プラネテスのレビュー
8点 あおはなさん
自己の敗北や挫折の原因を他人のせいにしたり、そもそも敗北を認めずに戦っているふりをしていた少し前までの自分には、この作品の面白さが、はっきりいって全然理解できず、単なるヒューマニズムと志向の二項対立にしか写っていなかった。
上記に述べたことがひとつの具体例でありますが、本作品は「敗北を知らない人」「これから知る年齢の人」「敗北の原因を省みない人」「敗北したことすら認めず戦っているふりをしている人」には理解が難しい(というか全く分からないかわかっていないふりをするかのいずれか)作品であると思います。
年齢で区切るのはおかしいけれど、20歳代前半までの人は経験すらしない事柄が含まれているという点でオススメではありません。
逃げないことも重要だけど、弱さを認めて逃げてきた人生を精算することも勇気だということ。そしてそれもまた選択肢の一つに過ぎないということ。
本作品から読み取れることは事のほか多いことに最近気がつかされる。
連載が成功している漫画家がなぜこの観点に気がつき得たのかが非常に興味深い。
おそらくそれは、いまでこそ成功しているが、幸村先生の週刊誌時代の苦悩と挫折が関係しているのかもしれないが、我々はそれを知ることができない。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2011-02-19 14:54:11] [修正:2011-02-19 14:54:11] [このレビューのURL]
10点 かずーさん
この漫画は凄いですね。
深く考えずさらっと読んでも、純粋なSF漫画として楽しめるし、
じっくり腰を据えて読めば、奥深いヒューマンドラマをみている
ような感動がある。
何度も何度も楽しめる秀作だと思います。
是非とも続編が見たい。
ハチマキがおっさんになって、子供が宇宙を目指しているという設定。
目標は土星?海王星?、技術飛躍前提で太陽系外なんかいいかも。
この作者なら、技術発展の過程や宇宙へ目指す背景・世界観なんかも、
見事に創り上げてくれそう。ハチマキの、自身の経験に基づく成長ぶり、
タナベの普遍の愛情表現など、ヒューマンドラマとしても面白い展開を
魅せてくれそう。
素晴らしい作家だと感じます。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-02-03 11:04:09] [修正:2010-02-03 11:04:25] [このレビューのURL]
7点 電光石火さん
壮大。の一言。
凄まじい事件や悲劇が起こるわけではない、宇宙人と遭遇して戦争になるわけではない。言うなれば人類が木星にたどり着いた、というだけのこと。
それなのに何故こんなにも余韻に浸れるのか。
俺はまだこの物語に含まれたすべてのメッセージ性について理解し切れてはいない。まだまだ沢山の命題が詰まっているのかもしれないし、はたまた何一つ意味はないのかもしれない。
それぞれの読者がそれぞれ何かを読み取ることができれば、この漫画を読む価値があると思う。
俺にはまだよく分からない。何年後かに読み返したとき、違ったよさに気づかされるのかもしれない。読後にすぐ書いているが、全体を評価して7点。しかし限りなく8点に近いし、もしかしたら9点かもしれない。悩む。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2008-04-19 15:46:33] [修正:2008-04-19 15:46:33] [このレビューのURL]
8点 Dr.Strangeloveさん
正統派SFの傑作。一話一話の完成度は見事だし、作者が伝えたいことを
しっかりと劇中でキャラにメッセージとして言わせており(ラストのハチマキの言葉)
他の方が仰るとおりとてもデビュー作とは思えない。
ただ、そのメッセージが青い。多分これは作者も自覚していたのではないか。
そのすぐ後にロックスミスが「気安く愛を口にするな」と呟く。
これが作者の照れ隠し以外の何だというのか。
「SFの新しいスタンダード」という売り文句に偽りなし。面白いといえる作品だった。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2008-03-31 20:20:09] [修正:2008-03-31 20:20:09] [このレビューのURL]
8点 たにやんさん
完成度高いです。
きちんとハチマキを動かし、すっきり終わらせてくれました。
「SF」で語る「愛」の本。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2008-01-25 18:09:34] [修正:2008-01-25 18:09:34] [このレビューのURL]
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