あらすじ
時代は2070年代(2075年以降)、人類は宇宙開発を進め、月面でのヘリウム3の採掘など、資源開発が商業規模で行われている。火星には実験居住施設もあり、木星・土星への有人探査計画も進んでいる。毎日、地上と宇宙とを結ぶ高々度旅客機は軌道上と宇宙とを往復し、宇宙ステーションや月面には多くの人たちは生活し、様々な仕事をしている。だがその一方では、地上の貧困・紛争問題は未解決のままで、宇宙開発の恩恵は、先進各国の独占状態にある。
主人公のハチマキは宇宙で働く会社員。主な仕事は宇宙のゴミ「デブリ」の回収作業。ゴミ拾いは大事な仕事だと自分を納得させつつ、当初の夢と現実の狭間でこのまま現実を受け入れるか、それとも夢を追い求めるか思い悩む。
備考
表題πλάνητεςは古代ギリシア語で「惑う人・物」、英語planet(惑星)の語源である。
2002年度星雲賞コミック部門を受賞。
2003年アニメ化。
プラネテスのレビュー
10点 dieseraieさん
この作者は漫画家には珍しいタイプだと思うのですが、文章力があるというか、魅せる文章を書くことのできる人だと思います。
他の漫画家で言うなら、岩明均と似た印象を受けました。
福本伸行も魅せる文章という意味では近いかもしれません。
ただ、画力は上記二人に較べるべくもありませんが。
流れ星に願い事をする理由など、シンプルながらも納得でき、かつ泣ける台詞が、これに限らず物語のいたる所で堪能できました。
八郎太が苦悩し成長しながらも、それを咀嚼し構築していく哲学を最後に言葉で表現するシーンは、それまでの物語の流れの中で得られるべくして得られた結論でした。
それが4巻という短さの中でも潔くすっきりした読了感を与えていると思います。
己を考えるきっかけと成り得る漫画です。是非オススメ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-09-29 02:44:50] [修正:2007-09-29 02:44:50] [このレビューのURL]
10点 パンダマンさん
広大な宇宙と向き合うために、それぞれの姿勢で立ち向かう姿が描かれているSFマンガ
読者の目を広大な宇宙に向けさせて、自分と対話させようとする話の数々はかなり練り込まれていた
舞台は未来の宇宙でも、内容はチャリンコで坂を全力疾走で転げ落ちてるような漫画だった
作者の幸村誠は反骨精神剥き出しな、ロックンローラーのようなやつだ
漫画で全人類を幸せにしてやるっことを大真面目に考えてる大馬鹿野郎だ
でも、そういう大馬鹿野郎は大好きだ
どっちかっていうと、オレよりも年上の中年達のほうが、この10代の頃の熱病みたいなのに感化されるような漫画だと思う
一般向けそうで、この漫画は年上向けなのかも
人は苦痛を知らねば、幸福を知ることもできないとなんかで読んだ
どん底中のどん底を知らないで生きていこうとするほど、幸福は遠ざかる矛盾のなかに人間はある
でも、どうなんだ
どん底知らないと伝わらないのか
まぁ、愛があふれて愛マヒ中毒になってる日本で、今更愛なんて叫ぶなよっていう気もするが、漫画界で大真面目に叫んでるヤツがいても許される位の世の中ではあって欲しいね、ほんと
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-28 03:33:51] [修正:2006-11-28 03:33:51] [このレビューのURL]
8点 タコのすけさん
後半の展開には賛否両論のようですね。
私的には「これはこれであり」です。
哲学的な展開になったときは少し心配でしたが、綺麗に終わらせてくれたマンガだと思います。
精神論的なシーンも多く、少々分かりづらいのも認めます。
ですが、間をおいてもう一度読み直してみましょう。
きっと共感できると思いますよ。
難しそうなことを書いてるんですが、結局このマンガが言いたいことというのは「みんな仲良くするのが一番だ」といいうことなのですから。
これは普遍のテーマでしょう。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-04-20 13:44:44] [修正:2006-04-20 13:44:44] [このレビューのURL]
8点 ITSUKIさん
将来ひょっとしたらホントにこういう未来になるんじゃないかと思うくらい世界観がリアル。
そんな時代を舞台に描かれるのは「愛」と「宇宙」。
確か、以前にも「読解力がなくてよくわからなかった」って書いたんですが(確かナウシカ・・)、この漫画でもはじめはいくつかあったりしました・・(ネコの話とか)
とにかく台詞やコマの裏に隠されている事を読み取って理解していくとこの漫画が素晴らしいことが分かってきます。
倫理、哲学好きの友達はボロボロになるまで読んで、学校で布教してました。
そういえば、3巻で出てくる「しりとり」は何か元ネタがあるんでしょうか?
お笑いコンビの「スピードワゴン」がこのネタ丸パクリしていたなぁと思って。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-02-21 03:56:25] [修正:2006-02-21 03:56:25] [このレビューのURL]
7点 shutaroさん
ハラハラドキドキする展開や突飛な設定、奇抜なアイデアなどが
あるわけではないが、淡々と進むストーリーの中に人物の葛藤が
優しくそして力強く描かれており、上質で温かさ溢れる大人な漫画。
派手さばかりを追い求めずに描ききった姿勢には好感が持てるし、ある意味
ベタで哲学的な展開になるものの、これがデビュー作だというのは
正直言って驚きです。今後にも期待出来そうですし。
団背広さんの言うとおり、おまけの4コマはスベってますが、
少し肌寒くなる秋口にぜひ読んで欲しい作品です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-10-20 20:10:03] [修正:2005-10-20 20:10:03] [このレビューのURL]
PR