ホーム > 青年漫画 > 月刊アフタヌーン > 無限の住人

7.53点(レビュー数:28人)

作者沙村広明

巻数30巻 (完結)

連載誌月刊アフタヌーン:1994年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 06:27:00

あらすじ 国中の剣という剣を滅ぼし、あらゆる流派を統一せんとする剣客集団、逸刀流。彼らに両親を奪われた少女・浅野凛。復讐を誓いながらも、己の剣技が逸刀流には遠く及ばぬことを八百比丘尼に諭された凛は、「最強の用心棒を雇え」という助言のままに万次と出会う。凛に妹の面影を見た万次は用心棒を引き受け、逸刀流剣士たちと壮絶な死闘を繰り広げることとなる。

備考 1997年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。また、英語版が2000年にアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞している。2008年夏よりテレビアニメ全13話も放送された。

シェア
Check

無限の住人のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全28 件

10点 nur_wer_die_sehnsuchtさん

[ネタバレあり]

一本貫いていることでキャラが立って非常に魅力的な作品になっているんだ。
でも『無限の住人』というのは、本質は「仇討ち物」なんだよ。
昔からあるジャンルで、弱い者が自分の背負った「義」によって強気悪を斬る、というな。
そこに現代らしい面白い味付けをしたわけだよ。不死身の肉体だの異様な武器だのを。でも中心軸は「仇討ち物」なんだよな。
「仇討ち物」で何が重要かと言えば、もう仇討ちをする義と力との相克なわけ。通常は仇は悪くて強い。対して討つ側は弱くて正しい、という構図なんだな。だから「仇討ち物」というのは、不可能を義によって為す、という所がいいんだよ。
実際は強い味方が討つ側に助太刀に入って、何とかなる、というパターンが多いよな。『決闘鍵屋の辻』って言ったら、もう荒木又右衛門の英雄譚になっているじゃない。
『無限の住人』も凛という弱い娘に万次が味方についているのだから。もう「仇討ち物」の定番のパターンだよ。

だけど沙村はこの構造を捻って見せたわけ。仇が真っ黒な悪ではなく、また討つ側も真っ白な善ではない。
善と悪が錯綜する中で、物語が躍動して行くようにしたんだな。
何故躍動するのかと言えば、それは登場人物がみんな一本貫いているからなんだよ。
逸刀流は個の強さを誇る流派であり、各々の生き様は一本貫いているよな。個々を見て行くと、何が善で悪なのか、正しいのか間違っているのかがわからなくなるんだよ。
更に吐率いる無骸流が乱入し、物語は一挙にクライマックスに達するよな。
あの無骸流というのは、二者で混沌となった仇討ちの物語をもう一つの力によって強制的に動かす要素なんだぞ。

まあしかし、非常に魅力的なキャラが多いよなぁ。そうは思わんか。それは全部「一本貫いている」ということなんだよ。人間の魅力ってここだからな。このことは覚えておけよ。
一本貫いていることを鮮明に見せるために、ド変態キャラが多いわけだからな。「こんなことを一本貫いちゃってます」と読者に衝撃を与えるんだよ。
常識的な奴ってつまらないんだぞ。
最初の段階からそうじゃない。黒衣鯖人だろ? 強烈だよなぁ。
以後ロリコン剣士だの、隠密絵師だのって、みんな異常だろうよ。
極めつけは尸良だよなぁ。もう明確に邪悪な男でありながら、やっぱり一本貫いてるんだよ。
まあ、オズハンあたりになると、もう流石の私も解説出来ないよ(笑)。一体何を貫いてんのかわかんないよな。
この作品の成功は、明らかにキャラが立ってることだ。一本貫くことによってだよな。そこに異常さを加味することで、日常を乗り越えた燃えるものがあるわけだ。
でも最後はきっちりと「仇討ち物」になっているだろ?
「あ、そうだったっけ」と思い出した読者も多いと思うよ(笑)。それだけキャラの魅力に引っ張られて、力強い作品だったからなぁ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-08-09 10:43:56] [修正:2018-08-09 10:43:56] [このレビューのURL]

8点 punpeeさん

アクションシーンを描かせたら鳥山明に次ぐレベルなんじゃ…ってくらい、ド派手でグロく、スタイリッシュな描写力や構図に脱帽。

特に他作品では、動き無しの会話だけでも読み手を楽しませる技量を持つ、静も動も才能を発揮できる作者です。

前半部はまだ絵も荒く、キャラも微妙でしたが、中盤から一気にどちらも確立されていき、惹き込まれます。
六鬼団結成からクライマックスまでは怒涛の面白さです。

敵も味方も第3勢力も、ほぼ全員魅力的で、色んなマッチメイクに心躍りました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-31 20:00:00] [修正:2017-07-31 20:00:00] [このレビューのURL]

8点 gundam22vさん

ネオ時代劇と掲げていて、洒落た感じもたまに盛り込んでいますが(奇抜な衣装、武器など)、エログロありのバトル漫画が本分の作品だと思います。作者が美大卒で絵が相応に上手く(女性キャラに独特の妖艶さがあり)、連載中もさらに向上して行くため一見の価値があります。世界観も徳川家斉治世という微妙な時期を選びつつ、その時代だからこその敵勢力の理念や行末などを絡めて、一定の考証が出来ていたのではないかと。滅びの美学的に容赦なくキャラが輝き散って行きますが心に残りました。展開が三つ巴、四つ巴になりときに中だるみや迷走では思うような場面もありましたが、収束して連載20年近い壮大な物語はしっかりと締められて余韻を残しました。来年実写映画化が予定されて(この出来は不安しかないが)、タイムリーな作品でもあるのでしっかり完結した後の今こそ未読の人にも薦められる作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-12 00:35:39] [修正:2016-11-12 00:35:39] [このレビューのURL]

「バガボンド」みたいな一撃で決まるリアルな剣客漫画でなく、
アクロバティックな剣客漫画です。

序盤の復讐劇、終盤の三つ巴の群像劇とも面白かったです。
中盤は停滞して、挫折しかかりましたが。

人物描写にも厚みがあります。
途中からは逸刀流の存在意義とか、ストーリーに深みも増しました。

あとはちょっとした描写のコマ割、構図がオシャレです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-10-29 23:06:53] [修正:2015-03-09 18:00:09] [このレビューのURL]

6点 kikiさん

[ネタバレあり]

ネオ時代劇とありますが、適度にいやこの時代こんなんないだろうってのを恰好よく取り入れつつ描いてていいですね。見開きの決めポーズの絵など作者さんセンスいいなぁと思います。
私は一気に全巻読んだので監禁編までの方が漫画の話としてなんかぎこちなくかったるく感じながら読んでました。監禁編からラストまでの方がぐいぐいストーリーにひっぱられて面白く読みました。

多分前半はヒロイン凛の敵討ちの覚悟の中途半端さにイライラしたせいかと。だってあんなに人を巻き込んで意気込んでたのに、実際にチャンスが巡ってきたら「今は無理」とか意味不明すぎます。そらあの年齢で親を目の前で殺されたからといって自分がサラリと人殺しができないのは普通だと思うし逡巡するものだとは思うけど、何度も遭遇してお互いそのままって…卍さんに失礼にもほどがある。話的にもどうしたいんだよ、この作者と思ったものです。

様々なキャラクター、それぞれの立場からのあの一生懸命さ、それを螺旋のように組み上げてラストに向かっていくストーリーはうならされました。


マキエさんの無双っぷりと最期の凛と卍さんの関係がなぁ・・・あんなに人を殺してしまったから幸せになれないというのなら分かるけど、唐突にあんな割り切られてもねぇ。卍さんが切なさすぎるでしょう。なんの罰なの?火の鳥!?

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-09-24 22:38:33] [修正:2014-09-24 22:38:33] [このレビューのURL]

PR


<<前の10件
123456

無限の住人と同じ作者の漫画

沙村広明の情報をもっと見る

同年代の漫画

月刊アフタヌーンの情報をもっと見る