なるたる―骸なる星珠たる子のレビュー
7点 あおはなさん
とかく6巻全体とのり夫、そして賛否両論なラスト(もとい概ねバッシングですが)について語られることが多い本作品。
そして「ぼくらの」と同一に語られることが多い本作品。
確かに主張の根幹は一緒なんだけど、完成度とか洗練さでいうとこちらは完全に破綻している部分があり明らかに「ぼくらの」のほうが洗練されています。
衝撃度だけはこちらのほうが格段に上なんですが。
「ぼくらの」はかなりのよく読まないと分からないけれど、キッチリあらゆる疑問に紙面で回答を与えているのに対して、本作は最後のほうで起こった事柄について明確に紙面で答えてくれていない部分があります。
よく読めば分かるレベルでは鶴丸は何故あのあとホントにツルマルになったのか(コレはよく読めばわかるレベル)ホシ丸のラストはあれどういう意味?(これものり夫のアタリなど竜になることを拒んだりなれなかった人の記述をよく読んでいる人なら)。でもシイナ生き返った明確な理由とかシイナの妊娠については分かる人にしかわからないくらいに不親切です。
多分読んだ人はこの全てが分かっているのだろうと私は信じていますが。
あと漫画家さんでこの作品で語られているような考え主張を心に秘めている人は実はかなり多いですが、その主張について作者自身の態度まで明確に字面で語っているのは私の知る限りでは鬼頭先生と古谷実先生だけです。本作では須藤が学校を辞めるときの会話がもっともダイレクトなものの一例。
ヴァンデミエールの翼のレビューでも触れたのですが、そういった意味でも鬼頭先生と古谷先生はおのずとその後の反比例する動きからの対比してしまいたくなるんです。
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[投稿:2010-11-05 16:31:34] [修正:2011-02-02 19:24:55] [このレビューのURL]
7点 shinpe-さん
1度目の通読であまりのグロ&鬱に打ちのめされて。
2度目の通読で張り巡らされた複線とそれぞれのキャラが目指す本当の目的に気づいてふんふんとなって。
3度目の通読ではじめて俯瞰でこの作品を見ることが出来た結果、作者のストーリーテリングと複線の張り方と回収の仕方の巧みさを知ることが出来ました。ここまで来て、はじめてレビューを書こうと思いました。いやもうそれこそ1度目の通読はちょっと投げ出したくなるほど酷でしたよ…。
鬼頭さんがこの後に書いた『ぼくらの』が得てはいけない力を得た人間がその「責任」の意味を考え、自分なりのそれをどうにかして果たそうとする漫画ならば、『なるたる』は得てはいけない力を得た人間がそれを自分の(かなりひねくれた)欲望のために使おうとする漫画です。
そのキャラたちがやろうとする企てに選民思想みたいな受け付け難い思想も感じますが、まぁ個々のキャラクターが魅力的なのであまり気になりません。悪役が悪役っぽくないんですよね。宮子とか特に。「八紘一宇」を目指してしまうどこか子どものような無邪気さがある大人は個人的には好きです。
鬼頭さんの作品に一貫してある「魂」「生命」に対する問いかけが、竜というイメージと結びついている設定は素直に凄いと思いました。未来に贈るメルヘン、この看板には不足は無いです。本来のメルヘンが残酷で容赦の無いものであるという前提において。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-04-07 17:45:16] [修正:2010-04-07 17:45:16] [このレビューのURL]
7点 23さん
退廃的というかなんというか、
抽象的な感想しか浮かんでこない。
読んで心に感じた事をどう表現したらいいのかわかりません。
ただひたすら読み耽りました。
軽い気持ちで読み返せないですね。
私は読むときは覚悟きめてからしか読めません。
一つ言わせてもらえるならば
のりおおおおおおうわあああああああひどいよおおおおおうううわあああああ
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-28 03:31:33] [修正:2009-12-28 03:31:33] [このレビューのURL]
7点 あくもさん
中学二年生の自分が読んだ時は衝撃的でした。
元は、「ぼくらの」という作品からこの作品を
読む事になったのですが、個人的には
面白い作品でした。
社会やらの淘汰などがよく作品の中に出てきました。
竜の子同士での戦闘はけっこうあっさりしていて
白熱するような形ではないのに被害が凄い・・・
ばんばん人が死に、やや追いつけない部分もありました。
暴力シーンも多く未成年にはお薦めできません。
ラストのエンドはキツかったです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-06-18 21:09:26] [修正:2009-06-18 21:09:26] [このレビューのURL]
7点 rankyさん
一貫した物語として完結してますし
そのせいか、読み終わったあとに
「そんなもんなんだろなぁ」と
世界についてボーっと考えてしまいました
思考の方向が、
話の理解や矛盾に向かせなかった部分は
このマンガの秀逸さのなせる業ではないでしょうか
残酷さもさることながら
描写も読者に補間を強制したりするので
そういう部分でも読み手を選ぶと思います
(私は、それなりに楽しんで補間しました)
いろいろ感じたり考えたりできるので
マンガが好きな人なら是非とも読んで欲しい一冊です
ただ、個人的には
デビルマンとの類似点を多く感じたので
マイナス1点しておきました
パクリではなく結果として似ただけだと思いますが
いろいろな可能性を感じたいもので・・・
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-10-08 23:47:08] [修正:2007-10-08 23:47:08] [このレビューのURL]
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