D-LIVE!!のレビュー
8点 鋼鉄くらげさん
漫画のコマ割りというものを考えた時に、漫画のコマ割りがまるで映画撮影の時と同じようにフィルムの一枚一枚をつなぎ合わせていく作業と同じものだと仮定すると、「いつのタイミングのシーンを切り取って、ストーリーの流れとしてつなぎ合わせていくか」という問題は、作品そのものの出来にも大きく影響する、とても重要な問題です。
ある対象物が球体内の中心にあるとして、その対象物を四角いフレームの中に収めようとする時に、どういった「方向」から、どれくらいの「距離」で、更に言えばどの「タイミング」でフレームの中に収めるのか。それを熟慮し、その結論に基づいた、それに相応しい「画(え)」を生み出していく事が、漫画のコマ割り作業の本質だと考えます。
そんな前置きをしてこの作品ですが、この作品はそういった漫画のコマ割りのセンスが抜群に優れています。
超人的な運転技術を持った主人公が、多種多様な乗り物を操って次々に襲いかかる難題を辛苦の末にクリアしていくこのストーリー。そんなストーリーを基盤に持つこの漫画は、ストーリー毎に出てくる乗り物を使った超絶アクションの見せ方が途轍もなく巧いです。それはもう、先程の例に挙げたように、このアングルで、この距離感で、このタイミングでしかないという、ドンピシャな瞬間を切り取ったような「画(え)」で、読者に臨場感や緊張感をダイレクトに訴えかけてきます。
しかし勿論、見所はその「画(え)」だけではなく、話としても一級品です。多少シナリオに他者の介入が入っている部分は否めませんが、それでも、事前の準備や予備知識の収集、あるいはそれらの資料に基づいた緻密かつ精密な描写は、正にプロの仕事です。(描き手からしてみれば、それくらい当然だと言われてしまいそうですが。)
絵柄そのものに好き嫌いが出るかもしれませんが、カッコよくて面白い漫画を読みたいという人にはぜひともオススメしたい作品です。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2011-05-05 21:51:33] [修正:2011-05-05 21:55:56] [このレビューのURL]
7点 チーズカバオさん
皆川亮二の超画力を極めてシンプルなコンセプトで楽しめる。
バトルを描ける漫画家はたくさんいるが、リアルなアクションをこんなに格好良く描ける漫画家はそうはいない。
「漫画の面白さに重要なのは画力でなくストーリー」という人をたまに見かけるが、ストーリーがいかに優れていても画力(コマ割り等の演出技術含む)が高くなければ描けない面白さも確実に存在することを、本作を読めばお分かり頂けるのではないだろうか。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2020-11-17 23:32:42] [修正:2020-11-18 11:54:17] [このレビューのURL]
7点 キズナさん
乗り物を自在に操縦できる少年"斑鳩(いかるが)悟"が、仲間と共に逃亡犯の追跡や人命救助、荷物の運搬、レースへの出場等数々のミッションを遂行していくアクション漫画。
ストーリーは、一部を除き原則2~4話で構成され、単体のエピソードと平行してロシアの犯罪組織「キマイラ」との対立が物語の主軸となっていきます。
作中には、車やバイクは勿論、飛行機や船、戦車・戦闘機等の軍用機、クレーン車、ショベルカー等の重機、その他スノーモービル、ホバークラフト、潜水艦まで実に様々な乗り物が登場、まだまだ他にも沢山出てきます。これだけ乗り物が出る少年漫画は、恐らくこの作品だけだと思います。乗り物好きな方には、是非読んで頂きたいですね。乗り物に詳しくない方でも、専門用語・固有名詞等は枠外に補足説明があるので、予備知識がなくても全然大丈夫です。
ただ難点を指摘するなら、ストーリーが定型化されているので、人によっては読んでいて飽きがくるかもしれません。
アクションシーンは、皆川先生の画力が最大限発揮され、思わず息を飲む程のスリルを感じさせてくれます。迫力やスピード感が伝わり、また絵も大変見易いので、状況が一目で把握できます。
どんな過酷な状況に置かれても決して諦めず、知恵を絞って困難を乗り切るASEエージェント達の姿が、とてもカッコ良かったですね。プロフェッショナルについて考えさせてくれる、そんな作品でした。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2020-07-19 16:33:44] [修正:2020-07-19 21:52:52] [このレビューのURL]
7点 十歩神拳さん
スプリガンやARMS等の過去の皆川作品とは毛色が違い、数話完結のオムニバス形式の作品のため、手軽に暇つぶし感覚で読める作品。
とは言え、皆川先生の高レベルな作画で様々なメカや派手なアクションをお腹いっぱい拝める点は非常に贅沢で、手元に全巻置いておきたくなるタイトルだと思います。
週間連載にも関わらずこれほどの作画のクオリティを維持し、当然のように格好良い構図や演出を描きまくる皆川先生は業界屈指の “絵で魅せることのできる漫画家”なんだと再認識させられる一本です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-02-23 10:54:45] [修正:2010-02-23 10:54:45] [このレビューのURL]
6点 チャドさん
それまでに比べて、絵も話も格段にとっつきやすかった。
乗り物自体に重きを置いてなかったので、車とか興味なくても楽しめた。
割とオムニバスなので、どっからでも楽しめると思うが、ラストをしっかり楽しむなら通して読むべし。
面白いのだが、イマイチ盛り上がりに欠けるというか、もう少し心にくるモノが欲しかった。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-03-03 23:33:16] [修正:2008-03-03 23:33:16] [このレビューのURL]
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