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6.9点(レビュー数:10人)

作者羅川真里茂

巻数28巻 (連載中)

連載誌月刊少年マガジン:2010年~ / 講談社

更新時刻 2012-11-14 17:50:20

あらすじ 津軽三味線を背負い、単身、青森から東京へやってきた津軽三味線奏者・澤村 雪(さわむら せつ)。師でもあった祖父を亡くし、自分の弾くべき音を見失ってしまった雪だが、様々な人々と出逢いながら今、自らの音を探す旅を始める。

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この漫画のレビュー

9点 クランベリーさん

最近は音楽を題材にした漫画が多い。
いろんなところで言われ尽くされているとは思うけど、漫画というのは視覚だけに頼るものであり、聴覚や嗅覚、味覚までも使うのは現時点では当然ながら不可能ですよね。
ただ、料理漫画というのは昔からあって、その表現力が視覚を通して想像力によって補われ、嗅覚や味覚を刺激してきた。
いまや料理漫画は漫画の一大ジャンルとして隆盛を誇っているぐらいだから、視覚との相性は悪くなかったんだろうな。
それに比べるとずっと難しいのが音楽漫画だと思う。
美味しそうな料理の絵を見てヨダレが出ることはあっても、綺麗な音の絵を見て心が和むなんてことはまずないから。
だから音楽漫画を描くような漫画家は、音楽が好きだから描くという以外にも、自分の漫画の表現力の可能性に挑戦しているって意味合いもあるのかもしれない。

と偉そうに書いてしまったけど、あの羅川真里茂が少年漫画を描くって知ってかなり驚いた。
違う舞台で挑戦してみたくなったのかな。
でもこれ主人公が男の子なだけどノリとかは完璧に少女漫画ですよね。
にもかかわらず人気なのは、少女漫画と少年漫画とのボーダーレス化が進んでいるからかな。
少女漫画にも少年漫画みたいなノリのやついっぱいあるぐらいだし。

この漫画、何が凄いって、三味線なんていう超ニッチなテーマなのにすごく面白い。
やっぱりお話作りの上手い人が描くと違うな。
1巻が一番面白くてちょっとずつ落ち着いてはきてるけど、この先まだまだ面白くなりそうな展開が待ち受けていそうで楽しみ。
で、やっぱりこの人の表現力は凄いよ。
演奏している絵って動きが単調だから難しいと思うんだけど、カメラワークを駆使したり、いろいろなコマや場面をはさんだりして、飽きさせないような工夫が随所にされてる。
なんか、「音が見える」ような錯覚に陥る。私が見た音楽漫画の中では一番だと思う。凄いよー。

この漫画でちょっと興味を持ったので、初代・高橋竹山(松吾郎のモデルの人?)のじょんがら節を動画サイトで見てみた。
凄い。私このレビューで凄いって何回使ったんだろ。でも本当に凄い。
当たり前だけど私の知っている狭い世界の外側にはまだまだこんな凄い人がたくさんいるんだし、そういうのを知るきっかけになるのもこういう漫画の醍醐味だと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-07-17 18:50:15] [修正:2011-07-17 18:50:15]

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