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7.81点(レビュー数:32人)

作者尾瀬あきら

巻数12巻 (完結)

連載誌モーニング:1988年~ / 講談社

更新時刻 2011-08-27 01:12:06

あらすじ 東京でコピーライターの仕事をしている佐伯夏子の実家は佐伯酒造という造り酒屋。
コピーライターの仕事が波に乗った矢先、兄が急死。亡き兄の意志を継ぎ、実家に戻った夏子は伝説の米「龍錦」で最高の酒を造ろうとする。

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夏子の酒のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全32 件

9点 トトさん

お酒とは?日本酒とは?
マンガという媒体でそれを描ききった傑作。

お酒造りに関わる蔵人達、杜氏達のお酒に欠ける情熱がすごく伝わってくる。

そして夏子の情熱全てが注がれた幻の酒完成のシーン。
涙なしに読めるでしょうか。


ちなみに元になった久須美酒造。
「清泉」、「夏子物語」、幻の米で造られた「亀の翁」etc・・・
本当に素晴らしいお酒を造っているので、読んで興味がわいた方、ぜひお試しください。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-01-13 02:43:14] [修正:2010-07-23 12:51:19] [このレビューのURL]

8点 ガクちゃんさん

酒が好きである。しかしその世界の奥深さには無知な酒のみである。
本作を読んでますます酒が好きになったが、安酒でなく吟醸を味わってみたいと思うようになった。
吟醸とは何々とかうんちくを語るだけでは興味は惹かれない。
酒造りに賭けた人々の思い、有機農業に賭けた人々の思いなど、魅力的な導入があってこそだ。

作者はよくもまあ、このような地味な素材で長編を書きあげたと驚く。
人によってはこの内容であれば、漫画でなくてもいいのではという意見が必ずあると思う。
夏子にとって超えるべき酒を造るライバルなど普通の青年である。ある意味この辺、妙にリアルである。
漫画だからといって強烈なキャラがライバルである必要はない。
蔵元を描いているだけあって、礼儀がとても大切なものとして扱われている。夏子の義姉が里帰りする際、酒販店が月の露を飲んで、杜氏のじっちゃんを迎えにきたおばあちゃんが社長に対して、みながみな、深々と頭を下げる。
こういった小津安二郎的な味付けが、作品の世界観を表現すると同時に、背骨を強固にしている。。

音楽マンガの音楽、料理マンガの料理にあたるのが、本作では酒である。
絵では伝えにくい魅力に作者と読み手のイマジネーションが、色を付け、味を深くし、香りを立ち上らせる。
人の思いの強さが人間の弱さを超えていく。素直に感動できる。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-02-08 21:36:03] [修正:2009-02-08 21:36:03] [このレビューのURL]

10点 鋼鉄くらげさん

普段、私が読んでいる漫画が「ジュース」や「スポーツ飲料」の様なものだとしたら、この作品は正に「酒」。甘みは無いが、渋みと旨みを感じさせてくれる作品です。

優れている。というだけの言葉で表現していいのか。安易に品評するのもおこがましい様な、実に味わい深く、崇高な作品です。

作品に対して明確なテーマ設定を行ない、それに基づいて入念な下調べや調査、事前準備を行なっていく。また、製作中も1ページ、1ページ。1コマ、1コマ。細部に渡るまで入念な書き込みを行ない、手間や労力を惜しまない。

その姿はまるで、たった一言の「美味い」を聞くために、長い期間を掛けて酒造りを行なっている職人達の姿そのもののようです。そんなストイックで朴訥な姿を見せられると、本来の「漫画家」の仕事とはこういうものを指すのだと、改めて実感させられる作品です。

一方、恐ろしいのは、この作品が世に出されたのが、実に二十年以上も前の事であること。つまり、この時から既に、農業の問題点が、作品中で指摘されているように、問題視されていた、という事。今現在、日本の酒造業がどのような酒造りを行なっているのか。そして、今現在、市場に出回っている酒類はどのような醸造工程を経て作られた物なのか。また、日本の農業は、どのような土を使って作物を育てているのか、とても心配でなりません。

この作品を通して、米作りや酒造りの大変さや苦労を改めて見てみると、万物には霊魂が宿るといった、アニミズムの信仰も決して原始的な発想から生まれたものではないように感じます。それは言うなれば、命を育てるという事がいかに苦労の果てに生まれるものであるか。そしてその苦労は決して軽んじられるものではなく、また無下にされるものでもない。それはつまり、生命への感謝であるという事。この作品を通して、私はそのように感じました。

最後に、漫画に限らず芸術というのは、結局、価値観や感性の共鳴だと思っているので、ある一つの作品が万人に受け入れられるとは決して思っていないのですが、それでも、この作品はぜひ多くの人に読んでもらいたいと思える作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-06-16 20:34:48] [修正:2009-06-16 20:34:48] [このレビューのURL]

8点 ブランカ傘さん

絵3点
ストーリー5点
良い漫画だよね。ストーリーにも一本筋が通っていて飽きない。日本酒のウンチクもよく取材されているのが伝わってきて興味深く、それに引っ張られて作品自体が非常に上品に仕上がっている。職業漫画とはこうあるべき。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-01-01 11:39:45] [修正:2009-01-01 11:39:45] [このレビューのURL]

0点 ghyuhghyuさん

[ネタバレあり]

If you've read anything by Taiyo Matsumoto before then you know to expect nothing less than absolutely superb art that gives off a level of energy like no other. Matsumoto's art is very unique - his lines are often wobbly, the scale of things can sometimes be unclear and his shading is minimal while his inking is high. You won't find many sketchy effects usually associated with manga in Taiyo Matsumoto's works either, but what he does offer is something totally fresh and just as interesting - that being outstanding line art. A huge amount of detail is put into every single panel and during the ping pong matches the energy behind his art perfectly catches the nature and pace of the game.

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-04-21 12:26:12] [修正:2022-04-21 12:26:12] [このレビューのURL]

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