「レト」さんのページ

総レビュー数: 45レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年04月26日

図らずも原作のガス抜き役を果たした作品。
原作既読かどうかで評価がガラッと変わる内容で
ストレスフリーに読める反面、ラブコメやバトルとしては傑出した点はなく本作独自の面白みは薄い。

ただ、原作がひたすらに胸糞だったせいもあって原作で無責任だったり無神経すぎたキャラがマイルド改変されただけでも読者としては救われた印象がある。

皮肉にも原作がアレすぎた恩恵を一番受けた作品。
原作を読んで後悔した人やこれから原作を読もうという人には是非オススメしたいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-11-10 18:26:24] [修正:2018-11-10 18:32:05] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

発想の奇抜さやめくるめく謎の展開は楳図かずおにも匹敵するものがある。世界観のダークさは「ベルセルク」にも似るが、雰囲気は真逆でコミカルかつ人間臭い作風。キャラクターの造形の親しみやすさのおかげでファンタジーでバイオレンスな世界観もわりかしすんなりと受け入れられる。十字目一派の台頭から俄然話が勢いづき先の展開が非常に気になる。ただ、魔法使いとホールの住人の間に揺れる差別感情はやはり見ていて心苦しい。登場人物が親しみやすいだけに人が蔑み憎み合うのがどれだけ愚かで醜い事かしみじみと考えさせられてしまう。仮に今後の展開で煙ファミリーが再興し、悪役扱いされた十字目が壊滅という終わり方になったら評価を下げてしまうかもしれない。そういった意味でも今後の展開に期待したい。

追記:23巻にて完結。雑誌移籍を繰り返してからは擁護しようもないほどにグダグダでした。せっかくのカイマンの正体に迫る展開も引き延ばしのせいでもはや何のインパクトもなく、キャラ同士がストーリーの都合で理不尽に殺し合う始末・・・ そして、散々引っ張った割にあっけなさすぎる結末。 既に次回作も決まっているので作者自身情熱を失っていたのでしょう。 結末はハッピーエンドではありますが、15巻あたりでこうなっていても問題のない必然性の薄い内容でこれでは壊を出してシリアス色を強めたのは全くの無意味だったと思います。
煙が死ぬまではお気に入りの漫画だっただけに、相次ぐ引き延ばしのせいで読者にも作者にも倦怠感の漂う状況で完結を迎えてしまったのは残念としか言いようがありません。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-06-08 12:51:50] [修正:2018-09-13 20:17:12] [このレビューのURL]

ひたすら読者の神経を逆なでし続けた漫画。
主人公は無責任なクズでメインヒロインは気遣いの出来ない暴力ヒロイン。
その煽りを食らって健気で努力家のサブヒロインは最後まで作者にイジメ抜かれるというカースト制度。
他のヒロインも多数登場しますが、終わってみれば本当に賑やかしでしかありません。
ジャンプのラブコメの中ではヒット作にあたりますが、この作者は本当に連載に向いてないと思います。
茶番を長々と見せつけられる苦痛ときたら・・・

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-06-10 08:39:55] [修正:2018-06-10 08:39:55] [このレビューのURL]

作風自体は紛れもなく変わらぬジョジョなんですが、過去作に比べて大きく勢いが落ちた印象は否めません。

ラスボスもストーリーの着地点も不明なまま進むため読者を引きつける推進力に欠け、一つ一つのエピソードもぶつ切り感が強く全体的にダラダラしてしまっています。なにより過去作に比べて演出の力強さが失われているのも没入感を削ぎ、ダラダラしたエピソードの羅列という印象を助長しています。
康穂の過去が明かされ徐々にキャラクターの繋がりは見えてきましたが、それも18巻になってからなので終わるまでに更に17巻はかかりそうですね・・・

長期連載ゆえのグダグダ感は6部の時点で既に見られましたが、本シリーズではそれが更に酷くなっている感じで今一つ楽しめません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-03-17 22:55:28] [修正:2018-03-17 22:56:41] [このレビューのURL]

「希望を失った男は恐れを知らぬ男なのだと」

アメコミ界を代表するライター、フランク・ミラーが不朽の名作を立て続けに世に送り出した奇跡の1年にバットマンと同時進行で制作したデアデビルシリーズの1エピソード。

内容はというと、宿敵によってどん底にまで落とされた主人公が周囲の協力を得て再び立ち上がるという胸熱なストーリーを一級の犯罪小説ばりのリアリティを持たせて描いている(そもそも作者が犯罪小説好き)。
映画で人気のあのチームも最後に登場。
荒唐無稽なストーリーが売りのヒーローコミックにおいてリアリティの要素を持ち込んだのは作品を地味にする難点もあっただろう。
しかし、本シリーズにおいてはリアリティこそが作品の魅力となり、本作においても2つの点で大きな意味を持っている。
1つは正体がバレるというヒーローものにおける定番の展開を主人公が最大の危機を迎えるきっかけとして機能させたこと、
そして闇社会のボスというありきたりな設定の悪役を主人公を極限まで追い詰めるだけの権力を持つ悪役としてその強大さに説得力を持たせた点だ。
コスチュームを着れば無敵の主人公も表の顔は弁護士とはいえ、単なる一般人に過ぎない。
そんな彼から組織は周到な計画の元、地位も名誉も財産も根こそぎ奪い去ってしまう。
ヒーローとしてのアイデンティティから切り離された一個人は組織に対してあまりにも無力であった。
そんな主人公を救うのが仲間であり、組織よりさらに強大な「市民」である。
本作が人気を博す要素の一つが彼ら「凡人」の果たす役割の大きさだろう。
本作は決して超人的なキャラクターばかりが活躍する「神々の闘争」の類の物語ではない。
家族が脅威に晒されてなおジャーナリストとしての使命を全うするベン・ユーリック、作品が作品なら「クズ」の一言で切り捨てられそうな落ちぶれたヒロインのカレン。
いずれも傷つきながらも懸命に主人公の支えとなる。
そして最後の最後に悪役を追い詰めるのは「世界最強の援軍」である市民。
力のある者だけが世界を動かすのではない。彼らの陰に隠れた非力な者たちにも重大な存在意義がある。
そんな力強いテーマが伝わってくる人間賛歌の傑作だ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-03-03 21:15:44] [修正:2015-03-03 21:16:50] [このレビューのURL]

メイド喫茶という馴染みの薄い別世界で繰り広げられる客との掛け合いは新鮮で序盤の職場に馴染んでいくまではそれなりに面白いです。
蜂矢と愛理のエピソードは切なく一番印象に残りました。
ただ、肝心の主人公の千代子が精神的に未熟すぎて最後まで共感出来ませんでした。そのため、メインエピソードともいえる鳥取との恋愛も応援する気になれず白けてしまったのが痛いです(そもそも、異性として意識してもらえないから専属メイドになるという発想が気持ち悪い)。灰音の兄から鳥取を庇うシーンも本来ならグッとくる展開のはずなのに、千代子の主張が幼稚すぎて逆に兄のほうが正しいと思ってしまいました。せっかく、鳥取は弱者としてそれなりにリアリティの感じられる造形になっていたのにこれはもったいなかったです。
加えて灰音と兄もバックグラウンドの描写が多い割に何がしたいのか最後まで掴めませんでした。あるみの結末もハッキリ言って消化不良です。千代子のエピソードばかりに注力しすぎて他が若干おざなりになっていた印象です。
また、上記の専属メイドといい緊縛ネタといい、エロゲーまがいのシーンを強引にねじ込んでいたのも違和感を強くしていました。
一見、丁寧な作りながら素直に楽しめない要素が多すぎて残念な作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-11 21:10:25] [修正:2011-11-11 21:12:47] [このレビューのURL]

この漫画に出合わなかったらジャンプを読むことも無かったと思う。天才によって描かれる天才達のシビアな世界を十二分に堪能できる作品。読者の予想の斜め上を行く展開、圧倒的な緊迫感の演出、脇役に至るまで魅力的なキャラ描写などが大きな魅力だが、個人的には大げさな演出や露骨なミスリーディングを極力排した演出も重要なポイントとして挙げたい。新人作家だとついつい画面の接写によるミスリーディングを図ったり、ドラマ(最近では特に回想シーン)を延々引っ張ったりすることも多いが、本作の演出はムダが徹底的に省かれており非常にテンポがいい。また、G.I編やキメラアント編などの一貫しないエピソードから単に思いつくままにエピソードを羅列しているようにも見えるが、ゴンの成長物語としてみると実に上手い具合に成長に合わせてステップアップしている構成である。キメラアント編ではこれまで以上に心理描写が色濃く、ゴンの精神的成長にも大きな期待が持てる。
追記:連載再開前なのでここまでの感想。ゴンが「精神的に未熟」だったことでこのような展開を迎えるとは・・  こうしてみるとゴンの良くも悪くも純粋な性格は全てこのシーン(そして後の受難)のための伏線だったように思えてくる。連載開始時こそ王道の少年漫画だったが、この作品はあえて王道路線を取ることでその枠組みを大胆に打ちこわしている(しかも実験に終わらずドラマチックに)。さらなる変化を遂げた作品世界でのこれからの展開に期待。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2008-05-08 18:13:15] [修正:2011-07-18 10:31:31] [このレビューのURL]

第1部ののほほんとした平坦な作風で描かれる微笑ましく時に現実的なストーリーがいいです。ただ、第2部は・・・正直微妙かな。学園生活の雰囲気が作風に合っていない感じがします。最後に明かされる事実も正直蛇足としか思えませんでした。第1部8点、第2部6点でこの点数です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-11 02:32:08] [修正:2011-04-11 23:14:59] [このレビューのURL]

恵まれた境遇の高飛車で計算高い主人公と田舎育ちで夢に真っ直ぐなライバルという逆転の構図が面白い。ただ、恋愛描写が稚拙で評価を著しく下げてしまう。主人公二人のキャラもわかり易く成長を遂げていってはいるものの、デフォルトでの好感度の悪さを覆すには至らず。あと、漫画業界のリアルさに引き換え、声優業界の悪い意味でのステレオタイプな描き方はどうにかならないものか。
追記:タント以降の展開はもはや見るに耐えない。デスノートにも言えることだが、作者は引き出しが少ないようで引き伸ばし展開になると途端にボロが出始める。特に七峰編は作者のネットに対する悪感情が透けて見えるエピソードでご都合展開がとにかく目立つ。作者が手前勝手な主張のために作品を利用するようになってはもはや救いようがない。名作「G戦場ヘヴンズドア」と比べようとしていた人は当時の自分を恥ずかしく思うのではないだろうか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-01-05 19:55:49] [修正:2011-03-16 21:25:25] [このレビューのURL]

これまで読んだ短編集の中でも本作は上位に入ります。F先生の鋭い先見性と観察眼、アイロニーが盛り込まれほのぼのとしたタッチも作品のテーマをシンプルに浮き彫りにしています。当時から鋭い切り口を持ったSF作品は手塚治虫を始め数多く存在しますが、わかり易さと時代を越えた普遍性では随一だと思います。特に倫理観を扱った作品が好きです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-11-09 12:58:46] [修正:2011-03-03 01:16:16] [このレビューのURL]

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