「レト」さんのページ

総レビュー数: 45レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年04月26日

[ネタバレあり]

初めて読んだときはただただ衝撃的でしたね。SF作品でありながらホラー漫画家である作者の持ち味が存分に活かされ、人の生来の残酷さや理性を徐々に失い狂気に侵される過程、カルト集団の様相を呈する一グループの暴徒化などを圧倒的な凄惨さと迫力を持って描き切っています。荒廃した未来社会という終末感極まる舞台と人間の醜さという2重構造も効果的で正しく逃げ場の無い絶望感を演出していました。また、このような絶望的な未来を描きながらも登場人物である子供たちに将来への希望を託す終わり方は「14歳」に受け継がれていますね。ただ、終盤の展開には荒が目立っていたのは残念です。特に大友との和解は内ゲバの締めとしては強引もいいとこで大友のキャラの豹変ぶりにはガッカリしました。終わり方もプロットの壮大さの割にはこじんまりとしてしまった印象がありストーリー全体から見ても拍子抜けです。楳図先生の長編は尻すぼみな作品が多いですね。

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[投稿:2009-06-27 01:10:00] [修正:2009-06-27 01:10:00] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

掲載が長期に渡ったということで初期・中期・後期で絵柄が変化しています。「アニメの方がいい」との意見が出ていますが、私は全く逆です。私はアニメの保守的で時代錯誤な作風がどうしても好きになれないのですが、原作後期は作者自身が作品に愛想を尽かしていたためかむしろバンバン時事ネタを出していました。一般には中期の評価が一番高いようですが、個人的には作者の毒気が出ている後期が一番好きです。波平を手玉に取ったり、時には家族を冷めた態度で見るカツオのキャラがいいです。アニメではサザエに意地悪をされたり責任がないはずの問題でも「お約束」として叱られたりと冷遇されていますが、原作では叱られることも少なく波平を強請ったこともありますしね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-06-21 18:40:11] [修正:2009-06-21 18:40:11] [このレビューのURL]