「レト」さんのページ

総レビュー数: 45レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年04月26日

正直、ギャグ漫画として以上の需要はありません。スポーツ漫画としては登場人物が天才揃いなので「特訓」の描写に具体性がなく、また早くも設定がインフレし始めています。個性的なキャラクター、予想も付かない展開など岡本倫の持ち味は存分に発揮されており、ギャグは笑えるのですが・・ 最大の問題はオチをまとめるのが下手すぎるところです。「予想もつかない展開」とは書きましたが、それはおそらく作者にとってもであり展開自体は完全に行き当たりばったりな印象があります。おまけに収拾がつかなくなると毎回のようにご都合主義に走ってしまうのです。おかげで後の展開にも全く期待できません。最初は結構期待したんですけどね。
追記:投げやりな終わり方をしたので問答無用で減点。打ち切りに対する抗議のつもりかもしれませんが、読者まで巻き込むやり方は許せません。読者に対する裏切りとも言える行為は作者の信頼を大きく貶めました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-05-30 19:00:55] [修正:2010-12-16 18:46:23] [このレビューのURL]

5点 HAPPY!

全体を通してあまりにも不快な「タメ」を作りすぎたために肝心の「カタルシス」が目立たず綺麗に爽快感を残せなかった構成の失敗例とも言える作品。
また、テニスの描写も表層的な上に試合の演出がどれもワンパターンで、作者のテニスへの知識や思い入れの乏しさが伝わってきてしまうのはスポーツ漫画としてはかなり物足りない。
綺麗にオチないという意味では浦沢直樹の作家性がよく現れている凡作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-22 19:57:01] [修正:2010-11-22 19:57:01] [このレビューのURL]

ギャグはそれなりに面白いがシリアスパートは平凡でよくある娯楽漫画といったところ。
悪役の動機自体はシビアなものである一方、死者が一人も出ないなど全般的に毒気のない人間讃歌なので空気を読まないパロディも含めてどうしても安い印象を受けてしまう。
ドラマの物足りなさの一つとして挙げられるのが主人公の表層的な設定。努力でトップクラスまで登りつめたという設定だが、言葉で語られるのみで努力している具体的な描写がないため結果的に単なる天才キャラになってしまっている。
そこそこ楽しめる作品ではあるが、記憶に残るような佳作ではないと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-10-21 22:45:28] [修正:2010-10-21 22:45:28] [このレビューのURL]

井上雄彦の水墨画調の作画やキャラクターの哲学によって築かれる独自の精神世界に芸術的価値があるのは誰もが認めるところだろう。
しかし、小次郎編以降はややダレ気味であり迷走している印象すら受ける。「イノセンス」などのこの手の哲学的な作品にはありがちだが、語るに落ちてストーリーの趣旨を時々見失ってしまっているのだろう。正直、現時点では『ベルセルク』と本作、どっちが面白いかと聞かれれば「ベルセルク」と答える。
追記:最近のグダグダぶりがあまりに酷すぎるため減点。
元々、連載自体が不定期でただでさえ読者を待たせているのにこのクオリティは救いようがない。話をまとめるどころかどうでもいいエピソードばかり描いている。
公式HPの読者を舐めたような釈明といい、作家としては冨樫先生より質が悪いかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-05-19 07:40:46] [修正:2010-10-06 16:34:16] [このレビューのURL]

一言で言ってしまえば私には合いませんでした。
素朴な絵柄とモノローグ、ほのぼのとした人物間の雰囲気の描き方に特筆すべきものがあるのは認めます。
しかし、私はどちらかといえば性悪説よりな擦れた人間なのでこのような「善人しか登場しない人間讃歌」には読んでいて歯痒さを覚えてしまうのです。
人間の罪や愚かな一面を描きつつも根底の善意を描く、というヒューマニズムなら評価したいのですが(F先生や冨樫先生など)。
ただ、主人公の「生きる歓び」を体現するような生き方に憧れたりはします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-06 13:34:05] [修正:2010-09-06 13:34:05] [このレビューのURL]

7点 モテキ

一見少年誌のラブコメにありがちなハーレム状態ですが、そうは上手くいかないところがリアルで面白いです。主人公だけでなく、女性キャラも個性的ながらリアルな造詣で、心理描写も秀逸です。藤本のウジウジして卑屈なキャラはイライラさせられつつも共感してしまいます。本当は人当たりも良くてチャンスに恵まれているのに、自分に自信がないために受身の姿勢になってしまい恋愛まで発展しない。だからこそ藤本が思い切って行動する場面にカタルシスを得られます。最終的に亜紀とくっつきそうな雰囲気ですが、今後の展開次第ではさらに点数が上がると思います。ただ、読んでて幸せになれるようなラブストーリーが好きな人には向かないかもしれません。
追記:予定通り4巻で完結しましたが、結局中途半端な終わり方をしてしまったのは残念です。ちゃんと話をまとめ上げれば傑作にもなれたかもしれませんが、あの終わり方のせいで「時が経てば忘れてしまうような作品」止まりになってしまった感が否めません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-10-29 12:00:37] [修正:2010-04-20 00:32:19] [このレビューのURL]

9点 レベルE

『幽☆遊☆白書』でジャンプ編集部と対立した冨樫のガス抜き的作品。短編集であるため、話はあまり広がらず幽白の仙水編やハンターのキメラ=アント編ほど重くはない。「天才的な悪人」ではなく「天才的な意地悪」を主役にしてしまったところが素晴らしい(笑)。読者の予想を見事に裏切る展開や、無駄なシーンが無くテンポよく進んでいく展開はいかにも冨樫らしい。食人鬼編の切ないラストでありながらベタベタのお涙頂戴演出を行わずにサラッとどこか哲学的にまとめるあたりも藤子・F・不二雄を髣髴とさせる。しかし、本作や『HUNTER×HUNTER』を読む限り冨樫はとことん「少年漫画的」な展開を嫌う漫画家であることが伺える。だからこそ「少年漫画の殻を容易く打ち破る」作品を描くことが出来る、今のジャンプ(と読者)にとっては貴重な存在なのだと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-03 03:34:12] [修正:2010-03-04 22:40:32] [このレビューのURL]

名作2作を描き上げて藤田氏も力尽きてしまったのでしょうか。長編としても短編集としてもさっぱり面白くありません。サブキャラクターの行動はありきたりだし、大したドラマの掘り下げもされずに事件が解決してしまいます。主人公の正義感には押しつけがましさすら感じられ、むしろ仕事人に徹するイデヤの方が共感できるのも話に没入できない原因ですね。主人公持ち上げと憎まれ役貶しが露骨だからこそ不快感が強いのでしょう。また、お伽噺を題材にしながらも話を改変してしまっていることから、この作品は作者のお伽噺に対する感想や歯痒さが動機で描かれていると思われます。こういう作者本位で読者の視点を見失ってしまっている制作スタンスが話を共感させ辛く完成度の低いものにしてしまっているのでしょう。
追記:89話を読みましたが、さらに点数を下げます。内容は主人公持ち上げなのですが、もはや完全に過去のエピソードの焼き直しになってしまっています。話が盛り上がらない上に無駄なエピソードにページを割くとか、作者に何を期待していいのかわからなくなりました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-04-11 01:46:47] [修正:2010-02-12 03:42:47] [このレビューのURL]

6点 トリコ

フグ鯨編は面白かったです。ただその後、美食會が出てきたあたりから頭でっかちで描いている印象が強くなり、話も失速してきた印象です。計算で描くことは悪いことではありませんが、どうもその計算がみえみえであざとさを覚えてしまいます。作者が少年漫画を熟知しているのは分かりますが、作品としては看板漫画の器ではないでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-11 20:17:42] [修正:2010-01-11 20:17:42] [このレビューのURL]

作者には連載には全く向いていないのだと思う。後の展開のことまで深く考えずに行き当たりばったりに自分の描きたいシーンを最優先し、話の整合性はほったらかしにしてしまうという姿勢が毎回のように感じられた。最終話の伏線丸投げもその姿勢を顕著に表わしていたように思う。キャラの性格もどれも極端で行動原則が謎の人物が多いのも話を共感させにくくしていた。ジャンプからは当初期待されていたようだし固定ファンもいる作品ではあるが、打ち切りは納得の結果だった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-08-11 11:11:45] [修正:2010-01-02 16:35:45] [このレビューのURL]