ガンバ!Fly highのレビュー
7点 朔太さん
体操競技をスポーツ少年漫画にするのは難しかったと
思いますが、なかなかの出来でした。
長期連載になったのも頷けます。
通常のスポーツ漫画との決定的な差は、主人公藤巻駿と
平成学園の仲間たちには、ライバルたちに絶対勝ちたい
という闘争心がほとんどないところです。
原作者の森末氏のポリシーのせいなのか、体操競技と
いうものがそうなのか、ライバルたちに勝つことよりも、
体操の技を極めたいという気持ちが全面に出てきます。
それは、全巻でスローガンになっていますが、
「楽しい体操」という言葉で表現されます。
やや、陳腐なコピーですが、何度も繰り返し使われ
ますので、強い信念のように伝わってきました。
オリンピックが目標ですから、そこに繋がるプロセスが
面白いところです。
しかし、インターハイを捨てて、アジア大会選考大会に
高校全体で出場を決めるなどというのは、納得性が
低く分かりにくかったですね。
全体に技の習得に必要な努力の表現が少なく、体操を
始めて1年未満の運動オンチの中学一年生が、大車輪を
簡単にできるようになっているのも納得性がゼロでした。
誰もかれもがオリンピック代表選考会に出られるまでに
成長するのは、あり得ないでしょう。
また、恋愛模様や友情や嫉妬もドラマとして絡められる
のですが、全体的に幼稚で要らないかなと思う要素が
多いのが、少し難でした。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-10-14 08:42:33] [修正:2021-10-14 08:42:33] [このレビューのURL]
10点 童貞小僧さん
スポーツ漫画で最高傑作の一つ。体操に関する知識がたくさん勉強できます。
子供のころこれを読んでいたおかげでオリンピックの期間だけですが体操視聴をかなり楽しめます。今とはルールがけっこう違いますが。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2009-06-09 03:45:41] [修正:2017-12-25 21:31:09] [このレビューのURL]
7点 勾玉さん
内村航平選手も夢中になったという体操漫画。
前半は露骨に敵愾心を向けてくる人物や、場外でのいざこざなど
障害を作り出していく話作りに、いささか強引さを感じてしまいますが
中盤に差し掛かった辺りから、選手一人一人の体操にかける情熱が
敵味方区別なく丁寧に描かれるようになり、白熱した展開を見せてくれます。
この漫画を読んでいると、内村選手が試合でも「緊張をしない」と
語っていた理由が分かるような気がしますね。
「戦うべき敵というのは、他人じゃなく常に自分自身」これ名言でしょ。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-12-23 18:49:40] [修正:2012-12-23 20:33:38] [このレビューのURL]
7点 LILwayneさん
このマンガは実にサンデーっぽいマンガだと思う。
とにかくサンデー。
ジャンプでもマガジンでもない、これは絶対90年代サンデーのマンガ。笑
読めばきっとこの感じわかります。
いい具合に面白いです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-07-27 17:09:10] [修正:2011-07-27 17:09:10] [このレビューのURL]
9点 とろっちさん
体操というジャンルを扱った漫画でこの作品を超えるものは今後出てくるのでしょうか。
そのぐらいの完成度と面白さを兼ね備えた、素晴らしき少年漫画。
原作は、自身がオリンピックで10点満点を出した金メダリスト・森末慎二氏。
というか本当に森末さんが考えたのか?と疑うぐらいに面白いです(失礼ながら本当らしいです)。
前半部分は特に対象年齢が若干低めな感じもしますが、それもそのはず。
そもそもの連載目的が、若い人にもっと体操に興味を持ってもらいたいから、とのこと。
体操の人気低下を危惧した森末さんが、そのために青年漫画誌ではなく少年漫画誌に漫画原作企画を
自ら持ち込んだ、と当時インタビューで答えていたように思います。
笑いあり、涙あり、ラブコメ部分はママゴトみたいですが女の子キャラもかわいく、
読めば熱くなり、ドキドキワクワクできる、非常にバランスの取れた作品です。
体操に関しては森末さんが原作だけあって詳しくてわかりやすく、その上リアリティに溢れています。
技とか成功しすぎという声もあると思いますが、実際に10点満点取った人が原作ですし。
何より、不安、緊張、葛藤、苦悩、昂揚、という選手の心理描写がとても丁寧で臨場感たっぷり。
だから練習の場面が面白い。 そして試合の場面はもっと面白い。 これは良いスポーツ漫画。
少年スポーツ漫画だけあって、他の様々な作品の例に漏れず主人公の天才っぷりが半端ないですが、
魅力的なのが先輩たち、通称・三バカのキャラ。
「跳馬の(真の)スペシャリスト」、「ゆかの貴公子」、「つり輪のヘラクレス」。
いやあこの3人は本当に好きだったなあ。 笑えるし泣けます。
全34巻と長丁場な作品ですが途中でダレることもなく、むしろ前半よりもそれ以降の方が面白いです。
アジア大会の盛り上がりが凄い中盤、そして五輪代表選考からシドニー五輪へとつながる後半。
ただ気になったこととしては、この作品のピークはメインであるシドニーオリンピックではなく、
その前の代表選考ではないかと思えてしまいました。
言い換えれば、代表選考が面白すぎてオリンピック本戦が物足りなく感じてしまいました。
あとついてにもう1つ、この作品(特に前半)は少年漫画の王道パターンであるトラブル発生→解決、が
多用されますが、そのトラブル発生が強引すぎて無理やり感がありました。 そこがちょっと残念。
最近は大人向けとも思えるような少年漫画も多いですが、対象年齢が低めに設定されていること自体は
その漫画の評価において決してマイナスではない、そんな好例の作品です。
少なくとも、体操に興味を持ってもらう、という当初の目的に関しては文句の付けようもありません。
体操の魅力を十分に表現した、爽やかで胸熱くなるような少年漫画。
オリンピックの度に読みたくなる作品です。 ちなみに現在では体操のルールも大きく変わってしまって
10点満点ではなくなり、技の最高難度もEではなくFやGまで上がったらしいので、そこを踏まえつつ。
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2011-06-16 16:13:07] [修正:2011-06-16 16:14:59] [このレビューのURL]
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