドラマティックな展開はほとんどない。漫画なのに・・・(笑)
だが、それが良い。

また、タイトルが「機動警察パトレイバー」というメカチックなものであるにも関わらず、
いわゆるロボット物のしつこさがない所も変わっている。
描き方がおざなりと言うことではない。
『レイバー』というロボットが極々自然な存在として、
あまり現代と変わりない世界に描かれている。
演出が良い意味で少年誌っぽさがなく、誇張表現が少ないのだ。

最終的に今回の中庸な採点に至ったのは、
この漫画の魅力に作者自身が若干無自覚で、整理しきれてないのでは?と感じるから。
本質的な魅力は「あずまんが大王」「横浜買い出し紀行」などと
共通の底流部分にあると思うのだが、
十分に焦点を当てきれているとはいえない点が残念

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-17 21:49:50] [修正:2011-05-17 21:51:05] [このレビューのURL]

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