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7.25点(レビュー数:4人)

作者鬼頭莫宏

巻数2巻 (完結)

連載誌月刊アフタヌーン:1995年~ / 講談社

更新時刻 2010-01-16 21:38:49

あらすじ ヴァンデミエール、それは魂を宿した自動人形。造り物の身体に生を受けた彼女は、自由と自立を求め、創造主のもとを飛び立つ。ある時は小さな村で少年に導かれ、ある時は興行飛行士の命の代償に自らをさしだして。19世紀のヨーロッパに似た世界を、少女人形が駆け抜ける。飛べない翼を、せいいっぱい広げて。(amazonより)

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ヴァンデミエールの翼のレビュー

点数別:
1件~ 4件を表示/全4 件

7点 あおはなさん

鬼頭先生の初期作品。ストーリー的には後のなるたる、ぼくらのに通ずるような片鱗はみせつつも宿命を背負った彼女たちの描写がよくて取り立てて起伏が無くてどこが見せ場か今でもよく分からないなりに短いし読み終えた感じです。鬼頭先生の最近の絵は一見すると「手抜き?」と感じる癖のあるものなんですが、本作と比較すると「明らかに画力が上がっているんだな」「あれは型をマスターした上でなされるカタルシス(抜け)」なんだとわかってきます。この当時の絵には、細かく精密に描くことに意識が集中してなのかとても絵が硬い(特に表紙を他の先生の作品と書店で見比べていただきたい)そしてお得意の遠近感技法が少ない。(コレも他の作品の表紙と比較すると明らかに)本作を読むと鬼頭先生が内容だけでなく絵からもどんどんと「解放」の方向へ向かっているのが分かります。「終わりと始まりのマイルス」や「のりりん」など最近の作品を見ているとよりそう感じます。それを感じる時、全く逆ベクトルにもぐっていっている古谷実先生が気にかかるのは私だけなのでしょうか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-05 15:58:30] [修正:2010-11-05 17:08:38] [このレビューのURL]

9点 ジブリ好き!さん

「なるたる」「ぼくらの」が嫌いでも、これは好きになれると思う。
鬼頭は鬱しか描けないわけではない。

恐ろしいまでに完成された構成力はこの頃からすでにあったようだ。
短編集とは思えない濃密さと完成度。オムニバス形式でありながら各話がリンクしていることも素晴らしい。

画はいつもの乾いた筆致だけど、作風が変わると、この乾き具合の感触が変わるのも不思議。

作者の才能の底知れなさが窺える良作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-16 21:40:49] [修正:2010-03-26 23:58:35] [このレビューのURL]

6点 ういちさん

作品の雰囲気は暗い感じだけど、キャラクターの自由を求める強い意志には、逆に前向きさを感じた。
どの話も強いメッセージ性を持っていて、読み手によっていろいろと異なる解釈ができそう。
ただ単に読んでおもしろかった、というだけでは勿体無い。
何かを学ばせてもらえる作品だと思う。
でも単純に漫画としての面白さなら、他の鬼頭作品のほうが僕は好き。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-09-01 03:27:01] [修正:2008-09-01 03:27:01] [このレビューのURL]

7点 Dr.Strangeloveさん

なるたるよりも救いがある分
こちらの方が好きだという人も多いだろう。
完成度の高い連作短編集。
鬼頭氏はやはり注目すべき作家である。

復刻版があるものの画質が悪いらしく現在絶版なのが痛い。
なるたるの12巻もそうだが見切りつけるのが早すぎるぞ講談社。
7点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-07-08 12:10:17] [修正:2007-07-08 12:10:17] [このレビューのURL]


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