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7.58点(レビュー数:101人)

作者幸村誠

巻数4巻 (完結)

連載誌モーニング:1999年~ / 講談社

更新時刻 2012-08-21 12:41:39

あらすじ 時代は2070年代(2075年以降)、人類は宇宙開発を進め、月面でのヘリウム3の採掘など、資源開発が商業規模で行われている。火星には実験居住施設もあり、木星・土星への有人探査計画も進んでいる。毎日、地上と宇宙とを結ぶ高々度旅客機は軌道上と宇宙とを往復し、宇宙ステーションや月面には多くの人たちは生活し、様々な仕事をしている。だがその一方では、地上の貧困・紛争問題は未解決のままで、宇宙開発の恩恵は、先進各国の独占状態にある。

主人公のハチマキは宇宙で働く会社員。主な仕事は宇宙のゴミ「デブリ」の回収作業。ゴミ拾いは大事な仕事だと自分を納得させつつ、当初の夢と現実の狭間でこのまま現実を受け入れるか、それとも夢を追い求めるか思い悩む。

備考 表題πλάνητεςは古代ギリシア語で「惑う人・物」、英語planet(惑星)の語源である。

2002年度星雲賞コミック部門を受賞。
2003年アニメ化。

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プラネテスのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全101 件

8点 あおはなさん

自己の敗北や挫折の原因を他人のせいにしたり、そもそも敗北を認めずに戦っているふりをしていた少し前までの自分には、この作品の面白さが、はっきりいって全然理解できず、単なるヒューマニズムと志向の二項対立にしか写っていなかった。

上記に述べたことがひとつの具体例でありますが、本作品は「敗北を知らない人」「これから知る年齢の人」「敗北の原因を省みない人」「敗北したことすら認めず戦っているふりをしている人」には理解が難しい(というか全く分からないかわかっていないふりをするかのいずれか)作品であると思います。

年齢で区切るのはおかしいけれど、20歳代前半までの人は経験すらしない事柄が含まれているという点でオススメではありません。

逃げないことも重要だけど、弱さを認めて逃げてきた人生を精算することも勇気だということ。そしてそれもまた選択肢の一つに過ぎないということ。
本作品から読み取れることは事のほか多いことに最近気がつかされる。

連載が成功している漫画家がなぜこの観点に気がつき得たのかが非常に興味深い。

おそらくそれは、いまでこそ成功しているが、幸村先生の週刊誌時代の苦悩と挫折が関係しているのかもしれないが、我々はそれを知ることができない。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-02-19 14:54:11] [修正:2011-02-19 14:54:11] [このレビューのURL]

10点 かずーさん

 
この漫画は凄いですね。

深く考えずさらっと読んでも、純粋なSF漫画として楽しめるし、
じっくり腰を据えて読めば、奥深いヒューマンドラマをみている
ような感動がある。

何度も何度も楽しめる秀作だと思います。

是非とも続編が見たい。
ハチマキがおっさんになって、子供が宇宙を目指しているという設定。
目標は土星?海王星?、技術飛躍前提で太陽系外なんかいいかも。

この作者なら、技術発展の過程や宇宙へ目指す背景・世界観なんかも、
見事に創り上げてくれそう。ハチマキの、自身の経験に基づく成長ぶり、
タナベの普遍の愛情表現など、ヒューマンドラマとしても面白い展開を
魅せてくれそう。

素晴らしい作家だと感じます。
 

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-02-03 11:04:09] [修正:2010-02-03 11:04:25] [このレビューのURL]

7点 電光石火さん

 壮大。の一言。
凄まじい事件や悲劇が起こるわけではない、宇宙人と遭遇して戦争になるわけではない。言うなれば人類が木星にたどり着いた、というだけのこと。

 それなのに何故こんなにも余韻に浸れるのか。

 俺はまだこの物語に含まれたすべてのメッセージ性について理解し切れてはいない。まだまだ沢山の命題が詰まっているのかもしれないし、はたまた何一つ意味はないのかもしれない。
 
 それぞれの読者がそれぞれ何かを読み取ることができれば、この漫画を読む価値があると思う。

 俺にはまだよく分からない。何年後かに読み返したとき、違ったよさに気づかされるのかもしれない。読後にすぐ書いているが、全体を評価して7点。しかし限りなく8点に近いし、もしかしたら9点かもしれない。悩む。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-04-19 15:46:33] [修正:2008-04-19 15:46:33] [このレビューのURL]

8点 Dr.Strangeloveさん

正統派SFの傑作。一話一話の完成度は見事だし、作者が伝えたいことを
しっかりと劇中でキャラにメッセージとして言わせており(ラストのハチマキの言葉)
他の方が仰るとおりとてもデビュー作とは思えない。

ただ、そのメッセージが青い。多分これは作者も自覚していたのではないか。
そのすぐ後にロックスミスが「気安く愛を口にするな」と呟く。
これが作者の照れ隠し以外の何だというのか。

「SFの新しいスタンダード」という売り文句に偽りなし。面白いといえる作品だった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-03-31 20:20:09] [修正:2008-03-31 20:20:09] [このレビューのURL]

8点 たにやんさん

完成度高いです。
きちんとハチマキを動かし、すっきり終わらせてくれました。

「SF」で語る「愛」の本。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-01-25 18:09:34] [修正:2008-01-25 18:09:34] [このレビューのURL]

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