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4.66点(レビュー数:18人)

作者松井優征

巻数21巻 (完結)

連載誌週刊少年ジャンプ:2012年~ / 集英社

更新時刻 2012-08-03 22:05:24

あらすじ 号令と共に教室を満たす銃声! 椚ヶ丘中学校3年E組は生徒全員が先生の命を狙う暗殺教室。教師と生徒、標的と暗殺者の異常な日常が始まる――!!

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暗殺教室のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全18 件

4点 そうすけさん

連載追っかけ中。
10巻を超えてもエンジンがかからない。一人ひとり生徒を掘り下げるせいで、焦点が分散してしまっている印象。
シロ、理事長、死神(仮)といった敵役にも魅力が無く「面白さ」というより「巧さ」が目立つ。
決してつまらないわけではないのだが、作者がきっちりまとめると公言していて、何よりネウロが本当に面白かっただけに、
ものすごい肩透かしをくった気分である。

2015.03 追記
キャラクターブック「名簿の時間」を勢いで購入してかなり後悔しそうになったが、
巻末のJOJO’sキッチンおよびウーパールーパー食のルポ漫画が思いのほか面白かった。本編と特に関係はないが。

2016.04 完結に伴い追記
ジャンプで本編最終回まで読み終わったので追記。
正直、この漫画は2話でいきなり半モブの生徒回をやったあたりでいやな予感はしていたが、やはり自分には合わなかった。
ジャンプで過不足なく完結したストーリー漫画というだけで価値はあるのかもしれないが、ひたすらイベントを消化していく作業を見ている感覚だった。
なにより掘り下げたクラスメートを誰一人好きになれなかったのがきつい。

次回作に期待。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2015-02-12 01:00:16] [修正:2016-04-06 20:33:37] [このレビューのURL]

7点 景清さん

 今年2012年に連載の始まった作品としては最大級の話題作であり、先日11月に発売された単行本第1巻はマッハ20の速度で160万部売れたという。作者はジャンプ史に残る異様な傑作『魔人探偵脳噛ネウロ』で多くの読者に忘れがたい印象を残した松井優征。前作『ネウロ』が万人受けはしなかったことを考えると今作『暗殺教室』の大ヒットはファンとして素直に喜ばしくもあるが意外でもあった。今回はこの『暗殺教室』の魅力に迫ってみたいと思う。

 何の前触れもなしに夜空に浮かぶ月が七割がた蒸発し三日月型になってしまうという異常事態と前後し、名門中学校の落ちこぼれ学級に突如現れたタコのような外観の奇妙な触手超生物。

「はじめまして。私が月を爆(や)った犯人です。来年には地球も爆る予定です。君達の担任になったのでどうぞよろしく。」

 ツカミは完璧、第1話早々読者の度肝を抜いた超展開である。こうして1年後に地球を滅ぼすと予告する超生物教師“殺(ころ)せんせー”(殺せない先生)と地球のため己の命のためそして政府からの成功報酬100億円のために先生暗殺の使命を与えられた落ちこぼれ学級3年E組の生徒たちとの奇妙な学園生活を描くというのがおおまかなストーリーの骨子だ。

 ジャンプ作品としても一般的な少年漫画の典型からも大きく逸脱した世界観だが、こういう「年端もいかぬ少年少女に世界の運命を背負わせて戦わせる」「学園などの限定空間を舞台に銃刀などで武装した若者がゲーム感覚で殺しあう」というモチーフはゼロ年代前後から現在を見渡し多くのマンガやアニメ、小説等で描かれてきた、今となっては割とありふれたものでもあった。(実際、殺せんせーのあのニヤニヤと世界のすべてを舐めくさったような不敵な笑顔を見ると『ぼくらの』のコエムシや『魔法少女まどか・マギカ』のQBなどを連想した読者も多かったことだろう。)
 『暗殺教室』が面白いのは、地球の破滅を担保とした1年限りの暗殺学生生活という物騒極まる設定にも関わらず、物語の雰囲気がとてもコミカルで万人が楽しめる学園コメディになっている点だろう。従来の教師マンガの教師は『GTO』の鬼塚のような不良であったり、『鈴木先生』のようにマジメだがどこか頭のネジが吹っ飛んでいたりと癖の強い教師が多かったが、それら変人教師の中でも群を抜いた奇怪さを誇る我らが殺せんせーは、困ったことにとてつもなく優秀な良い教師だった。授業内容は生徒個々の学力に合わせた的確さでユーモアのセンスもあり、そして何より生徒達から自身に向けられる殺意すら正面から受け止める度量の広さを併せ持つのだから。生徒たちも生徒たちで、落ちこぼれの烙印を押された少年少女たちが先生暗殺(成功報酬100億円)という目標に向かい、仲間たち(及び暗殺対象である殺せんせー)と切磋琢磨し合いながら実に活き活きと学業と暗殺を両立させていく様が無駄にハートウォーミングに描かれ、読者に混乱と感動のないまぜになった実に独特な読後感を与えている。このギャップはおそらく作者が狙ったものだろう。

 『ネウロ』でならした作者の持ち味である時事ネタを織り交ぜたブラックユーモアな小ネタも健在で、地球を破壊する優秀教師vs地球を守る落ちこぼれ学生というある意味究極のブラックジョークな物語設定とも合わせ他の漫画では代替の効かない味わいにあふれている。そこに前述の無駄なハートウォーミングさも加わってますます無二の魅力を高めているのだ。前作からの画力の向上、更に磨きのかかったコマ割り・ページ構成を駆使した的確な演出もあり、細かいことを抜きにして単純に漫画としてレベルの高い面白さを現時点で毎回安定させており、作者の“進化”をファンとして嬉しく思う限りである。主役の殺せんせーもジャンプにおいては異端とも言えるとんでもない色物キャラだが、どこか藤子不二雄など往年の名作漫画に多く登場した人外キャラを彷彿とさせるのも良い。

 ところで、どうして本作はあえて「未成年が暗殺に挑む」などという物騒なテーマをあえて少年漫画で描こうとしているのだろうか。きっとそこには第1巻の巻頭の挨拶にもあるように、「命の価値」に対する作者なりの問いかけがあるからだと思われる。

 中学高校でいじめ事件が起こる。被害者の生徒は自殺する。加害者は家裁に送られ公から姿を消す。教育委員会は口をつぐむ。校長は緊急の全校集会で「命の大切さ」とやらを説く。見飽きた光景である。世の良識は「人の命は地球より重い」と言うが、それならば一体毎日何個の地球がこの世から消滅しているのかというのか。
 実際の所、人命など紙のように軽い。命は代替が効く。しかしそれでも個々の人生それぞれは如何に凡庸であろうと代替の効くものではない。ましてや、それら個々の営みすべてを内包した地球そのものの運命など…。

 命の軽さと命の重さ、こうした命の価値を教えるため、(批判も多いが)豚などを飼育して1年後に生徒で屠殺して食べさせるなどの「命の授業」の試みもあると聞くが、殺せんせーと生徒たちが繰り広げる地球の命運をかけたこの『暗殺教室』は、体を張った究極の「命の授業」となる予感がする。暗殺とは本作においては理系文系から保健体育に美術まで全てを動員する総合学習の意味を持つのだ。
殺せんせーが何故先生を演じるのか、何故1年後に地球を破壊するのか、そもそも殺せんせーとは何者なのか、それらの謎は今後少しずつ明かされていくことになるのだろうが、その「命の授業」の成り行きを自分もまた一生徒として見守って行きたい気持ちで一杯だ。

 前作『ネウロ』が見事な物語構成で綺麗に完結したこともあり作者のストーリーテリングの手腕を疑うものではないが、今後に向けて不安な点も無いではない。
 一つに殺せんせーがあまりにいい教師過ぎる点である。生徒たちは早くも殺せんせーの魅力(実際すごくいいキャラだが)に感化されつつあり、このままでは「もう地球の運命なんかどうでもいいから先生と楽しく過ごすんだ」みたいな雰囲気になりかねない。今後も第1話や第13話で見せつけたように殺せんせーの不気味な怪物性を強調し「やっぱりこいつは殺さなければ」と生徒にも読者にも納得させるような描写は定期的に入れられねばならないだろう。
 また、皮肉な話だが本作が予想外に人気が出て看板マンガとなりつつあるため、前作のような中堅どころゆえ可能だった冒険がしにくくなる危険性も否定できない。そこはぜひジャンプ編集部の裁量を信じたいところだ。

 話題性も抜群なためこれから本作を楽しもうという皆さんには、ぜひ単行本だけでなくジャンプ本誌で読むこともおすすめしたい。

「日本よ これが触手だ!」

「一本飲ん毒?」

「おいでやす 京都ニュルルン滞在記」→「不良たちにぃ出会ったぁ」(下條アトム風に)

 こんな素敵なアオリ文句が楽しめるのは本誌だけ!!

ナイスレビュー: 2

[投稿:2012-12-30 22:04:39] [修正:2012-12-31 17:43:15] [このレビューのURL]

8点 鋼鉄くらげさん

この作品を語る上で重要な要素はやはり二つある。一つはこの作品が「作者の松井優征先生が現代を生きる中学生たちに宛てて書いた手紙」であること。そしてもう一つが、この作品が「現代の商業主義が抱える宿命を打ち破った作品」であること。これらを軸に今回この作品を評価してみたい。

まず一つ目。「作者の松井優征先生が現代を生きる中学生たちに宛てて書いた手紙」であるという点について。この作品は、一見暗殺というインパクトのあるエンターテインメント性で物語を紡いでいるが、その実は「松井優征流教育論」とも言うべき内容の一種の教育漫画である。

というのも、作品内の至るところで、作者自身が現代を生きる中学生たちへ伝えたいと思っているであろう言葉の端々が、殺せんせー自身の口を通して、あるいは作品内のテーマや教訓などからも間接的な形に変えて伝えようとしている部分が数多く見受けられるからだ。そしてその最たる例は、やはり原作第20巻170話14ページから始まる殺せんせーからのアドバイスと言えるだろう。

生きることが不合理な理由。社会が不合理である理由。それはやはり競合する他者がいるからに他ならないと私は考える。ゲームの世界で自分勝手に無双の世界を楽しむことができるのは競合する他者がいないからだ。もしいればたちまち世界は奪い合いになり、現実の世界と同様に、争いが絶えなく続いていく世界になっていくだろう。そんな、理不尽で不自由で不合理な現実社会の中で腐らず正しく生きていくためにはどうすればいいのか。そんな問いかけに対して、松井優征先生がほんの少し、今を生きる中学生たちへ投げかけた言葉の欠片。それが、この暗殺教室という作品だったのではないかと私は思う。

次に「商業主義の持つ宿命を打ち破った作品である」ということについて。まず「商業主義の持つ宿命」とは何なのか。それはつまり「人気が出た作品は終われない」ということである。その最も分かりやすい例は他誌ではあるが「体は子供。頭脳は大人の名探偵」だろう。この作品は、連載開始から早20年以上も掲載を続けているが、未だに終わる気配さえ見せていない。しかし、この作品が終わらない理由は明白である。終わられたら編集部が困るからだ。人気作品が終わることによる発行部数の減少と売上の減少。そしてそこから繋がる雑誌存続の危機。それを恐れているからこそ、編集部は発行部数確保の一翼を担っている人気作品を打ち切ることができないのだ。同じことはこの暗殺教室と同じ雑誌に掲載されている「ワンピース」などにも言えるだろう。編集部の道具、とまでは言わないが、経営存続のための一手段として作品全体の延命処置が施されている。それが、三大少年漫画雑誌に限らず数多くの長期連載作品に見られる問題点の一つなのではないかと私は考える。

その点を踏まえて今回の「暗殺教室」振り返ってみると、正に奇跡としか言いようのない幕引きだった。人気作品で、しかもジャンプの看板作品で、21巻で終わる。

延命はしない。これは殺せんせーと生徒たちの一年の物語なんだ。という松井先生の連載開始当初からの明確な意思表示。そしてその宣言通りの見事な幕引き。正に拍手喝采の出来栄えだった。

商業主義の持つ悪しき宿命を殺すことに成功した。

それだけでも、この「暗殺教室」という作品は、その功績や意義を後世に伝えられるべき作品となるだろう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-07-23 00:35:18] [修正:2016-07-23 00:59:09] [このレビューのURL]

1点 fooさん

あれっ、、、全然面白く無い。。。
だめだ、、もう読めない。

この目立つ表紙がとタイトルが気になって読んだんだけど
ギャグが多すぎて多すぎてウザイ

もっと本気で暗殺してほしい

殺センセーっていいヤツなんだろうね、子供たちもわりと普通だよね
新手の敵はお約束だね

緊張感なさすぎだよ、何でこんなに煽ってんの?

ある瞬間ブチギレて超シリアス覚醒するのかもしれないけど
どうせ生徒を守るんだろうなーって感じ

殺センセーのビジュアルXタイトルがインパクト強いので1点

のほほんからのブチギレなら、剣心の方が全然楽しい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-10-13 20:02:42] [修正:2013-10-13 20:28:44] [このレビューのURL]

5点 Scroogeさん

落ちこぼれクラスの生徒たちがタコ型宇宙人の担任を期限内に暗殺しなければ地球が滅亡。
かなり訳のわからない設定ではあるが、テーマは明快。

子供の成長のために教師は何をしてやるべきなのか?
生徒一人一人にきめ細かくケアしていくのが理想の教師だというのが、作中の答え。

テーマをまともに描いてしまうと、娯楽商品として通用しないので、
宇宙人、暗殺を絡めたのだろう。結果的にこのアイディアは正解。

湿っぽく説教くさいテーマを少年漫画らしく軽いドタバタ劇に落とし込んだ。
考えずに読める作品にしたことでかえってストレートにメッセージが伝わるようになった。

そのほかにも、さまざまに漫画としての工夫が施されており、
読者は何も考えずに読めるように作ってあるが、作者は相当頭を絞っているように思う。

あとは週間連載という過酷な状況で描ききれるかどうか。
続きに期待したい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-05-20 23:57:34] [修正:2013-05-20 23:57:34] [このレビューのURL]

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