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7.37点(レビュー数:8人)

作者手塚治虫

巻数2巻 (完結)

連載誌ビッグコミック:1972年~ / 小学館

更新時刻 2010-11-10 23:08:24

あらすじ 戦争から復員した天外仁朗はGHQの工作員になっていた。ある時、命令で共産主義者の男の殺人に関与する。その男は、自分の妹の天外志子の恋人であった。

さらに事件関与後、血のついたシャツを仁朗が洗っているとき、知恵おくれの少女お涼と、自分の父親と兄の嫁との間にできた少女の奇子がそれを見てしまう。仁朗はお涼を口封じのため殺し、奇子は一族の体面のために急性肺炎で死亡したとされ、天外家の土蔵の地下室に幽閉されたまま育てられる。

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奇子のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全6 件

5点 くろしびさん

久々に手塚作品を読んだが、コマ割りとかがやっぱりって思えた。

内容的には、どこまで史実とシンクロしているのかよくわからないが、
戦後の今とは違う特殊な時代背景からきているが、
思ったより奇子の影響が小さかった気がする。

天外家も単にドロドロしてただけだったし。
二朗も殺そうとしたり好きだったりいまいちその心理がわからない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-02 21:57:15] [修正:2010-10-02 22:13:04] [このレビューのURL]

7点 鈴森一さん

ムラ社会のとある地主の家族の物語です。
ドロドロを絵にかいたようなお話で、とにかく善人が出てきません。
しかし、昼ドラのような下世話な感じはなく、高尚で文学的な香りが漂っています。
漫画なのに、小説を読んでいるような気分になりました。
作品としての質は極めて高く、作者の力量を感じます。

登場人物たちがあまりに救いようがなく、読後感はよくなかったですが、人の業について考えさせられました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-05 00:01:02] [修正:2010-07-05 11:34:23] [このレビューのURL]

6点 bugbugさん

後書きの作者の弁だったと思いますが
手塚版カラマーゾフの兄弟を目指していたそうな
カラマーゾフというよりは明治の文豪の作品のようなイメージ

このころの作者はヒット作に恵まれず、野心的な作品を多く発表しています。
田舎的なドロドロ具合と完全にシリアスになりきれない作者の味が調和していて個人的には好きな作品
次兄が悪の組織で出世するのなんか真面目に書いたらギャグだけになってしまう
カラマーゾフになるためにはもうちょっと手塚色と兄弟の数を抑えたほうがよかったんじゃないでしょうか
キャラクターごとに作者の愛着の差が顕著のような気がします

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-03 18:26:52] [修正:2010-05-03 18:27:13] [このレビューのURL]

8点 taroさん

ドロドロのドラマ的でありながら、漫画というジャンルでしか表せないだろう物語。手塚作品の中でもかなり質の高い作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-09-26 21:08:25] [修正:2009-09-26 21:08:25] [このレビューのURL]

10点 くっしいさん

 個人的には手塚治虫の最高傑作だと思っています。ドロドロとした人間と人間の間で生じる社会の闇が垣間見られます。これはもう文学の域です。それをきちんと漫画の表現を過不足なく自然に盛り込んで破綻がないというのはやはり格の違いを感じさせます。
 今後このように歴史に埋もれない漫画はどれほど出て来るでしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-04 14:11:35] [修正:2009-04-04 14:13:46] [このレビューのURL]

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